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『未解決事件は終わらせないといけないから』を解決しよう※ネタバレあり

今回は『未解決事件は終わらせないといけないから』というゲームについて、そのストーリーを私が深く理解がしたいがためにまとめていこうと思う。

未解決事件は終わらせないといけないから

Steamからダウンロードできるインディーズの推理ゲーム。
韓国で作られ、日本語含め他言語に翻訳されている。上記は英語版のトレーラーだが、雰囲気はわかると思う。

作者のSomiさんのゲームは、他にも『Replica』『Legal Dungeon』など、評価が高く人気なゲームがある。
推理要素のある、ちりばめられた情報をかき集めて真実に近づいていくというコンセプトが好きな人にはおすすめ。

ここからゴリッゴリのネタバレ全開で書くので、この先を読む場合はその点ご了承のうえでお願いしたい。


あらすじ

清崎蒼警部の退職から12年後、ある日訪ねてきた若い警官。彼女は「犀華ちゃん行方不明事件」を終わらせるよう協力を要請してきた。清崎はバラバラになった記憶のかけらを思い出して再構成するが、明らかとなったのは犀華の周りの全員が嘘つきだったということだけ。

https://store.steampowered.com/app/2676840/_/?curator_clanid=35182344

行方不明事件そのものの話と、この話を思い出すとある老婆の話があるが、まず行方不明事件そのものの起承転結をまとめるとこうなる。

  • 起:2004年、理佐子りさこが娘犀華せいかの死を受け入れられず、まだ生き続けているという歪んだ認知をし始める。

  • 承:2012年、理佐子りさこ宮城みやぎ 犀華せいかを娘だと思い込み誘拐。

  • 転:理佐子りさこを庇っていた母貴子たかこと元夫公正こうせいによって、宮城みやぎ 犀華せいかが自宅に帰され、理佐子りさこの娘原島はらしま 犀華せいかの死が明かされる。

  • 結:原島はらしま 犀華せいかの行方不明事件を未解決とする。

この未解決事件の12年後、とある人物ととある老婆との会話から、この事件を思い出すという視点でゲームが始まる。
(この思い出している二人の関係性でエンディングが2種類に分岐する)

時系列を理解するにあたり、既に死去した原島はらしま 犀華せいかと生存している宮城みやぎ 犀華せいかという、全く無関係な2人の犀華せいかが存在することが重要になる。

時系列:2012年2月より前

2004. 4. 3.

原島はらしま 犀華せいか誕生。

この犀華せいかはいわゆる未熟児で、妊娠23週目という早産で、700g未満という超低出生体重児だった。
早く生まれた分母体から受け取れる抗体が少なくなるため、病気にかかると重症化しやすい。

2004. 7. 20.

原島はらしま 犀華せいか死去。
ただし母理佐子りさこも父公正こうせいも死亡届を出さなかったため、公的には生存し続けている扱いとなる。

2004. 8. 1.

宮城みやぎ 犀華せいか誕生。
母は沙羅、父は哲郎てつろう原島はらしま家とは全く関係のない子供で、名前が同じであることは単純に偶然だったのだろう。

2006~2007年

原島はらしま 公正こうせい理佐子りさこが離婚。理佐子りさこが旧姓の松田まつだに戻る。

2008~2009年

宮城みやぎ家が今の家に引っ越してくる。

2009.7.1.

宮城みやぎ 哲郎てつろう槙野まきの めぐみのヘルパー利用を始める。

2009. 9. 1.

宮城みやぎ 沙羅(翔太しょうた犀華せいかの母親)死去。

2011. 12.

