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終末を歌う人々

「うたよみん」というアプリがサービス終了するという連絡が来た…短歌のSNSで、みんな思い思いの歌を詠んでいた。


新海誠監督の「言の葉の庭」に感化されまくった私は図書館にあった万葉集の解説本を読んでみたりして、その美しい言の葉にただ見惚れるばかり。

ただたくさん本で見たりしているとね、だんだん自分にもできるんじゃないかって気がして…やってみたくなった。


最初はTwitterでつぶやいてみたりして、みんなが短歌を詠んでいる場所を探したら「うたよみん」がヒットした。

私がうたよみんを始めた2021年、うたよみんはすでに過疎に突入していた。

おすすめとかで表示される歌も数年前のものばかり。

Twitterとかとは違ってあまりフォロワーやいいね!の数などが手軽に確認できない仕様だったり、少し他のSNSとは感覚が違う。

でもみんなで短歌を発表し合う空間は好きだったと思う。


詠むたびにその短歌に合わせた画像作りもすることになるから、画像短歌SNSって感じで面白いアプローチだった。

ユーザーの数がかなり減ってるんだろうなと感じられる空気の中、それでも毎日のように短歌を投稿し続ける†終末の戦士†たちがいた。

短歌を投稿するたびに、自分が住んでいる時代や使っている言葉は、万葉集の時代とはかけ離れたものであること、見事な歌を詠むためにはかなりの練度が必要なこと、五七五七七の中に込めたい意味を込めるのはやっぱり高度だと思い知る。

短歌で繋がった友達がいて、短歌で知った文化があった。

日常の些細な感性を短歌に込める人もいれば、燃え盛る負の感情を歌った人もいた。

私はそれっぽいことを言って一人で気持ちよくなりたいだけのやつです。


うたよみんの後継となるSNSもあるのかもしれないし、私の短歌を詠む趣味はTwitterに始まり、再びTwitterに回帰した。

ただうたよみんが私の短歌趣味に拍車をかけてくれたことは忘れない。

†終末の世界†にて、一定のリズムに想いを乗せて、美しく歌い続けた戦士たちがいたことを、私は決して忘れない。

うたよみん!
ありがとう!

別れ時
君と手と手を
合わせたら
忘れる日など
来るのだろうか

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