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objectを右に

 BFC3の二回戦に出す予定だったものだよ、異世界俳句と作風違うよ。

 このobjectをもう0.2 右にして、大きさも0.2 小さくしたら、prefab 化して、同じものを軸をそろえて上下に並べて三つつくる。
 メモ帳に書いてあったcodeをコピペして、ちょい変えて、object名とか変数名とか、わかるコードを継ぎはぎしてテストプレイしながら滑らかにする。
 最初のapp は、こうやって作った。三択問題が続いて、正解数が最後に出る、出題する問題は友人からアニメ問題を作ってもらった。
 scene の切り替えはあえてスムーズにしない、容量が軽いように思えるのは、ユーザーには怠惰のように思えるらしい、それならそれで、download時間の長いものはと言えば、やはり避けられる。
 アプリ作りがcreativeな作業かと言われればそうでもなく、作業のほうが多い。
 同じ処理を繰り返すことも多々あり、一見違うものに見えても、一つ作ったら継ぎはぎとctrl+cでそれらしくなることもある。
 どちらかというと公開のほうがひと手間だ。
 審査待ちの間は?こんな風に文を書いている、そのstore を営んでいる大手検索エンジンが、私の周囲では著しく評判が悪い。
 といって、せいぜいが小さな読書会においてだ、私はchatで読書会に入っている。
「紗和さんは、アプリを作ってらっしゃるのよね?」
その日の読書会が終わり、その用途で使っているchatでメンバーが雑談を始めた
「そういうことってやっていいのかしら?」
言っていることがわからず、私ははぁ、と気のない返事をした
「著作権上のことならクリアですが……」
彼女は笑って言った
「いやね、検索エンジンってなんか、私たちがどんなものを見て、誰とどんな会話してるか盗聴してるって聞いて、わかんないけど」
 私はWeb 方面はどちらかというと明るくないが、持っている知識を総動員して反論した
「大手検索エンジンがユーザーの個人データを所得しているかどうかという問いなら答えはYes です、ですが、おそらくそれは個人を特定できないデータとして快適なInternetを提供するために使われます」
 彼女はその回答には納得できないようだった。
「でもー、なんか気持ち悪いじゃないのー、検索で私のことわらかれたらー」
私は早く会話を切り上げ夕飯の支度をしたかった。
「では、メンバーに検索だけで貴女のことがわかると思ってらっしゃるとお思いの方がどれだけいるとお思いでしょうか?」
 私はやや荒々しく、しかしはっきりと言った。
「それもそうだけどー」
今回の読書会は、三島の初期書簡について話すとても有意義なもので楽しかったが、もう終わったはずだ、最もこれが『communication 』というものなのだそうだ。
「まぁまぁ、でも紗和さんも、そんなさ、自分はみんなと違うはずだなんて息まかないで、地道に働いたほうがいいよ、名前書ければ受かるような仕事あるでしょ?僕だってアプリ作って公開したけど鳴かず飛ばずだしね」
別のメンバーが割って入った。
 みんなと違うとは言われるが、それが何かわからない。地道に働いたほうがいいは同意見だが、いつもなぜか落とされる、来たのは男性向けマッサージのオファーだけだった。chat上のデータで私をわかった気になり「この年代の女性はねぇ、正社員は少し難しいかなぁ」とこないだ私を嘲笑ったのは彼ではなかっただろうか。検索エンジンを笑えない、足を踏んで動けなくしてから頭をぶつな。
 言っても無駄だろう、私は言葉を呑み込んで、
「面接に持っていくポートフォリオですよ」
と笑った。

「それ、嫉妬」
別の日、友人が笑った。嫉妬は『自分は』できないことをやることを僻むものらしい。
 嫉妬は私にはわからないが、なぜできるようにやろうとしないのだろう?program は同じものを入れれば同じものを返す。こういった正直さこそが私を疲れにくくする。
 このobjectをもう0.2 右にして、大きさも0.2 小さくしたら、prefab化して、同じものをx 軸をそろえて上下に並べて三つつくる。
 右にもう一つ。
 メモ帳に書いてあったcodeをコピペして、ちょい変えて、object名とか変数名とか、わかるコードを継ぎはぎしてテストプレイしながら滑らかにする。
 ひとつ、違うasset を入れて、使ってみる。

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