世界の「女性×てしごと」を訪ねてVol.2~ルワンダは女性活躍先進国なのか⁈~
旅がいきがいなのに、、、仕事と不妊治療の両立、親の介護・看護などで5年ほど海外旅行に行けなかった時期がありました。2016年3月、45歳となることをきっかけに仕事と不妊治療を同時にやめると決断。半年から1年はゆっくり休んで、これまで行けなかった国に行くのだ!と決めていました。
女性国会議員比率世界一位の国へ
最初に選んだ旅先は、ルワンダ!
前職の同僚が、ルワンダに子連れで移住。彼女はなぜルワンダに行ったのか・・・?会って話を聞きたかったのと、ルワンダが女性国会議員比率世界一というデータを見て。社会における女性のあり方を知りたいとの思いで、最初の旅先をルワンダに決めました。
アフリカの奇跡ともいわれるルワンダの首都キガリ。近代的な建物の建設が進んでいました。街の第一印象は、す、涼しい!!「アフリカ=暑い」という思いこみがあったため、ルワンダが高地でとても涼しい気候であることに驚きました。「思い込み」って怖いものです。
ルワンダでタイ料理屋を立ち上げ
前職の同僚とは、唐渡千紗さん。
ルワンダの首都キガリに子連れ移住し、タイ料理屋「アジアンキッチン」を経営しています。
前職では、物静か(に見えた)唐渡さんですが、ルワンダで起業、現地でスタッフを雇用し、様々な壁にぶつかりながらも力強く飲食店経営に取り組む彼女の姿に触れ、ただただ心を打たれました。
▼唐渡さんのルワンダレポートはこちら
http://entre-africa.jp/author/chisa_karato
女性たちが編むバスケットに心奪われて
キガリ滞在中に唐渡さんが案内してくれたルワンダバスケットの工房。この時点ではまだ、女性のてしごとを販売するショップを運営すると決めてはいなかったのですが、、、この色鮮やかなバスケットと出会った瞬間に、子どものころから雑貨好きで「いつか雑貨屋をやりたい」という積年の夢にカチっとスイッチが入ってしまったのです。
ただ集まって仲間とおしゃべりをすることが楽しい
コミュニティリーダーの女性から、バスケットを編んでいる女性たちの中には、大虐殺で寡婦になった方やセックスワーカーだった女性もいると伺いました。
「ただ集まって仲間とおしゃべりをすることが楽しい」と答えてくれた姿が今も、心に残っています。
「女性×てしごと」。そこには、経済的自立だけでない意味合いがあると思うようになったのはルワンダでの体験からです。
▼赤ちゃんを背負ってバスケットづくりをする女性も。
こちらの工房から仕入れたミニバスケットたち。
一つ一つがてしごとなので、サイズにはばらつきがあります。
展示品をアウトレットセール中です。
女性が活躍している国なのか?
ルワンダは、女性議員比率が6割を超え、世界トップの水準。
データだけ見てルワンダは女性活躍が進んでいるよね、という会話を聞くことも多いのですが、背景をしっかりと理解する必要があると感じます。
「ルワンダでは,1994年に民族間の闘争により,春から初夏に至る100日間に国民の10人に1人,少なくとも80万人が命を失った。残された女性は,世帯主の3分の1を占めるに至り,これまで伝統的に男性が担ってきた職業にも従事することになった。このような状況下で女性の社会進出が進み,新体制への移行に伴う憲法の起草にも女性が携わったこと等の結果,国会議員に占める女性議席を確保するための規定が設けられた。」(内閣府H19年度男女共同参画白書より)
ルワンダが国家戦略としてジェンダー主流化を決め、KPIを設定し、モニタリングをしながら成果を出していることは事実であり、そのプロセスを学びにしたいと思います。
ただ、その歴史的背景を知ったときに、その数字の影で取り残されている人がいないかを知ろうとすることも大事だと思うのです。
多くの現地スタッフを雇用している唐渡さんによると、「ルワンダは数字こそ男女平等先進国ですが、文化的には日本よりも男尊女卑。一夫多妻制ではないものの、私が雇ったことのある、子どものいる女性は8割以上シングルマザーです」といいます。
てしごとの現場を見ると社会課題が見えてくる
世界各地で、「てしごと」に従事する女性たちと接すると、その社会の課題を垣間見ることができます。ものづくりを誇りをもって選択している人もいます。一方で、教育格差などによって、「てしごとにしか従事できない」ケースも少なくありません。
かわいくて素敵なてしごとの裏に、その社会におけるジェンダーギャップが見えることも…。
このルワンダ旅をきっかけに、世界各地でてしごとを通して女性のエンパワメントにチャレンジしようとしている起業家とそのてしごとを紹介する場を作りたいと強く思うように。
この旅がきっかけで、5か月後に白金台でてしごとギャラリー「Will Gallery」をオープンすることになります。(つづく)
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