「からす、コアラのマーチ、雲の波」
こんなことがあった。
天気の良い午後、探し物があって街を歩いていた。行きに通った道を帰りも歩いていた。歩道の向こうからは白系のお洋服を着たお嬢さんが一人歩いてくる。行きかう人は疎らだけれど、この時は自分とお嬢さん一人だけだった。
そして、電線にはカラスが二羽、止まっていた。
植え込み沿いに差し掛かった頃、二羽のカラスが物騒な声で鳴きだした。互いに譲らない様子で、喧嘩でもしてるんだろう、どすを聞かせて・・・
等と思いながら、しかし頭上で喧嘩は気持ちの良いものではないから、す