ARG『かがみの特殊少年更生施設』の闇に触れよう※ネタバレあり
謎解きゲームや、ミステリー・ホラー系のモキュメンタリー小説を楽しんでいたところ、モキュメンタリーを体感できるゲームに出会った。
それが『かがみの特殊少年更生施設』だ。
ARG(alternate reality game、代替現実ゲーム)とも呼ばれており、「施設のウェブサイトにアクセスする」という現実・日常でも起こり得る動作から繋がるゲームになっている。
自分がモキュメンタリーの一部になったような体験ができることが新鮮で、早速最近話題の『かがみの特殊少年更生施設』の謎解明に取り組んでみた。
『かがみの特殊少年更生施設』とは
一見すると更生施設を紹介するウェブサイト。
しかしよくよく見ていくと妙なところに気づける。その「妙なところ」を皮切りに、検索窓を駆使して隠されたページを探していくゲームだ。
サイトで分かりやすく「これが謎でーす!」とアピールしてあるわけではないため、ざっと眺めるだけでは違和感に気づきにくい。
とっかかりすら見当たらず困惑する人もいると思う。下記の公式の動画をみると取り組みやすくなると思う。
関連書籍として、公式設定資料パンフレットと令和6年度施設案内冊子が出版されている。
公式案内パンフレットは上記Webサイトの公式設定の解説で、理解を深めるためのもの。新たな謎はない。
令和6年度施設案内冊子には新たな謎が含まれている。
※※※
ここから先は
Webサイト、公式設定資料パンフレット、施設案内冊子
のネタバレを大量に含みます。
※※※
主要人物
同学年の少年達
在院していた少年の中でも蒼乃晴翔、乙坂響は主要人物になっている。そしてこの二人に絡んでいたのが林野廣剛。蒼乃晴翔が少年院、そして更生施設に入った原因に関わるのが花城璃子だ。
蒼乃晴翔 No.467
友人の花城璃子に性加害を行った高校教師を刺殺した少年。2022年に16歳で施設に入った。
内気な性格であまり人と交流したがらない。画家の家柄出身で、彼も画家としての指導を受けて育っていた。ただ彼自身はマンガを好んでいた。父親がマンガ嫌いだったため、隠れて楽しんでいた。
施設内での卒院制作で自らマンガを描くことに決めた。不正アクセスで施設の闇を知り、マンガで晒そうとしたが、カネモリ式を施されたことで記憶・思想が変化。完成したマンガ「バイカラー・ムーン」では施設への批判要素がなくなる。
2023年4月に17歳で卒院。
乙坂響 No.449
虐待の加害者で、妹を殴打した父親を刺殺した少年。2021年に15歳で施設に入った。
美術、とくに油彩画に才能がある。おどけた性格で突飛な行動を取る。
自分を庇った妹を父親が撲殺したことに怒り我を忘れ、その後も後悔の念を持っていなかった。しかしカネモリ式を施されたことで記憶・思想が変わり、罪悪感を持つようになる。
2022年12月に17歳で卒院。
林野廣剛 No.431
貧しい家庭環境などによるストレスから、非行を繰り返すようになる。業務用消火器で同級生を殴った少年。カッとなると歯止めがきかない性質。
2021年末に16歳で施設に入った。
カネモリ式を途中まで受けた後一般育雛法も受け、暴力性が消失。
2023年7月に17歳で卒院。
花城 璃子
蒼乃晴翔の同級生。彼女の被害に対する復讐によって少年院、そして更生施設に入った蒼乃晴翔が、卒院後様子がおかしいことに気づき、何があったのかを知りたがっている。
用語
「社会不適合因子洗脳施術」「カネモリ式」「特殊育雛法」「悔悟の礼」「くずかわ特例」「特例優等賞」
時代や関係者によって呼び方が変遷しているが、基本的には同じものとみて良い。ただし時代や誰が呼ぶかによって少しずつ形や呼び名が変わっている。
金森寿一郎が考案した施術を、水無瀬研究所の九頭川雅道が現代に適応させた。