松田まつだ 理佐子りさこのもとに、故・原島はらしま 犀華せいかの就学通知書が届く。

これが起因し、理佐子りさこは就学準備のために犀華せいかと買い物に行かねばならないという認識が生まれ、町中の公園を巡って犀華せいかを探すという奇行を始める。

またこの通知書で、理佐子りさこの母貴子たかこが、孫娘の死亡届が出されていないことを初めて知る。

時系列:2012年2月3日

2012. 2. 3. 15:33-15:38

宮城みやぎ 翔太しょうた犀華せいか兄妹が公園で遊んでいる最中、コアラ会支援センターが槙野まきの めぐみに電話し、表彰式の出席を打診する。
めぐみは電話に出るためにマンションの通路に入る。

※実際、めぐみはそもそも翔太と犀華せいかから少し離れた場所から見ていた。さらにこの通話もまた事実であるため、犀華せいかが完全に視野の外になった時間帯が生まれている。

2012. 2. 3. 上記と同時刻頃

翔太しょうた犀華せいかを残し文房具店へ行き、アメを買いバースデーカードを万引きする。
(時刻は文房具店員が「3時半過ぎだったと思います」と証言しているため、たまたま恵の通話タイミングと重なっている)

戻ってきたところ、犀華せいかが行方不明になっていることに気づく。

2012. 2. 3. 17:35 宮城みやぎ 哲郎てつろうの証言

娘が一人で迷子になったと思ってるんですか?ただの失踪だと?

警察から哲郎てつろうに、公園付近に犀華せいかが行きそうな場所がないかを聞く。
それを、警察が誘拐ではなく迷子だと認識していると考え、食って掛かる。

この時点で、正真正銘の誘拐ならば2時間は経過しており、かなり遠くまで逃げることも可能だ。父親として焦るのも当然だろう。

2012. 2. 3. 17:42 宮城みやぎ 哲郎てつろうの証言

ええ・・・・・・ありません。同じでした。
平日は幼稚園に、週末は主に家族みんなで公園に。

日常の習慣として、翔太しょうた犀華せいかが最近毎日同じ公園に行くこと、近くの文房具屋アポロンに寄ること、その店のアメが好きであることを証言。

2012. 2. 3. 18:10 槙野まきの めぐみの証言

3時33分でした。間違いありません。

清崎刑事はまず、同時刻に公園にいたであろう槙野まきの めぐみ宮城みやぎ 翔太しょうたから証言を取ることにしたようだ。

めぐみは育児ヘルパーで、翔太しょうた犀華せいかと共に公園にいた人物とされる。
犀華せいかを最後に観たのは3時33分であると証言。

2012. 2. 3. 18:13 槙野まきの めぐみの証言

私の携帯に通話記録が残ってます。

着信があったことで時間を覚えていたことを証言。

2012. 2. 3. 18:18 槙野まきの めぐみの証言

翔太君がずっと一緒にいたんですが、犀華ちゃんがどこに行ったのかは見てないそうです。

翔太しょうた犀華せいかを見失ったことを気にしているため、質問をしないでほしいと言う。

2012. 2. 3. 18:32 宮城みやぎ 翔太しょうたの証言

翔太君が言いたくなかったら、ゆっくり待つよ。
(以下略)

清崎刑事は次に、犀華せいかの兄である翔太しょうたの証言を得ようとする。
しかし、彼は清崎刑事に対し無言のまま。

2012. 2. 3. 18:38 宮城みやぎ 翔太しょうたの証言

・・・そうだよ。
みんなと一緒に・・・いたよ。

【嘘】公園で犀華せいか翔太しょうたで一緒にいたと証言。

※実際には、翔太しょうたは短時間だが文房具屋に行っている時間があったため、犀華せいかが独りだった時間帯がある。

2012. 2. 3. 18:43 宮城みやぎ 翔太しょうたの証言

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・似てるの?
ぼく・・・・・・
ホントに似てるの?

