天道13

 たいへんなことがおきた。
 こんなことは想定して、否、想定はできたが、実際に起こるとは思いもしなかったのだ。
 いつぞやの週刊誌や新聞の騒ぎなど比ではない。
 皆はご存じだろう?上皇が退位する際に、特例法が作られたことを。
 先日だらだらといつぞやの任命不成立をやっていた国会中継で、野党議員から
「そもそもハンコ一つもらってこないのは怠慢である」
というヤジが飛び
「ハンコ一つとなぜわかるのですか」
と相変わらず与党はのらりくらりを決め込んでいて
「この週刊誌を見て下さい」
と野党議員が突きつけたそれがカストリ雑誌だったため
「せっかくですが、その雑誌の記事は客観性に乏しいのではないでしょうか」
と逃げられ、あげく
「議論遅滞だ、今の議論は不信任の代わりを誰にするかで、不信任の責任問題は別の日にやるべきだ」
「そうだそうだ、議論から外れている」
といった与党からの反論を買ったことが原因だったか。
 それ自体は大したことではなく、よくある光景だったが、後がよくなかった。その「怠慢」の指摘の後で、内閣改造があったばかりというのに「怠慢」を指摘した議員が辞任して新党をつくるというようなことを言ったらしく、少しの大臣や若い議員も巻き込み、しかもそれに人気のある某女性議員が加担し、(女はいつもそうだ)世論を二分し、そしてそれに苦い顔をした坊ちゃん顔が何をしたと思う?
 彼は、ある日、テレビのインタビューでこう言ったのだ。

ここから先は

2,275字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?