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山崎正和さんが亡くなった

山崎正和さんが亡くなった。私はこの方の本も読んでいない。でも教育に関わる役職の中で、光を放つ人だった。
2000年頃、小渕総理の教育再生私的諮問機関から義務教育週2日(もしかしたら3日だったかも)の提案がなされた。学校に行くのは週に2日。そこで基礎基本を学ぶ。あとは地域で学ぶ。チケット制にすることによって、地域の産業も守られる。子どもたちは地域で真に学ぶ。西洋諸国ではすでに行われている。その提案についてテレビでインタビューを受けたのは、山崎正和さんだった。「学校での基礎基本とはどのような内容ですか」との質問に山崎さんは明確に答えた。「思考力判断力です」思考判断する学びの中で、個々の子どもの中に知識は獲得され、知識と知識は様々に構成され、柔軟に組み替えられる。知識理解・基礎基本の獲得こそ本当は深くて難しい。
2度目は中央教育審議会。中央教育審議会の内容が、学習指導要領に大きく反映される。私たちはずっと中央教育審議会の動向を注視していた。時は、ゆとり教育からの脱却ということで、全国で基礎基本の重要性が叫ばれ、100マス計算をはじめとする、簡単な習熟の繰り返しが教育現場でもてはやされ、子どもたちの学習の多くの時間をさいていた。当然子どもたちは何も考えなくなる。学力はどんどん低下していく。
中央教育審議会は第1次第2次答申で、習得の重要性と、習得から活用への順序制が示された。大変なことだと思っていた。しかし最終答申でそれは180度転換した。(程の重要な内容だと思っています)「習得と活用は車の両輪」さらに「基礎基本が習得されたとしても思考力判断力が高まるわけではない」との文言まで付け加えられていた。
その年の初め、中教審の会長は山崎正明さんに代わっていた。文部科学大臣は伊吹文明氏。小渕総理の再選を果たす会の主要なメンバーだったと聞く。
政治の役割は大きい。政治の知性こそが進むべき道を知っている。それを支えるのが国民の知性だと思う。
安らかに・・・

https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/14692/report

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