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箸休め

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連載小説の息抜きに、気ままに文を書き下ろしています。文体もテーマも自由な随筆、エッセイの集まりです。あなた好みが見つかれば嬉しく思います。
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2023年7月の記事一覧

「乾杯!夏の石段と山形の葡萄ー後編ー」

届けたい山形が多すぎて、三本立てになってしまった今回の旅の話。甚だ恐縮ではございますが、あなたに届け山形!ですから、御覧頂けますと幸いです。 最終日。出発の一週間くらい前に「これだ!!」と思いついた所へ行く。 山形は、果物王国で、ブドウ作りはずう~~っと前から盛んだ。つまり、美味しいワインの産地なのだ。 それからりんごが好物な私。東北制覇を目指して順番に回る中で、いつか国産のシードルと出会えないかと思っていた。行く先々で探しはするものの、元来お酒を飲まない人だから早々見

「乾杯!夏の石段と山形の葡萄ー前編ー」

それじゃあ語ろう、山形の続きを。 2023年7月、山形は高瀬地区の紅花まつりを訪ねるため、私は2泊3日の山形旅へ出掛けた。愛しの紅花については既に存分に語ったので、今日は2日目の山寺の話をしよう。 芭蕉の句でも有名な「山寺」。正式名称は「宝珠山立石寺」という。私が初めて訪れたのは、昨年11月で、今回は2回目となる。一応下に前回の訪問を紹介します。 さて、山寺駅のホームへ立つと、すっかり夏色に衣替えした山寺を抱くお山が目の前へ聳え立っている。あれへ今から登るのかと思うと、

「あの日タエ子が触れた紅花はここにあった―山形・高瀬の夏に染まる旅」

2023年7月 梅雨の明けきらない山形にて 念願の紅花畑へ降り立つ。 触れてみたくて手を伸ばす 硬くとげのある葉が、チクリと私の肌を刺激した。 「そうか、これがあの日タエ子が触れた紅花の生きた感触か・・・」 痛くて、嬉しかった この夏のはじまりに、私は一つ夢を叶えました―― 小学生の頃、スタジオジブリの映画「おもひでぽろぽろ」を見て、紅花を知った。見てみたいなあとぼーんやり思っていた。 いつか見てみたい。は、大人になりかけて、 見に行ってみたい。に、変わっていた。

「ひとつぶあるき」

こんばんは 焦っちゃだめ 一つずつ。 一度に沢山はできないから。手も二つしかないし、脳味噌なんて一個しかないの。 焦っちゃだめ。 沢山どころじゃないの、一度に一つずつしかできないの いいの、大丈夫。それでも一つは確実に出来てるってことだから 取り敢えずさくらんぼ食べるわ 凄く美味しいの はあ~ 今日も幸せだわ。 スーパーで売ってるさくらんぼにしては粒の大きな山形のさくらんぼに出会いました。いつか木箱に入ったさくらんぼを食べてみたいです。 いつもいちnote