これは「背が高い」ことを「お母さんに似たのか」と問われたことに対する反応。

2012. 2. 3. 19:25 アポロン文房具の証言

今日は・・・・・・
いいえ。犀華ちゃんも、翔太君も来てませんが。

【嘘】この日は翔太しょうた犀華せいかも来ていないと証言。

※実際には翔太しょうたは来店し、アメを購入している。翔太しょうたが事件にむやみに巻き込まれることを心配したが故の嘘だった。

ちなみにこの店員は翔太しょうた犀華せいかの母沙羅が既に故人であることを知らなかった。

2012. 2. 3. 19:32 アポロン文房具の証言

翔太君の家族なら、まあ、昔からよく見てきたんでよく知ってます。

3、4年くらい前に引っ越してきた翔太しょうたを始めてみたこと、背が高かったことから高学年かと思ったことを証言。

時系列:2012年2月4日

2012. 2. 4. 09:40 栄花市役所からの相談

そうです、課長。お疲れ様です。
栄花市役所総務課の者です。

この時点で宮城みやぎ 犀華せいかが行方不明になってから18時間経過している。

そのような中、全く別の話題として、市役所総務課から相談の連絡が来る。
未就学児のうち予備招集日に来なかった児童が4人いたこと、世帯別に訪問して確認したことにしても良いか?という話だ。

※この総務課職員は、実際にやるべき訪問をせずに書類を処理する気だった。怠慢。

2012. 2. 4. 10:18 栄花市役所からの文書

予備招集日欠席者リストが届く。その中に故・原島はらしま 犀華せいかの名前が確認できる。
ただ清崎刑事の視点では、「今行方不明の娘と同じ名前だな」とは思うだろうが、この時点で原島はらしま 犀華せいかが既に亡くなっていることまではまだわからない。

2012. 2. 4. 12:35 松田まつだ 理佐子りさこの証言

あら!
宅配かなと思って急いで開けたんですけど。びっくりしました。

【嘘】"子供"が寝ているから呼び鈴ではなくノックしてほしいと言う。
今"子供"が眠っていること、昨日は"子供"にサイズの合う服が家になく、あれこれ買い物していたことを証言。

※この"子供"は誘拐してきた宮城みやぎ 犀華せいかのこと。あれこれ買い物していたのは事実だろうが、そもそも"子供"が実子ではない。
理佐子りさこは認知が歪んでいるため、嘘をついている自覚もない。

これは清崎刑事が市役所総務課からの文書を見て、規定通りに訪問した様子。総務課の誘いに乗って訪問をサボる手もあったはずで、ましてや宮城みやぎ 犀華せいかの行方不明の捜査中でもあるが、規定通り訪問している。

2012. 2. 4. 12:51  松田まつだ 理佐子りさこの証言

もちろん、うちの娘は元気ですよ。

【嘘】小学校の予備招集日に出席しなかった理由について証言。

※実際には、実の娘の原島はらしま 犀華せいかは既に亡くなっているが、届を出しておらず公的に死が認知されていなかった。そのため小学校の入学予定の児童として登録されてしまっていた。

この後、宮城みやぎ 犀華せいかが「パパに会いたい」と主張。
これを理佐子りさこは、自分の娘原島はらしま 犀華せいかから見たパパである原島はらしま 公正こうせいと認識し、彼に連絡を入れる。
(実際に犀華せいかが会いたがったパパはもちろん宮城みやぎ 哲郎てつろうのこと)

2012. 2. 4. 13:17 松田まつだ 貴子たかこの証言

予備・・・招集日ですか?あの時は・・・・・・
うちの娘は風邪を引いたとか言っていたかしら?ええ、たぶんそうです。

理佐子りさことは別で暮らしていること、ときどき立ち寄っていることを証言。
【嘘】孫娘(=故・原島はらしま 犀華せいか)は自分と理佐子りさこで面倒を見ているから心配しなくて良いと、市役所にも回答したと証言。

※回答したこと自体は本当だが、回答内容が嘘。原島はらしま 犀華せいかが亡くなっているが、理佐子りさこが死亡届を出していないことを知った後であるため、嘘を吐いて理佐子りさこを庇っている。

このときの清崎刑事の事情聴取は、宮城みやぎ 犀華せいかの行方不明に関してではなく、原島はらしま 犀華せいかが予備招集日に欠席した件に関する訪問確認。
松田まつだ家で原島はらしま 犀華せいかの姿を確認できなかったことや、松田まつだ家にいるはずなのに犀華せいかの姓が原島はらしまで登録されている点などで不自然に感じたのかもしれない。

