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箸休め

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連載小説の息抜きに、気ままに文を書き下ろしています。文体もテーマも自由な随筆、エッセイの集まりです。あなた好みが見つかれば嬉しく思います。
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2021年6月の記事一覧

「野に咲く花のように生きていきたいと、実は保育園児の頃から憧れていたのかも知れない」

♪ 野に咲く花のように 風に吹かれて 野に咲く花のように 人を爽やかにして そんな風に 僕達も 生きてゆけたら 素晴らしい 時には 暗い人生も トンネルぬければ 夏の海 そんな時こそ 野の花の けなげな心を 知るのです ♪       「野に咲く花のように ダ・カーポ」  小さい頃、両親の好んで見るテレビ番組を、一緒に座って見ていた。時代劇、刑事ドラマ、洋画、邦画。自分達子どものセレクトとなると専らアニメかNHK教育だったが、新聞のテレビ欄を読んでセレクトできる大人たちは、

「小豆がぐつぐつ、ことこと、あんこに姿を変える迄、静かに筆を執っている」

 天気予報は外れて、朝から太陽の照り付ける。朝と夜とが半分ずつではない今日と云う日に、久し振りであんこを作ろうと思い立つ。打ち明けるなら、執筆の隙間。  台所に執筆の相棒を持ち込んで、鍋で小豆をじっくり炊きながら、このあんこの文を書いている。台所にはベランダへ出るようなガラス扉が二枚ある。外の風を入れるに丁度良いその扉の、網戸の在る方を開けている。レースが微かに揺らめいては、風の通りを知らせてくれる。送れて足元に涼が漂う。ドイツ菖蒲に気圧されて大きくなり損ねた今年の紫陽花が

「気になっていたあの和菓子をお取り寄せしてみる」

 元来和菓子と云うものは、文字も粋な看板掲げたる街の一角歩き訪ねて、からからと硝子戸を開け、途端にしいんとこちらの心と体に染み入る小豆やらもち米やらの香りを嗅ぎつつ、ガラスケースを覗き込んで、あれも良し、これも良し、どれを買おうと散々迷い、迷った挙句にふたつみつ、選りすぐった美しきものをほくほく顔で懐に抱きて持ち帰り、熱い煎茶など淹れて、ふうと一息畳に腰下ろせば、待ってましたと両手擦り、先ず包み紙の和紙の匂い楽しみて、取り出す折箱楽しみて、遂に開けて広がるは夢。その匂いまた目

「わにに行くと云うから息抜きについて行ったら、最終的に湯呑みを買ったお話をします」

ここが「わに」です。喫茶店でした。 あれ天井にミモザがあるね。洒落てます。 まだ新しいお店なのです。隣には本屋さんがあります。正確には、「本屋のとなり喫茶わに」みたいです。面白いですね。 お昼時でしたので、さわらの入ったベトナム風スープのセットを頂きました。パンは自家製だそうです。アッサムティも一緒に注文。サラダが在るのがとっても嬉しい。スープにはパプリカや玉ねぎ、それにパイナップルがごろごろ入って、酸味の効いたスープで、とても美味しく頂きました。スパイスを色々使う料理