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ハイキュー!!の好きなところ

自分はスポーツ漫画が昔から好きです。
子供の時から、サッカー・陸上の長距離などをクラブチームや部活動でやってきて、学生時代の思い出の多くはスポーツといっしょにありました。漫画が好きになった自分にとっては、スポーツ漫画は気づいたら読んでいるものでした。

そんなスポーツ漫画の中でも、27歳になったいまでも度々読み返す漫画の一つが「ハイキュー!!」です。

ハイキューは歴史に残る名作だと思いますし、すごいところは色々な人が語っていると思うので、自分は好きなところに絞って書きたいと思います。といっても好きなところもいっぱいあるのでまとめるのは難しいのが正直なところですが、一つ上げると「上手くないと楽しくない」という考え方です。
(この後はネタバレもでてくるので注意ください!)

下手くそだからつまらない


主人公と同じチームで同い年のクールなキャラ月島のエピソードがあり、過去の出来事からバレーボールに対して一歩ひいた感じで接していました。周りとの温度差を感じながら、「なぜみんなたかが部活にのめりこめるのか」がわからず、夏合宿中に他校の先輩に質問をします。その回答がこちら。

月島くんさ!バレーボール楽しい?
「いや…特には…」
それはさ。下手くそだからじゃない?
「俺は3年で、全国にも行ってるし、お前より上手い。断然上手い!」
「言われなくてもわかってます。」
でも、バレーが"楽しい"と思うようになったのは最近だ
「(楽しいと思えるようになったのは)"ストレート打ち"が試合で使い物になるようになってから。もともと得意だったクロス打ちを、ブロックにガンガン止められてクソ悔しくてストレート練習しまくった。んで、次の大会で同じブロック相手に全く触らせずストレート打ち抜いたった。その一本で"俺の時代キタ!"くらいの気分だったね!--"その瞬間"が有るか、ないかだ。」
「……」
将来がどうだとか次の試合で勝てるかどうかとかひとまずどうでもいい。目の前のヤツぶっ潰すことと、自分の力が120%発揮された時の快感が全て
 --まぁ、それはあくまで俺の話だし、誰にだってそれが当てはまるわけじゃあねえだろうよ。お前の言う、"たかが部活"ってのも、俺は分かんねえけど間違ってはないと思う。
 --ただ、もしも"その瞬間"が来たら、それが、お前がバレーに嵌る瞬間だ」

引用:『ハイキュー!!』10巻

僕はこの価値観がとても好きで、スポーツや仕事(スタートアップ)が好きな理由もこれです。悩みへの回答としては乱暴にも思えるかもしれないですが、「下手くそだからつまらない。熱中したかったらうまくなれよ」というのは自分にとっては救われる考え方でした。

人と比べたときに環境・経験・スキル・性格など違いものを上げればきりがないです。隣の芝は青く見えるし、なんで自分はこんなに苦しんでいるのにあいつはなんで楽しそうなんだと羨むことも何度もあると思います。

ただその理由が、「下手くそだから」というのは「うまくなればいいだけじゃん」というシンプルな解にたどり着きます。そして、月島の成長がこのあと何度も描かれます。月島がいないと勝てない試合もでてきます。上手くなるための苦しい練習を乗り越えたからこそ、その楽しさがあることを僕たちは知ります。最初は熱中できないと温度差を感じていた月島が、バレーを楽しむためにうまくなり、試合中に楽しんでいるのをみると、スポーツの素晴らしさをど真ん中で感じることができます。

バレーボールは楽しいと忘れては思い出す

そしてもう一つ大好きなエピソードがあります。漫画も終盤になり、高校編とプロ編の間。ビーチバレー編は僕が好きなパートです。ここでは主人公の日向とライバル校の及川がビーチバレーでチームを組んで、野良試合をします。

インドアバレーでは学生の中で高いレベルにある二人が、ビーチバレーという近いけど別のものに挑戦をする過程でも先程の価値観がでてきます。ふたりとも自分がやりたいことを叶えるために、環境を変えて友人も誰もいない場所で挑戦することを選びます。今まで自分が積み上げたスキルも評価してくれる環境も居心地の良さもすべてを捨てて、新たなチャレンジをします。

その中で試合中の日向の言葉と及川の回想には先程の価値観とはまた別の表現がでてきます。

「・・!ん!・・
でもレベル上げ好きです。
できるようになるの何回でも楽しいです」

引用:『ハイキュー!!』41巻

"上”を目指す以上苦しいことのほうが多い
苦しくなきゃがんばった事にならないって思い込んでるみたいなとこもある
でもそんな事はお構いなしに
時々楽しいは来てしまう
楽しいが俺を引っ張ってしまう

バレーボールは楽しいと忘れては思い出す

引用:『ハイキュー!!』41巻

この2つの言葉は、できるようになることの尊さを表していると思います。目標を達成しようと思うと、苦しいことのほうが多いと感じることがよくあります。ただ、その過程にも楽しさは転がっていて、できないものができるようになるということは、自分の現状も目標からの遠さも自分のたりなさも全部忘れて、楽しさをつれてきます。なにかがつまらないということは、上手くなる=できるようになる、ことがない状態なのかもしれない。そんなことを感じさせてくれるのがこの漫画の魅力なんだと思います。

主人公の日向が挑戦する物語でもありますが、ハイキューは物語の登場人物全員が挑戦をしている物語だと思っています。それはなぜかというと、出来るようになる楽しさを全員が知っているからなんだと思います。登場人物の中でもバレーボールのレベルには差があります。ただ、上手くなる努力をし続けた高校時代がそれぞれにはあります。そこで、できるようになる楽しさを知っています。だからこそ、全員が高校時代だけじゃなく社会人になっても楽しそうに生きているんだと思いますし、ハイキューキャラ全員が魅力的な理由なんだと思います。

自分はスタートアップと言われる環境で社会人生活を過ごしていますが、ハイキューに惹かれる理由は、できるようになるが多いからだと思います。スタートアップに飛び込んだときに苦しかったのは、レベルが低く下手くそで一つのことしかできなかったから(木兎のクロス打ちのみ)。そこからいろんな経験とキャリアを積んで、できることが増えたときに楽しさを感じることができました。こう思えるようになったのは、間違いなくハイキューでこの価値観をちゃんと言語化してもらって知ることができたからだなと思っていて、途中の苦しさもできるようになる楽しさも全部教えてもらったなと思っています!

最終章も映画化されるので、みんなで映画館行って、漫画読んで何度も感動しましょ!
最後まで読んでもらってありがとうございます!



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