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血の気が引いていく。吐き気とめまいが体を巡る。戦争、虐殺…… 冷酷なリアリズムと、痛ましい抒情の反復が浮かび上がらせる、禍々しい人間の業。 『炎628』を鑑賞して
炎628 Иди и мотри / Come and See 1985 ソ連 エレム・クリモフ 血の気が引いていく。吐き気とめまいが体を巡る。戦争、虐殺…… 冷酷なリアリズムと、悲痛な抒情の反復が浮かび上がらせる、禍々しい人間の業。 ナチス占領下のベラルーシでパルチザンの抵抗運動に参加した少年が体験した出来事を中心に、ドイツ軍が東欧の村の人々に行った残虐行為と、人間としての苦痛を描く。史上最高の反戦映画の一つとも評される。 徹底したリアリズムに基づいて描かれる虐殺。少年