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箸休め

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連載小説の息抜きに、気ままに文を書き下ろしています。文体もテーマも自由な随筆、エッセイの集まりです。あなた好みが見つかれば嬉しく思います。
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#振り返りnote

「涙が出てる」

 歳を重ねる程に涙が出やすくなるというのは本当か――  それはさておき涙が出てる。「泣きそうになる」ことはまああるとして、それは実際には泣いてない。涙が出そうで出ない、もしくは、堪えられる位には目元が丈夫ということだろうか・・・ひねくれた言い回しをすれば、出そうだけど泣くほどではない状況だ。しかし今、私の目からは涙が出てる。出て来た。  最近寂しさか、物悲しさが募る余り涙が出る。なんてとっても人間らしい一面をひそかに畳の上で披露する夜更けもあるわたくしですが、たった今の涙

「すいー、すとんっ」

大人になって登ったら、滑り方忘れてました。すべり台。 春うらら~ なんて木々を見上げる間に四月が終わりました。日差しは随分穏やかに、花咲き誇る街道はみるみる内に新緑に染まりつつあります。風が嬉しい。そんなお昼。月が恋しい。そんな夜―― どなた様もこんにちは 月に一度の振り返りエッセイのお時間でございます。お付き合い頂ければ幸いです。 #ほろ酔い文学 と #私の作品紹介 で頂きました。 勤め先でカクテルを提案する機会がありまして。ふと思い浮かんだ空想を掌編に落とし込んでみま

「とんとん拍子、その調子」

 すっかり春めいた日差しの中、あちらこちらで新芽が吹いて、世界は一息に色彩豊かになりました。  皆さまこんにちは 今年も桜が綺麗です。  待ち設けた楽しみがあると、月日の過ぎるのが早いと感じます。さて、毎月恒例のnoteからのお知らせを振り返るお時間です。投稿数は少なく、長編小説連載中でもありまして、お知らせは頂けないかもしれないと思っておりましたが、ちょっとだけお付き合い頂けますと幸いです。 #振り返りnote で頂きました。韻を踏んで遊んでいます。言葉はリズムです。な

「師走の鐘は聞こえない」

新しい年が明けて二日のこと、脳の奥の方で薄ぼんやりとして思い出せない初夢に見切りをつけて、霧がかる山の中を走ってきました。走り初めです。思いのほか調子よく走れましたから、安心してお雑煮とおせちをもりもり食べました。それでは先月noteから頂戴したお祝いで12月を振り返ります。 #やってみた で頂きました。整理整頓をやってみた、のです。本文と関係ありませんがこのスヌーピーのおせんべいは美味しかったです。 #私の作品紹介 で頂きました。長編小説ですね。もうすぐ最終回を迎えます

「あらまほしきことなり」

 誕生月は長編執筆で自分を追い込みながら始まった。十月末に一旦書き上げる予定であったものがずれ込んで、然し山形までに一度書き上げねば呑気に旅なぞ行かせんぞと脅されるものだから、誰にって、自分にだけど、そう云う訳だから必死で書き上げた。だから旅前の一週間くらいは非常に浮かれ気分で暮らした。今がチャンスと短編や掌編を書いて楽しく暮らした。荷造りで浮かれ、切符で浮かれ、想像巡らしては浮足立って暮らした。過日お話した通り晩秋の山寺を堪能して、他にも語り切れていない山形を存分に吸い込ん

「雲は群れをなして」

先日手紙に「広辞苑」と書こうとして「辞」の「辛」と「舌」を逆にして書いた時寝不足を実感しました。とはいえ便箋を一枚ロスにしてしまった事の方が悲しい事実でした。慰めに紅茶を淹れて飲みました。 皆様こんにちは 深まる秋、いかがお過ごしでしょうか。わたくし色付いた野山を陽気に歩くのも好きですけれどモフモフ布団にくるまれているのも好きです。 ええ、先月も沢山お知らせを頂きましたので、遅ればせながら10月の振り返りを行います。あなたにいつだって何度だって伝えたい。 「いつも本当にあり

「いまが長月」

 初物の極早生みかんが市場へ出回る季節になりました。青々として艶やかな一つ一つ、酸味の効いた果実を想像して口の中がきゅっとなります。「今季初入荷」に居合わせた幸運に乗じて早速買って帰りました。  粒ぞろいの果実を頬張りながら、九月を振り返って参ります。 #私の作品紹介 と、先週もっともスキされた記事の一つに選ばれました。物語を書いていたくてnoteに居る自分。その一本があなたに届く度、ああ、書いていて良かった、そう思います。お年頃で活発な三姉妹の物語です。 先週もっとも