1号施術:自己批判・催眠
2号施術:監薬療法
3号施術:UTT法
4号施術:脳孵化術
「悔悟の礼」「くずかわ特例」「特例優等賞」はいずれも蒼乃晴翔が「バイカラー・ムーン」内で用いた言葉で、カネモリ式を受けたことで現実に対する認知不協和の解消の過程で使われた言葉。
「一般育雛法」
前述のカネモリ式とは別の施術。以下の4段階の施術が行われる。
1号施術:自己批判・軽度の催眠
2号施術:軟禁・投薬
3号施術:磁気刺激法
4号施術:記憶矯正カウンセリング
「規格卵No.」「因子番号」
蒼乃晴翔などの在院している少年に付与されている番号。
違和感を訴える呼ぶ声
サイトで一般公開されている作品の中に、外部に助けを求めていたり、忠告しているように見えるものがいくつかある。
血塗れの医師の存在|更生のキセキ.pptx
Youtube動画でも触れていたもの。【更生理念】からDLできるPR用スライド。
スライド3枚目の『先生たち、ありがとう』という絵。一番左に描かれていた血塗れの医師?がトリミングされている。
妙な映像|PR動画
【PR動画】で視聴できる動画。4秒と8秒のところに一瞬妙な映像が挟まる。
「高島が記憶変える」|愛宝新聞002
【愛宝新聞002】の記事内でフォントが他と異なる文字のみ拾って読むと「たかしまがキおくかえる」⇒「高島が記憶変える」と読める。
一般には公開されていないが、施設には高島啓介という精神科医が在籍している。
「隠した ぼくらのコトバ さがして」|令和元年度院生作品優秀賞
【院生作品】に掲載されているポスターのような画像。背景に書かれている数値とアルファベットの羅列を4文字ずつ区切ると、Unicode変換で文章が現れる。
\u96a0\u3057\u305f\u3000\u307c\u304f\u3089\u306e\u30b3\u30c8\u30d0\u3000\u3055\u304c\u3057\u3066
⇒「隠した ぼくらのコトバ さがして」
「オカベキッタ」|絵画002
Youtube動画でも触れられていたもの。題名『己』という作品。右上にかなり薄くて読み取りにくいが「オカベキッタ」と書いてある。「オ」と「タ」が比較的読みやすい。
一般には公開されていないが、施設には脳外科医の岡部勝博が在籍している。
「こひなたのくすりのむな」|絵画007
【絵画007】の題名『音、二秒遅れて』という作品。下部に描かれている弧が「ー」と「・」でモールス信号になっている。
ーーーー ーー・・ー ・ー・ ー・ ・・ーー ・・・ー ーーー・ー ーー・ ・・ーー ー ・ー・
⇒こひなたのくすりのむな
一般には公開されていないが、施設には薬剤師の小日向紀子が在籍している。
日誌の断片|絵画008
【絵画008】の題名『日常』という作品。
ノートに書かれた日誌をちぎったものが使われている。復元すると内容を読み取れる。
「今日●●●●とをしました。にげだそうとした子を、取●おさえるおてつだいを●ました。●変でしたが●●●っておさえこむことがで●●した。あの子●別棟行きです。早くキレイ●なって、帰ってきてほしいで●」
推測で欠損部分を補うと、
「今日は良いことをしました。にげだそうとした子を、取り押さえるおてつだいをしました。大変でしたががんばっておさえこむことができました。あの子は別棟行きです。早くキレイになって、帰ってきてほしいです」
「OKABEKIKEN」|絵画012
Youtube動画でも触れられていたもの。【絵画012】題名:『対称』という作品。
チューリップの形になるように紙を折ると、赤い文字で「OKABEKIKEN」と読める。
前述の通り、施設には脳外科医の岡部勝博が在籍している。
「くすりのまされた」|ポスター002
Youtube動画でも触れていたもの。【ポスター002】職業訓練推進ポスター。