2012. 2. 4. 14:25 エデン幼稚園の証言

話せることは別の方に電話で全部説明いたしました。

宮城みやぎ 犀華せいかの普段の様子として、人見知りせず、兄翔太しょうたが迎えに来る日が多かったことを証言。
また、犀華せいかが泣いたり怒ったりすることがないため、その明るさが危うく見えたことも証言。

2012. 2. 4. 15:12 コアラ会支援センターの証言

うちの事務所は、まあ、見ての通り、事務所に常駐する人が少なくて、主に私が電話に対応してるんですけど。

2/3午後に、ベストヘルパー表彰の授賞式に出席してくれないか確認するために、めぐみに電話したことを証言。

2012. 2. 4. 15:18 コアラ支援センターからの文書

補助活動証明で、めぐみの生年月日と、宮城みやぎ 哲郎てつろうを利用者とする育児ヘルパーであることがわかる。

2012. 2 .4. 15:51 栄花市役所からの文書

家族関係証明書で宮城みやぎ家の家族構成がわかる。
具体的には、翔太しょうた犀華せいかの実母宮城みやぎ 沙羅が故人であることや、犀華せいかの生年月日がわかる。
(=故・原島はらしま 犀華せいかと生年月日が違うため、完全に別人の二人の犀華せいかがいることが確定する)

2012. 2. 4. 16:32 宮城みやぎ 哲郎てつろうの証言

数年前に、犀華が4歳だった時からです。

めぐみ宮城みやぎ家の育児ヘルパーであることを証言。

2012. 2. 4. 16:39 宮城みやぎ 哲郎てつろうの証言

警察署から周辺の捜索に行ってご存じかもしれませんが、団地の下に水辺公園があるでしょう。

翔太しょうたは母を亡くしたものの、自分なりの方法で乗り越えて来たと信じていると証言。

2012. 2. 4. 16:47 宮城みやぎ 哲郎てつろうの証言

はい、そうです。
息子は学校に行くときも、散歩でも、とにかく出かけるときはいつも傘を手に持って歩きます。

翔太しょうたがいつも傘を持って出かけること、それが彼の亡くなったママ沙羅(哲郎てつろうの妻)との約束に関係していることを証言。

2012. 2. 4. 17:18 槙野まきの めぐみの証言

本当に・・・感謝しないといけませんね。
あんなに犀華ちゃんに気を配ってくださるとは・・・・・・

犀華せいかはママ(亡くなった宮城みやぎ 沙羅)がこの世で一番かわいそうだと思っているため、自分は泣かないように、泣いて周りにかわいそうと思われないようにしていたと証言。

時系列:2012年2月5日

2012. 2. 5. 12:30 松田まつだ 理佐子りさこの証言

刑事さん!清崎刑事さんですね?

理佐子りさこから清崎刑事に電話があり、公園で犀華せいかがいなくなったと言う。

※表向き、この時点では2/3に宮城みやぎ 犀華せいか失踪事件、2/5に原島はらしま  犀華せいか失踪事件が起きたことになる。
実際には、2/3に理佐子りさこが誘拐してきた宮城みやぎ 犀華せいかを、理佐子りさこの母貴子たかこの要請を受けた原島はらしま 公正こうせいが2/5に誘拐した。

2012. 2. 5. 12:39 松田まつだ 理佐子りさこの証言

母から電話が来ました。
犀華のおばあちゃんです。「いま団地の前のスーパーにいるけど、マンションの警備室から連絡が来た。私の家で火災報知器が鳴ってるらしい」って。

理佐子りさこの母貴子たかこがスーパーにいる間に、彼女の自宅で火災報知器が鳴ったこと。
警備員が行ったがドアが開けられないため、自分の代わりに理佐子りさこにドアを開けに行ってほしいと言った、と証言。

