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ライブ参戦日記@祝・日比谷野音100周年 concert 2023<2023/10/8>

10/8、薄曇りの土曜日。中央線で新宿へ。
ユニカビジョン前で14時の回に間に合うように、大阪のCちゃんと合流。
ユニカ初体験のCちゃんは、ニコニコと嬉しそうでかわゆい😍
ビジョン前の交差点にはエビバデが30人位いたかな?
相棒Tちゃんも京都から来たTYちゃんと同じ回を見ていた。
35周年ツアー映像を久しぶりに見た私は、早くも感動でうるっときて、目に涙を浮かべながら、CちゃんTちゃんTYちゃんと共に日比谷野音へ向かった。

↑ユニカビジョン

霞が関の地下鉄出口から出ると、宮本さんのリハの歌声が聴こえる!
なんて贅沢なの…😭
本人確認を先に済ませて、宮本さんの歌を聞きながら私とCちゃんはグッズ売り場に並んだ。
最初の5分位は順調に進んでいた列が突然進まなくなったので、スタッフさんに確認すると、「先行販売が都合により打ち切りになり、このグッズ待機列が入場待機列になった」「ここに並んで入場すればグッズが買える」とのこと。
この頃には宮本さんの歌も聞こえなくなり、雨がぽつぽつ降ってきた。
レインコートを持ってこなかったCちゃんは「レインコートを買いに行ってくる」と戦線離脱。
私は隣にいた人と少しおしゃべりしたりしながら、40分位並んで会場に入り記念にピンバッジを買って席についた。
雨が変わらず少し降っていたので、結局レインコートを着たまま開演。

全30曲。
明るい曲、青春の曲が多くて、宮本さんの今の心情を窺い知ることのできる幸せな幸せな時間だった。

<注:今日のライブは必ず円盤化されると思っているので、ライブ詳細は書きません>

ライブ終演後は、グッズを買いたいというCちゃんにくっついて待機列に一緒に並び、ライブの感想を話し合いつつ二人で夢のような時間を振り返る。
無事グッズをゲットしたあとも会場を出るのが名残惜しくて、出口へ向かう通路にある花の撮影をしたり”日比谷野外大音楽堂”の名前が刻まれたアーチを撮影したり。
最後にアーチを出てから振り返って、Cちゃんと二人で「次はMっちがここに来られますように!」と野音の神様に両手を合わせてお願いした。
それから二人で地下鉄に乗って赤坂見附でCちゃんと別れ、夢を見ているようなふわふわとした幸せな気持ちのまま中央線に乗り換えて帰った。

月曜、火曜の夜は配信アーカイブを見た。
そして迎えた配信アーカイブ視聴最終日の水曜の朝は快晴だった。
いつものように通勤途中にある公園を歩いていると、どこからともなく金木犀の香りがふわりと漂ってきて、その香りが突然2020年の初野音の記憶を鮮明によみがえらせた。

2020年の初野音の朝、吐きそうなほどの緊張と頭痛と共に目覚めた私が窓を開けると、今日と同じようにどこからともなく金木犀の香りが漂ってきた。
…宮本さんも、同じ朝を迎えている。そう思った。

ビギナーズラックなのか何なのか、神様はファン歴2か月の私に最前列席を与えてくれた。
緊張と頭痛で吐きそうになって当然。
だって、相手はエレファントカシマシの宮本浩次なんだ。

最前列で聴いた宮本さんの歌は、震えるほどに素晴らしかった。
華奢な体から発せられる、どれだけ動いてもブレないあの声。
驚くほど白い肌、ひげそりに失敗したらしい赤い傷、汗ばむほどにサラサラになっていく髪、”風に吹かれて”で瞳の奥に浮かんだ涙。
何もかも肉眼ではっきりと見えた。
マイクを通さない声も、今この目でみている姿も、全て全て心に焼き付けたいと願った。

そんな一生忘れたくない記憶の他に、もう一つ強烈に私の心に焼き付けられたものがある。

それは、宮本さんの痛いほどの苦悩、葛藤の感情だった。
今振り返れば、ソロを初めて間もなかったあの頃の宮本さんには、想像もできないほどの苦悩と葛藤があったのだろう。
最前列ゆえにド直球で受け取ってしまった、歌と共に放たれた鉛のようにずっしりと重い、そんな感情。
胸が圧し潰されて息ができない、と思った。