画面の中に書いてある文字「R$D@FMD@KEA」をPCのキーに書かれているひらがなに置き換えると「すうじはもじのいち」⇒「数字は文字の位置」になる。
ポスター内には数字が散らばっている。これらはポスター内の文字(漢字の箇所はふりがな)を上から順に数えた時に何番目の文字を読むべきかを表している。
3・11・23・54・87・92・96・103
⇒く・す・り・の・ま・さ・れ・た
「これ以上 犠牲出すな」|ポスター005
【ポスター005】施設PRポスター。真ん中にいる人物の、右側の影になっている部分をよーく見ると文字が書いてある。これはUTF-8という文字コードで書かれた文章。
e38193e3828ce4bba5e4b88ae38080e78aa0e789b2e587bae38199e381aa
⇒これ以上 犠牲出すな
「ちずにないへやがある」|写真006
【写真006】題名『寄り添って生きる』という写真。
よーーーく見ると赤枠で囲ったところに上から順で「ちず」「にない」「へや」「がある」という文字が仕込まれている。ダントツで見つけにくい隠し要素。
誤字|絵画011・作文001・002
【絵画011】題名『カツミレの花』の「カツミレ」は「カミツレ」のこと?カミツレはカモミールの和名。
作文は文中に誤字があり、【作文001】題名『宣誓文』、【作文002】題名『旅立ちの春』に不自然な誤字がある。
誤:媟 正:蝶(001)
誤:単立つ 正:巣立つ(002)
書き換えの痕跡|作文004
【作文004】題名『学園について』のなかで、明らかに一度書いたものを消して上から書き換えた痕跡がある。
6行目 良い人になりました⇒おかしくなりました
8行目 正しい道⇒変な部屋
時系列
1938年(昭和13年)
◆11月25日(金)
鴻池院信親と金森寿一郎(25)が共同研究を開始した年。
辰京医科大学の解剖室で、金森寿一郎(25)が何らかの実験を行う。
1941年(昭和16年)
◆時期不明
水無瀬精神病院が設立される。
1947年(昭和22年)
◆夏
金森寿一郎(34)が論文『社會適合論』を発表。彼発案の施術が「カネモリ式適合術」と呼ばれる。
1952年(昭和27年)
◆時期不明
金森寿一郎(40)がカガミノ脳病院の院長に就任。
1954年(昭和29年)
◆9月
金森寿一郎(41)が「かがみの特殊少年更生施設」を開設。
主幹研究員として研究を続行。
1969年(昭和44年)
◆1月
金森寿一郎(57)が死亡。自殺が疑われる。
死ぬ前に実験データと関連書類の一部が破棄されていた。
◆2月15日(土)
金森寿一郎を偲ぶ会が催される。
1970年(昭和45年)
◆4月1日(水)
かがみの特殊少年更生施設が機密情報と予算追加を申請。
金森寿一郎の死亡による人員とデータ・書類の不足・欠損を補う必要があったため。
1975年(昭和50年)
◆10月7日(火)
前述の申請に応じるため、医学博士の九頭川雅道(35)が1928年の金森寿一郎の実験データの復元を作成。
1985年(昭和60年)
◆時期不明
医学博士の九頭川雅道が水無瀬精神病院の院長に就任。名称を精神病院から研究院に改名。
2000年(平成12年)
◆時期不明
医学博士の九頭川雅道(60)がカネモリ式の現代適用に関する論文を執筆。実用化に成功。
【九頭川雅道について】
2005年(平成17年)
◆時期不明
脳外科医の岡部勝博(38)が「特殊思想教育」を確立。
【医師(岡部勝博)】
◆4月15日(金)
鎌倉勇が誕生。
【鎌倉勇 人物報告書】
◆8月8日(月)
乙坂響が誕生。
【乙坂響 人物報告書】
◆11月1日(火)
林野廣剛が誕生。
【林野廣剛 人物報告書】
2006年(平成18年)
◆2月7日(火)
蒼乃晴翔が誕生。