※これは実際には貴子たかこが意図的に鍋を火にかけたまま外出し火災報知機を作動させることで、理佐子りさこを外に出し犀華せいかと引き離すことが目的だった。

理佐子りさこが戻ってくると、犀華せいかの姿が消えていたと証言。

2012. 2. 5. 13:28 松田まつだ 理佐子りさこの証言

もう何度も電話しましたけど、出ないんです。

元夫である原島はらしま 公正こうせいが電話に出ないことを証言。

2012 .2. 5. 13:37 松田まつだ 理佐子りさこの証言

・・・・・・あると・・・思いますか?
刑事さん・・・・・・ひょっとしたら、
娘がいなくなったのは、私のせいかもしれません。

犀華せいかがひとりで別のところに行った可能性を否定できないと証言。
自分が寝たきりが多く娘の看病が不十分だったことで、自分が娘から愛されていない・恨まれているのでは?と気持ちを吐露する。

このとき、娘が自分をママと呼んでくれないことも証言。

※実際には誘拐された宮城みやぎ 犀華せいかから見ると、理佐子りさこは当然母親ではないため、ママと呼ぶわけがない。

いつも町中の公園を巡って娘を探していることを証言。

2012. 2. 5. 13:42 松田まつだ 理佐子りさこの証言

・・・・・・
近所に文房具店がある公園、ご存じですか?

数日前に、清崎刑事が見せた男の子(翔太しょうた)が"娘"と一緒にいたことを不思議に思ったと証言。

※実際には翔太しょうたが妹の犀華せいかと一緒にいただけ。誘拐してきた宮城みやぎ 犀華せいかを"娘"と歪めて認識している。

2012. 2. 5. 14:10 松田まつだ 貴子たかこの証言

うちの娘が申し上げた通りです。
私はきっと孫娘が公園で遊んでいるだろうと思っていましたが、いざ行ってみたら誰もいなくて・・・・・・

【嘘】原島はらしま 犀華せいかは一人歩きするが、夜には必ず帰ってくるため大丈夫だという。

※娘の理佐子りさこと義理の息子原島はらしま 公正こうせいを庇って、事を大きくしないようにするための発言だろう。このとき理佐子りさこは誘拐の真犯人で、原島はらしま理佐子りさこからさらに誘拐する形で宮城みやぎ 哲郎てつろうのもとに宮城みやぎ 犀華せいかを帰そうとしている。

2012. 2. 5. 14:26 松田まつだ 貴子たかこの証言

犀華の父親ですか?あの人は孫娘がいなくなったのと何の関係ありません。

【嘘】原島はらしま 公正こうせいとは縁を切ったと証言。
ただし、娘をこっそり連れて行くような人でもないと証言。

原島はらしまを庇い、自分と距離があるように見せようとしている。

2012. 2. 5. 15:13 アポロン文房具の証言

また来られたってことは、まだ・・・・・・解決してないようですね。

3日に実際には翔太しょうたが店に来ていたと認める。
翔太しょうたがバースデーカードを万引きしたことを証言する。

2012. 2. 5. 15:32 宮城みやぎ 翔太しょうたの証言

おばさんが言ったよ。「ウソはよくないけど、必要なもの」って。

おばさん=めぐみのこと。

2012. 2. 5. 15:37 宮城みやぎ 翔太しょうたの証言

なんでぼくが何も言わないのが悪いウソなの?