「その日焼けも勲章ね」

 じめじめの続いたお盆明け、雨あがらないかな月はまだかなと毎夜燻る空を見上げていたものですが、日曜日、ランニングの為外へ出てみれば秋の雲が敷き詰まっています。昼間の内から涼しい風が吹き、気付けば天高く、日差しも気持ちよく注ぎます。どうやら秋の入り口が見えて来たでしょうか。  そんなお休みの夜、窓を開けたままでは半袖の腕が寒いと感じる程気温が下がりました。試しに外へ出てみれば、星が散らばっています。コンビニの街灯がなければもっと奇麗に見えるでしょう。それはさておき、これはチャ

「空の大河は人知れず輝く」

今年も天の川は夢の中、それならせめてチップスターでも頬張ろうかとカルビー贔屓に似合わぬ戯言ぬかしたとかぬかさないとか、チップスターも昔から食べますいちです。こんにちは 有難い事に七月もちらほらnoteからお祝いメッセージを頂きましたのでまとめて紹介させて頂きます。お付き合い頂ければ幸いです。 ひと月の振り返り記事を珍しく早目に出したら、その直後にお知らせを頂きました。嬉しかったので七月分で紹介します。奥入瀬渓流の旅の前後を綴った話が、「国内旅行記事まとめ」 というマガジンに

「地球の呼吸、回るパラソル」

『 揺れて紫陽花 月と太陽 雲隠れ   空惚ける雨童 天邪鬼   今日も前線 綱渡り   気まぐれに降らない 私が傘を持って出たから                       六月の溜息・いち  』  皆さまこんにちは お足元の悪い中、お越し頂き誠にありがとうございます。六月の振り返りのお時間がやって参りました。それではどうぞこちらへ。あ、そこ、水溜りにお気をつけ下さいませ。  といかにも梅雨らしく始めたかった六月ですが、梅雨明け出された地域も多く、暑い日差しを躱しな

「圧倒的つめつめ五月」

 皆様こんにちは 梅雨入り前のいちです。列島に前線が掛かる日もー・・・等と書いて過ごすうち、掲載前に続々梅雨入り始まりました。然しじめじめしている暇はありませんっ、仮令足元泥濘んでいようとも、前から雨風ぴしゃり顔叩こうとも、紫陽花の如く凛と背筋を伸ばして、厚い雲も突き抜けるように真っ直ぐに思い届けます。そう、雨だって恵みの一つ、喜んで受け取る事に致しますとも。と云う訳で雨上がりのわが家の紫陽花をお届けしました。奥ゆかしいじゃあありませんか。  さて、自分にとり執筆中の長

「ぽっとしてお日様の匂いがする四月」

 皆様こんにちは、四月の終わりから五月の頭に出会った風景を切り取って始まりました、四月の振り返りでございます。私は五月の連休に、屋根より高い鯉幟に数年ぶりに出会いました。高い空目指して泳ぐ鯉幟の勇壮な事、同じ風を受ける自分まで嬉しくて、いつまでも目に焼き付いて離れません。その足元へ降り立った鳥の名が出てきませんがシャッターを切ったタイミングと鳥の止まる瞬間が重なりました。それから野の花たちです。家のぐるりで撮影しました。ドイツ菖蒲も沢山咲きます。朝外へ出た時花が幾つも咲い

「雪よ、鬼よ、君の苺よ」

皆様こんにちは 只今勝手を遣り過ぎて散髪に二度失敗した為とうとう一度人に切って貰う事に決めて自分で散髪するのを我慢しているので頭はボサノヴァのいちです。  陽が少しずつ長くなって参りました。職場のエントランスから差し込む光が、遂先日まで四時にはもう暗くなっていたのに、いつの間にかまだ明るい日差しが長くフロアの木板を照らし、光の筋を作ります。其処へ立ってグラスの仕上げ拭きをするのが営業前の日課です。 さて、二月の振り返りのお時間がやって参りましたので早速お知らせを頂いた記事

「ふりかぶって2021」

「さあ二回の裏、ピッチャーは引き続きいちの様です。対してバッターボックスに立つは我らが大魔神noteです。ああ、スタンドからも大歓声が飛び交います。小さないち投手、この重圧に呑まれず投げ切れるでしょうか。振りかぶって、第一球!」 「おっと大魔神、一球目からバットを振っていきました。強気ですね。しかしこれはボールです。いち投手、一度帽子を取って汗を拭います。矢張り緊張しているのでしょうか。まだ二年目のルーキーです。しかしここは一つ、真っ向勝負して欲しいですね。さあ、キャッチャ