見出し画像

結局何が正解なの

 思考に飲み込まれそうになる事がある。
文系学生なので、研究の為に様々な国の論文や資料を読むが、その度に自分の思考がぐるぐる回って、まるで渦のようになり、何が何だか分からないまま、ずっと考え込んでしまう。人の研究発表のレジュメの裏に、自分のぐちゃぐちゃになった思考を書き殴っては、真っ黒の鉛筆で塗り潰す。書き殴っては、潰す。その繰り返し。

でも、正解は無い。正解を自分で「これが正解です」と言うしかない。研究ってそんな感じだと、氷山の一角を少しだけ触れてようやく分かった。はっきり言って、不安しかない。だからまた読む。考える。書く。潰す。

思考に飲み込まれそうになっている時、私は無感情だ。辛いとか苦しいとか幸せとか、何も考えてない。ただ目の前にある研究と自分の考えを照らし合わせるだけの「作業」。だから辛くはない。

だけど、ふと顔を上げて、感情を取り戻すと、押し潰されそうになる。めちゃくちゃ辛い。辺りを見渡しても、誰もいない真っ暗な空間で、正解を求め、ただ自分と向き合っている。それを客観視してしまう。この時間、何なの?って思ってしまう。

だからまた考えないように、渦に潜る。

潜って潜って、潜り続けて。

それでいつか正解を見つけた時。私は何を思うんだろう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?