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【ネタバレあり】『もしも徳川家康が総理大臣になったら』

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ジャパン(2020)。

『予告編で聴いた主題歌が良すぎる』みたいな理由で観に行ったものの、すごく良い映画でした。

強いメッセージ性がある映画が好きだ。

時はまさにパンデミックが始まった2020年の、日本。

コロナが何かもわからない、ワクチンもない、パンデミックは普通に怖い!

なお、内閣の主要人物は全員コロナでダウン。

ついでに総理は死んだ。

さて、あるプロジェクトが起動する。

政府側の偉い人…あなたは『検察側の罪人』のサイコパス…じゃあ演技は大丈夫だ。

最先端の技術力をもってして、歴史上の偉人を現代に召喚する。

そして…最強の内閣を作ろう。

ファンタジーではあるんだけど、一応
『自分はすでに死んだ、歴史上の偉人である』
と自覚させた上で、今から天下統一を目指したり、戦を起こしたりしないようにプログラムされた、AI。

人も殺さない。

姿も立体映像という設定。

しかし…そんな細かいことはどうでもいいのであった…。

クセが強すぎる偉人内閣と張り合う主人公は誰だ!?

日本一かわいい女の子・ベーやんが来たぞ!

ここは文字通り『全員から愛される』くらいかわいい人じゃないと!

聖徳太子の
「私、お札になってんだけど?」
が好きだ。

こういう時は実在した偉人に敬意を払うこと…その上で小ネタ満載ですね。

聖徳太子が女性というのもマジなのかな?

正統派主人公である坂本龍馬は、速攻でロックダウンを宣言。

べーやん「国民の不安をどう解消されるおつもりですか?」

坂本「不安…?それは何もしてないやつがなるものじゃ!」

俺は自分が動かなければいけないと思って動いた。

俺たちは、そうやって時代を変えた。

そしてイロモノと思われた聖徳太子は超・敏腕政治家なので、もはやコロナとか関係なく、日本はどんどん良くなっていく。

信長が国会議員とリモート会議するけど、みんなぜんぜん寝てるしスマホいじってる〜!

そもそもコロナ禍なんてそのまま描写してもつまんないから、適度にゆるく行きましょう。

正直コロナそのものは序盤で忘れた。

日本の歴史の知識がある人だったら、色々なネタに気付いたと思う。

そしておそらく史実では無かった、家康と信長の和解。

このシーン好き。

『野望は抱かない』ようにプログラムされたはずの偉人たちだったが、実は秀吉だけマジの秀吉だった。

秀吉が密かに企てている陰謀については、全く別の部屋にいる聖徳太子が盗聴器なしで聴き取ってしまった。

そのカリスマをもって国民的アイドルになった信長、しかしラスボス秀吉が次なるスターになったり。

お話を通して、
「主体性を持て」
「自分でちゃんと考えろ」
そして
「己に期待しろ」
と訴える。

さて、秀吉フェスティバルが決戦の地だ。

独裁を目論んでいた秀吉の陰謀は暴かれてしまうが、ここからが見せ場だ。

みんなで話し合って決める政治?

そんなの必要ない。

大切なのは愚かな国民の、たくさんの意見じゃない。

一人の優れたリーダーだ。

そもそも国民なんて別に政治に興味ないじゃん。

国民に任せてたらダメなんだよ、俺が統治してやる。

お前たちは俺の言うことを黙って聞いていれば、良い国が作れる。

家康「一理ある」

そう、一理ある。

ここからは家康のターンだ。

たしかに大抵の国民は政治のことなんて考えない。

私はかつて平和のために戦を起こした。

しかしそんな時代は間違っていた。

今この時代は、あまりに人任せだ。

自分で考えようとしていない。

掃いて捨てるほど溢れているくだらない情報、それに飛びついて、都合のいいものを信じ、無責任な発言を繰り返す。

それは流行り病なんかより、もっともっと怖い病だ。

そういう人ばかりでないことも知っている。

それでも儂は、この国の人々を信じる。

だからこそ言おう、日本国民よ。

自分に期待しろ。

そして、政治は再び現世に返されることに。

そして我々偉人内閣は…消滅する!

ベーやんはこれからも頑張るのであった。

ウイルスそのものより、それに対する人々のリアクションの方がずっと怖い。

家康をはじめとした偉人たちが指摘したのは、感染騒ぎで浮き彫りになった、日本人の良くない一面。

という映画だった印象だ…良かった。

浜辺美波ちゃんはかわいい(結論)。

そして主題歌…最高だぞ、新しい学校のリーダーズ。

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