【蒼乃晴翔 人物報告書】
2010年(平成22年)
◆時期不明
カウンセラーの鳥居諒(29)が『精神の統一について』を出版。
【カウンセラー】【著書『精神の統一について』】
◆9月1日(水)
「美羽統一の適用化について」の内部通達。
【内部向け通達】
◆9月15日(水)
更生局から水無瀬研究院へ、政府通達としてカネモリ式の研究許可が下りる。
実施施設として「かがみの特殊少年更生施設」が指定される。
これを受けて、水無瀬研究院 研究統括部 部長 長谷川一季が「かがみの特殊少年更生施設」院長の久下沼智教に連絡。
【政府通達】【水無瀬研究院詳細】
【院長の言葉】曰く、表向きは「更生教育拠点施設の認定を受け」たことになっている。
2012年(平成24年)
◆時期不明
更生局の喜多見勇次郎からの指示で、精神科医の高島啓介(44)が「かがみの特殊少年更生施設」に派遣される。
【公式設定資料パンフレット】【高島啓介経歴書】
2013年(平成25年)
◆時期不明
「かがみの特殊少年更生施設」に表現指導の更生官として真部唯一郎(53)が赴任。
【更生官】
2015年(平成27年)
◆時期不明
「かがみの特殊少年更生施設」に生活指導の更生官として山口義雄(39)が赴任。
【更生官】
2016年(平成28年)
◆時期不明
「かがみの特殊少年更生施設」に教育指導の更生官として有野正隆(29)、表現指導の更生官として箕輪玲奈(21)、心理カウンセラーとして鳥居諒(34)が赴任。
【更生官】【カウンセラー】
2017年(平成29年)
◆時期不明
乙坂響(12)の母親が病死。
これ以降父親の乙坂史郎(37)による虐待が始まる。
【児相・家裁報告書 虐待相談・通告受付票】
2018年(平成30年)
◆時期不明
更生局の喜多見勇次郎からの指示で、薬剤師の小日向紀子(39)が「かがみの特殊少年更生施設」に派遣される。
【公式設定資料パンフレット】
「かがみの特殊少年更生施設」に特別活動指導の更生官として松浪健介(26)、教育指導の更生官として柴崎美代(35)、体育指導の更生官として小野村耕平(29)が赴任。
【更生官】
2019年(令和元年)
◆5月22日(水)
乙坂響(13)の虐待相談・通告受付票が受理される。
【児相・家裁報告書 虐待相談・通告受付票】
◆6月17日(月)
スポーツ大会を開催。
その宣伝ポスターを2015年度の院生が作成。
【ポスター001 スポーツ大会宣伝ポスター】
2020年(令和2年)
◆時期不明
更生局の喜多見勇次郎からの指示で、脳外科医の岡部勝博(52)が「かがみの特殊少年更生施設」に派遣される。
【公式設定資料パンフレット】【岡部勝博経歴書】
「かがみの特殊少年更生施設」に表現指導の更生官として千木良竜吾(30)、体育指導の更生官として青木忠治(36)、坂口優翔(22)、生活指導の更生官として霜川洋子(57)、看護師の関口晃(40)、管理栄養士の國松一人(34)が赴任。
【更生官】【看護師】【栄養士】
◆9月28日(土)~9月30日(月)
表現祭を開催。
その宣伝ポスターを2018年度の院生が作成。
【ポスター006 表現祭宣伝ポスター】
◆11月10日(日)
「こばやし」という少年がカネモリ式の施術を受け終わる。
この前後でバウムテストを受け、前後で全く異なる画風の木の絵を描く。
【精神医療データ 調査書】
◆12月1日(日)
乙坂響(15)が父子家庭での一家心中に見せかけて、父親の乙坂史郎(42)を刺殺。
【関係資料 父子家庭で一家心中未遂か・「六松市●●事件」続報】
2021年(令和3年)
◆時期不明
「かがみの特殊少年更生施設」に生活指導の更生官として岩村聡(32)が赴任。
【更生官】
◆2月4日(木)
利根少年院に在院中の乙坂響(15)を「かがみの特殊更生施設」に移送することが決まり、特別指示書が発行される。