めぐみを庇ってめぐみの言うとおりにしていたことを明かす。

2012. 2. 5. 15:41 宮城みやぎ 翔太しょうたの証言

ぼくがおばさんに公園に来ないでと言ったの。

めぐみがママと呼ばれることを気にして、天国のママが悲しむのではと思い、めぐみを遠ざけていたことを明かす。

2012. 2. 5. 15:48 宮城みやぎ 翔太しょうたの証言

・・・・・・前は・・・
一緒に遊んでから変える時は必ず文房具屋さんに行って、犀華のアメを買ってたんだ。

最近めぐみを遠ざけていたためアメを買っていなかったことから、久々に犀華せいかにアメを買ってあげようと思いつく。
そのため、犀華せいかを公園に残して文房具屋に行き戻ってきたが、その間に犀華せいかが行方不明になったことを明かす。

2012. 2. 5. 夕方

原島はらしま 公正こうせい宮城みやぎ 哲郎てつろうのもとへ、宮城みやぎ 犀華せいかを送り届ける。

2012. 2. 5. 19:32 原島はらしま 公正こうせいの供述

はい、自首します。私がやりました。

誘拐犯として自首。
【嘘】公園で宮城みやぎ 犀華せいかを誘拐したこと、動機はお金であることを自白する。

※実際の誘拐犯は松田まつだ 理佐子りさこ。その子をさらに理佐子りさこのもとから誘拐した。動機は理佐子りさこを庇うため 。

2012. 2. 5. 19:36 原島はらしま 公正こうせいの供述

今あの子は、ご家族と一緒です。

宮城みやぎ 犀華せいかを自宅に帰したと供述。

2012. 2. 5. 19:43 原島はらしま 公正こうせいの供述

教育大学を卒業してからずっと中学校で英語の教師として働いてきましたが、妻と離婚してからはいろいろ事情がありまして・・・学校を辞めて、塾の講師や家庭教師の仕事をやっていました。

【嘘】理佐子りさこと離婚後に転職をした結果、不安定でお金が足りなかったこと、誘拐目的で公園に行き、誘拐したものの怖くなって諦めたと供述。

※実際どれくらいお金に困っていたのかは不明だが、動機ではない。

2012. 2. 5. 19:51 宮城みやぎ 哲郎てつろうの証言

おばさんちに遊びに行って楽しかったと言っていました。
パパに会いたいと言ったら、送ってくれたそうで・・・・・・

犀華せいかが無事に帰宅したときの様子について証言。

「おばさんち」という表現から、清崎刑事視点では原島はらしまの単独犯でないことが確定する。
女性の関与を考えると、原島はらしまに近い松田まつだ 理佐子りさこ貴子たかこを疑うのも当然。

2012. 2. 5. 20:01 松田まつだ 貴子たかこの証言

ああ、刑事さん。これはどういうことでしょうか。

原島はらしまが自首したと知り、自分が原島はらしまにやらせたことであると自供する。
全ては自分に責任があると言う。

2012. 2. 5. 20:04 松田まつだ 貴子たかこの供述

・・・・・・
刑事さん、本当のことをお話しします。

理佐子りさこの娘、原島はらしま 犀華せいかはもう死んでいることを供述。

2012. 2. 5. 20:15 松田まつだ 理佐子りさこの証言

彼はお祈りをしない人でした。

貴子たかこ経由で、元夫の原島はらしま 公正こうせいを誘拐を認め自首したことを知る。
原島はらしまが養育費の送金を厳しいと訴えていたことを証言する。

※実際には養育費ではなく、彼女の治療費名目で送っていた。

2012. 2. 5. 20:21 松田まつだ 理佐子りさこの証言

そうですね・・・・・・
本当にあの人がやったんでしょうか?
刑事さんはそう信じてますか?

原島はらしまが誘拐犯であることを訝しむ。
公園に不審な女性がいたことを証言する。

※この不審な女性はめぐみのこと。実際には翔太しょうたに傍にいないでほしいと言われたため、少し距離を置いて見守っていただけ。理佐子りさこの認知が歪んでおり宮城みやぎ 犀華せいかの母親目線になっているが、めぐみのことは知らないため、このような証言になっている。

このとき理佐子りさこが「公正こうせいさんが連れていったその子の名前、なんて言うんですか?」と聞いていることから、誰だか知らないがどこかの子を誘拐した罪の自首をしたらしい、という認識であることがわかる。