こんなに苦しい思いと共に生きるこの人は、この先どうなってしまうのだろう?
才能が巨大すぎて苦しみぬいた末に自殺した太宰治がふと頭をよぎって、私は身震いした。

メンバーの間に漂う尋常ならざる緊張感も痛かった。
3人を引っ張っていこうとする宮本さん。
必死に食らいついて行こうとする3人。
でもそうすればするほど何かがずれていって、余計にバラバラになっていく。
それに対する宮本さんの苛立ち、3人の申し訳なさそうな空気までもが感じ取れて、いたたまれなかった。

もちろんライブの大部分は感動で震えるほどだったし、楽しい曲や明るい曲もあって、十分すぎるほど楽しんだ。
宮本さんと石くんの仲の良さも間近で見られたし、最後のソーシャルディスタンスハグも最高だった。

それでもなお、ほんの数曲から受け取ったあまりに深い宮本さんの苦悩・葛藤が、その後2023年の野音に至るまで私の中に強烈な不安を残すことになる。
(その不安を打ち消すために、私はこのあと”とにかく宮本さんを全力で応援する”キャンペーンを繰り広げ日本全国をライブ行脚することになった)

アーカイブ配信最後の水曜日の夜、改めてもう一度2023年野音を見ると、2020年との違いが驚くほどはっきりと分かった。

まずステージに漂う雰囲気が全然違う。
今年は明るくて開放的で、軽やかで楽し気な空気が満ちていた。

何より宮本さんが変わったと思った。
真剣なのは変わらない。宮本さんがリードするのも変わらない。
でも、精神的立ち位置が明らかに変わったと感じた。

上手く表現できないけど、今までいつもメンバーの先頭に立って引っ張ってきた宮本さんが、今年の野音では3人の後ろに立って見守りながら歩いているような感じがした。
後ろに宮本さんがいて(いや、実際は前にいたけど)3人のすべてを受け止めてくれるから、3人はすごく安心して演奏しているような、そんな感じ。
過度に緊張せず宮本さんにあわせ過ぎず、とにかくひたむきに演奏してる。
そういう印象。

"No more cry"で、その印象は確信に変わった。

これからはきっと、こんな風に4人で歩いて行くんだね。
宮本さんだけが引っ張っていくのでなく、4人で同じ方向に向かって。
自分たちのペースで。自分たちのやり方で。
…これが新しいエレカシなんだね。

”新しいエレカシ”。
この言葉に涙が溢れ出す。

メンバーがみんなとても嬉しそうで、何より宮本さんが一番嬉しそうで、その少年のような笑顔は、太陽よりも眩しく輝いていた。

あなたの生き方は1ミリも間違ってなかった。
私がバカみたいに3年間も心配し続ける必要なんて、どこにもなかった。
大切なものを大切にして、大切に抱えて生きていく。
その生き方で良かったんだ。
何かを捨てる必要もなかったし、諦める必要もなかったんだ。

あなたの一番大切で一番守りたいこの場所が。
一番大切な大好きな仲間のいるこの場所が。
あなたが一番輝ける場所で、良かった。
それが嬉しくて、泣けて泣けて仕方なかった。

ソロをやって、カバーをやって、弾き語りをやって、一周ぐるっと回って。
バンドにいる時はどうしても見つけられなかった、愛すべきエレカシを救う方法を見つけた宮本さん。
あなたって人は、また更にでっかい人間になったんだね。
本当に尊敬するよ。脱帽だよ。惚れなおしたよ(何万回目かだけど)。

”はじまりは今”の宮本さんの涙は、私には、デビューから今までのエレカシの35年を全肯定したうえで、これから新しいエレカシを始める、4人で歩いて行く、という決意に見えた。
でっかいうえに時空まで超越してる。
最高すぎるよ!

夜中のリビングで一人、大型テレビで配信アーカイブを見ながら、ボロボロ泣いて、心で叫ぶ。

思いっきり高く飛べ、宮本さん!
あなたの上には雲一つないどこまでも澄み切った青空が広がっている。
遮るものは何もない。
悩んだ分だけ、苦しんだ分だけ、誰よりも誰よりも高く飛べ!
その大きな翼で自由に空を駆けめぐれ!

そう。
No more cryと、決めたのだから。

ファンになって丸3年が過ぎて4年目、35周年イヤーの今年。
新しいエレカシが始まる記念すべきこの年に。
私はやっと、ぴよバデからエビバデになれた気がした。


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