【特別指示書】
◆2月10日(水)~12日(金)
乙坂響(15)が利根少年院から「かがみの特殊更生施設」へ移送される。
【特別指示書】
◆2月16日(火)
乙坂響(15)の少年調査票が発行される。
◆3月30日(火)
研究機関対象テスト担当の向井奨が対象者テスト内容を開示。
【研究機関データ 対象者テスト内容】
◆7月21日(水)
【桜北総合病院閉院のお知らせ】が公開される。
◆10月14日(木)
林野廣剛(15)が男子生徒を業務用消火器で殴り、全治2カ月の重傷を負わせるという傷害事件を起こす。
【関係資料 赤木市内の高校で撲殺未遂か】
◆10月31日(日)
桜北総合病院が閉院。
【桜北総合病院閉院のお知らせ】
◆12月9日(木)
林野廣剛(16)の少年調査票が発行される。
【児相・家裁報告書 少年調査票】
2022年(令和4年)
◆時期不明
「かがみの特殊少年更生施設」に生活指導の更生官として谷崎大智(22)が赴任。
【更生官】
◆3月14日(月)
蒼乃晴翔(16)が火辰高校教員の辻太一(35)をキャンバススクレーパーで刺殺。
【関係資料 有名私立校の教師 遺体で発見】
◆4月5日(火)
蒼乃晴翔(16)の少年調査票が発行される。
◆5月
林野廣剛(16)が乙坂響(17)に喧嘩を売る。
◆8月21日(日)
No.411の精神鑑定結果を記録。特殊思想教育への適性ありと判定。
【研究機関データ】
◆8月23日(火)
No.431林野廣剛(16)の精神鑑定結果を記録。特殊思想教育への適性ありと判定。
【研究機関データ】
◆8月24日(水)
No.438の精神鑑定結果を記録。特殊思想教育への適性ありと判定。
【研究機関データ】
◆9月2日(金)~11月29日(火)
乙坂響(17)がカネモリ式の施術を受ける。
同時進行で卒院制作が行われる。
◆12月5日(月)
鎌倉勇(17)が窃盗事件を起こす。
【児相・家裁報告書 少年調査票】
◆12月15日(木)
鎌倉勇(17)の少年調査票が発行される。
【児相・家裁報告書 少年調査票】
◆12月24日(土)
術後監察官の山口義雄(47)が乙坂響(17)の施術内容報告を提出。
【乙坂響1号施術】【乙坂響2号施術】【乙坂響3号施術】【乙坂響4号施術】
◆12月26日(月)
「表現指導評価レポート」が提出される。
◆12月29日(木)
水無瀬研究所の九頭川修一宛に、「研究拡大に向けた対象年齢の引き上げについて」が発行される。
【保護中: 無題】
2023年(令和5年)
◆時期不明
「かがみの特殊少年更生施設」に教育指導の更生官として日浦悠(29)が赴任。
【更生官】
◆1月10日(火)
蒼乃晴翔(17)がカネモリ式の施術をを受け始める。
◆1月30日(月)
更生官の松浪健介(31)が蒼乃晴翔(17)からマンガ「バイカラー・ムーン」の一番初期段階のネームを見せられる。
【松浪健介手記データ】
◆2月2日(木)
更生官の松浪健介(31)が「バイカラー・ムーン」のネームを再読したところ、気分が悪くなる。
【松浪健介手記データ】
◆2月7日(火)
精神科医の高島啓介(55)が、1号施術~4号施術による心理的変化についての調査書を提出。
◆2月7日(火)~3月10日(金)
更生官の松浪健介(31)が施設で行っていることに疑問を抱き始め、不正アクセスを繰り返す。
【松浪健介手記データ】
◆3月9日(木)
蒼乃晴翔(17)が自発的にマンガ「バイカラー・ムーン」のネームを修正。
1号施術と2号施術の間の時期。
◆3月20日(月)
蒼乃晴翔(17)がマンガ「バイカラー・ムーン」の原稿を作成。
3号施術まで受けた影響で、認知不協和を解消するためマンガの内容を事実ではない内容に改変し始める。
◆3月24日(金)