2012. 2. 5. 20:39 松田まつだ 貴子たかこの供述

病状が急激に悪化したのは、たしか・・・・・・小学校の就学通知書をもらってからでした。

理佐子りさこが故・犀華せいかの死亡届を出していなかったことを就学通知書で知ったことを供述。

招集日までに制服を注文するために、犀華せいかが帰って来る必要があるからと公園を巡り始めたことを供述。

2012. 2. 5. 20:47 松田まつだ 貴子たかこの供述

理佐子は、どういうことかと訊かれた時、
「誰かが娘を呼ぶのを聞いて、やっと見つけた」と言いました。

翔太しょうたが妹を犀華せいかと読んだことで、この宮城みやぎ 犀華せいかを理佐子が自身の娘原島はらしま 犀華せいかと認識してしまったこと、誘拐してきてしまったこと、義理の息子原島はらしまに助けを求めたことを供述。

2012. 2. 5. 21:40  原島はらしま 公正こうせいの供述

・・・
・・・・・・刑事さん。
ひょっとして、私が最初のボタンを掛け違ったからでしょうか?

清崎刑事が、真犯人が理佐子りさこであることを指摘。
貴子たかこが真実を供述したことを伝える。

原島はらしまは、娘に犀華せいかという名前を付けたことが良くなかったのではないかと言う。

2012. 2. 5. 21:58 原島はらしま 公正こうせいの供述

娘は妊娠23週目で生まれて、700gにもならなかったんです。

動物のサイの強さを込めた名前であることを言う。

2012. 2. 5. 22:13 原島はらしま 公正こうせいの供述

ちょうど108日でした。
娘が私たちのそばで息をしていた期間です。

原島はらしま 犀華せいかが生後108日後に亡くなったこと、そのぬくもりが眠っていた場所に残っていたため、死亡届を出せなかったことを証言。

2012. 2. 5. 22:20 原島はらしま 公正こうせいの供述

別れたのは・・・・・・もう5、6年前ですね。

理佐子りさことは5、6年前に離婚したことを証言。

2012. 2. 5. 22:43原島はらしま 公正こうせいの供述

妻が娘の失踪捜査を頼んだと聞きました。

理佐子りさこが出した原島はらしま 犀華せいかとしての失踪届を未解決事件にしてほしい、それによって娘を生きていることにさせてほしいと懇願する。

2012. 2. 5. 21:10 原島はらしま 公正こうせいの供述

犀華の失踪届は公式に受理されたんですよね?

清崎刑事に拒否されるも、食い下がる。

時系列:2012年2月6日

2012. 2. 6. 10:20 槙野まきの めぐみの証言

どうして分かったんですか?
何も言わなくてもいいよ、と・・・・・・
翔太君に・・・何も言わなくても大丈夫だよって言ったのに・・・・・・

通話のために背を向けていたという証言が嘘であることを認める。
自分が犀華せいかを見失ったことを認める。

※実際に通話記録があり、コアラ会支援センターも電話をかけたことを認めているため、実際に通話はしたはず。ただしその通話で目を逸らしただけではなく、そもそも翔太しょうた犀華せいかから少し距離があった上に、背伸びしないと見えない位置にいた。

2012. 2. 6. 10:27 槙野まきの めぐみの証言

・・・・・・
公園に行くと、
犀華ちゃんと同じ年頃の子供のお母さんたちに、ひそひそと噂されているのが聞こえました。

自分が周りから翔太しょうた犀華せいかのママと誤認されること、翔太翔太にとってのママ(沙羅)は別にいるため、近寄らないでと言われたこと、そのため少し離れたところからつま先立ちして見守っていたと証言。

2012. 2. 6. 10:38 槙野まきの めぐみの証言

・・・
・・・ありがとうございます。
私は・・・翔太君に嫌われているとばかり思っていました。

清崎刑事から、翔太しょうためぐみのためにバースデーカードを選んでいたことを聞く。

2024(現在)

