「気になっていたあの和菓子をお取り寄せしてみる」
元来和菓子と云うものは、文字も粋な看板掲げたる街の一角歩き訪ねて、からからと硝子戸を開け、途端にしいんとこちらの心と体に染み入る小豆やらもち米やらの香りを嗅ぎつつ、ガラスケースを覗き込んで、あれも良し、これも良し、どれを買おうと散々迷い、迷った挙句にふたつみつ、選りすぐった美しきものをほくほく顔で懐に抱きて持ち帰り、熱い煎茶など淹れて、ふうと一息畳に腰下ろせば、待ってましたと両手擦り、先ず包み紙の和紙の匂い楽しみて、取り出す折箱楽しみて、遂に開けて広がるは夢。その匂いまた目