蒼乃晴翔(17)の卒院制作のマンガ「バイカラー・ムーン」が水無瀬研究所に送付(ラボレート)される。
【蒼乃晴翔卒院制作】
◆4月2日(日)
更生官の松浪健介(31)がまんぞく運送への不正アクセスしたことを理由に、「被験体19号」としてカネモリ式を施されることが決まる。
◆4月4日(火)
更生官の松浪健介(31)が「被験体19号」としてカネモリ式1号施術(自己批判・催眠)を受ける。
【松浪健介に対するカネモリ式の施術決定】
◆4月5日(水)
術後監察官の霜川洋子(58)が蒼乃晴翔(17)の施術内容報告書を提出。
【蒼乃晴翔1号施術】【蒼乃晴翔2号施術】【蒼乃晴翔3号施術】【蒼乃晴翔4号施術】
◆4月10日(月)
蒼乃晴翔(17)が美羽日誌を書く。更生官の山下衛が担当印を押印。
卒院制作が完成する。
【蒼乃晴翔院生日誌】
◆4月18日(火)
更生官の松浪健介(31)が「被験体19号」としてカネモリ式2号施術(監薬療法)を受け始める。
違反行為を認め始める。
【松浪健介に対するカネモリ式の施術決定】
◆5月1日(月)
林野廣剛(17)がカネモリ式1号施術(自己批判・催眠)を受け始める。
【施術結果報告書 規格卵No.431に関しての報告】
◆5月10日(水)
更生官の松浪健介(31)が「被験体19号」としてカネモリ式3号施術(UTT法)を受け始める。
【松浪健介に対するカネモリ式の施術決定】
◆5月18日(木)
林野廣剛(17)がカネモリ式の2号施術(監薬療法)を受け始めたところ凶暴化。
その後複数回2号施術を施されたが改善せず、施術中止。
一般育雛法への切り替え決定。
【施術結果報告書 規格卵No.431に関しての報告】
◆5月27日(土)
更生官の松浪健介(31)が「被験体19号」としてカネモリ式4号施術(脳孵化術)を受け始める。
【松浪健介に対するカネモリ式の施術決定】
◆6月2日(金)
術後監察官の岩村聡(34)が「規格卵No.431に関しての報告」を提出。
(規格卵No.431=林野廣剛)
【施術結果報告書 規格卵No.431に関しての報告】
◆6月5日(月)~7月21日(金)
林野廣剛(17)が一般育雛法の施術を受ける。
【林野廣剛1~4号施術】
◆6月20日(火)
更生官の松浪健介=被験体19号(31)が復職。
【松浪健介に対するカネモリ式の施術決定】
◆7月30日(日)
術後監察官の岩村聡(34)が林野廣剛(17)の施術内容報告書を提出。
【林野廣剛1~4号施術】
◆8月30日(水)
【愛宝新聞001】が発行される。野菜を収穫したことを掲載。
◆9月15日(金)
【愛宝新聞002】が発行される。ゴミ拾いボランティアに参加したことを掲載。
◆10月30日(月)
【愛宝新聞003】が発行される。体育祭をしたことを掲載。
◆11月29日(水)
【愛宝新聞004】が発行される。芋煮会をしたことを掲載。
◆12月
更生官の松浪健介=被験体19号(32)の容態が急変。突如発狂し死亡。
【施術結果報告書 被験体19号に関しての報告】
2024年(令和6年)
◆1月10日(水)
術後監察官の岩村聡(35)が【施術結果報告書 被験体19号に関しての報告】【松浪健介施術報告 施術内容報告書】を提出。
◆2月8日(木)
林野廣剛(18)が花城璃子(18)にDMを送る。
◆2月11日(日)
花城璃子(18)が蒼乃晴翔に接触。
◆2月27日(火)
林野廣剛(18)が表現祭の招待状を入手し、花城璃子(18)に連絡。
◆3月1日(金)
表現祭開催。
花城璃子(18)が見学に行き、展示物や資料を盗撮。
◆4月2日(火)
花城璃子(18)が出国。
◆6月25日(火)
令和6年度施設案内冊子が発行される。
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