紅い金糸雀の唄-第1話-
ガンガン、ガンガン
金属を叩く固い音が響いている。
「……っそ! 出せ!」
小さな家、その内部を埋める巨大な鳥籠。その豪奢な格子に取りつき、少女はひたすら自らを閉じ込めるそれを殴っていた。
豊かで長い金色の髪も、大胆に胸元を開きつつ、どこか淑やかなドレスも、背に広がるふんわりとした翼も、今は彼女の動きに合わせて見る影もなく振り乱れている。だが厭うこともない。
ガンガン、ガンガン
手が擦り切れ、血が滲んでも、少女は鳥籠を殴り続けた。
「出せ! 出しやかれってんだ! クソ!