刑期を終え、出所してもなお精神が不安定な理佐子りさこの元に、清崎(警察を退職済)が訪れる。

嘘を吐いた人達

松田まつだ 理佐子りさこは娘が生きているという幻想にとらわれて、その幻想に合うように現実を歪めて認識していた。その結果、特に犀華せいかに関しては自覚なく嘘を吐いていた。

原島はらしま 公正こうせいは娘の死を認識しつつも、公的な処理には踏み切れず、結果として今回の理佐子りさこの事件につながってしまった。
理佐子りさこを庇い、娘の存在を生きているかのようにするために嘘を吐いた。

松田まつだ 貴子たかこは娘の理佐子りさこが孫の死亡届を出していないことに気づいたが、すぐに正すことも出来ず、娘の認知の歪みに付き合った。
そして娘が誘拐事件を起こしても、義理の息子公正こうせいを頼り何とかしようとした結果、娘と義理の息子を庇うために嘘を吐いた。

槙野まきの めぐみ翔太しょうたを尊重し、育児ヘルパーでありつつも子供達と少し距離を置いた。その結果犀華せいかが行方不明になったため責任を感じつつ、翔太しょうためぐみを遠ざけたことでこうなったのではと動揺する翔太しょうたを思い、自分のアリバイについて嘘を吐いた。

宮城みやぎ 翔太しょうためぐみを嫌っているわけではないが、ママと言われることも受け入れられず、めぐみを遠ざける態度をとった。さらに犀華せいかのためにと思ってアメを買いに行って戻った、つまり目を離したところ、犀華せいかが行方不明になってしまった。
自分のせいで犀華せいかが行方不明になったのではないか、恵が辛い立場になるのではないかと考え、本当のことも含め何も言わないという形で嘘を吐いた。

文房具店の店員は、翔太しょうたが事件に関わっていると思われたくなくて(そしておそらく万引きについてもおおごとにしたくなくて)店に来ていないと嘘を吐いた。

栄花市役所総務課の職員は、予備招集日に来なかった児童の家の訪問を、警察と共にやったフリするという嘘を吐いて、実際はやらないまま終わらせようと持ち掛けて来た。

各自が各自の思惑のもと吐いた嘘が重なって、宮城みやぎ 犀華せいかの誘拐事件に発展した。しかし、清崎刑事が刑事としての職務をサボらず全うし、偶然ながらも松田まつだ 理佐子りさことの接点ができたことで、理佐子りさこから直接清崎刑事に話が通り、無関係だったはずの2人の犀華せいかが繋がってしまったことが明るみに出たのだった。

とりあえず市役所総務課職員は事件とか関係なくただの怠慢だから直ちに是正してほしい。

感想

斬新パズル

まるでパズルのように、誰の発言かもわからない台詞を並び替えていくシステムは斬新だった。

序盤は犀華せいかが2人いることがわからないため、父親っぽい発言が妙に多いわりに繋がらない?とか(宮城みやぎ 哲郎てつろうの発言と原島はらしま 公正こうせいの発言が混ざる)、松田まつだ 理佐子りさこ犀華せいかの母親らしいが、夫が哲郎てつろうのイメージとは合わない?とか(元夫は公正こうせいだから)とか、少しずつ違和感が出てくる。

どうにかこうにか繋いでいって、どうも"父親"が2人いる?という点や、犀華せいかの姓が2種類ある点に気づいたときは、ああなるほど!と目の前が晴れやかになるような、すっきりした感じがあった。

洗練されたデザイン

デザインの取捨選択も素晴らしいと思う。
昨今まるで実写化と見間違うほどリアリティのある3D映像のゲームもあるが、このゲームはドット絵がメインだ。

そして使っている色味もかなり少ない。だからこそ、鍵となる箇所が目立っていた。
これは先日紹介した『和階堂真の事件簿』にも共通することだが、華美さはなくてもわかりやすく、真に伝えたいことであろうことが伝わってくる。


このゲームのような、少しずつ謎を解き明かしていくゲームを今後もやってみたいと思う。

サムネイル及び記事中の画像:©2024 Somi

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