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機能性ディスペプシア闘病記

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日本の新国民病とも呼ばれる機能性ディスペプシアの闘病記です。人生全体に関わるものだったので、発病前(幼少期)から完治までの流れを綴ります。
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#金八先生

大変な人に憧れちゃった[機能性ディスペプシア闘病記-6]

中3の10月に、金八先生の第6シリーズが始まった。 上戸彩さんが性同一性障害の生徒を演じて話題になった。 僕の学校にも、ホルモンのバランスを生まれつき欠いていて、見た目は男らしいけれど、陰茎がついていなく、性自認が女性の後輩がいた。 彼女はこのドラマが救いだと言っていた。 それまではどんなに説明しても理解してもらえなかった自分の特性が、スムーズに伝わるようになったと喜んでいた。 第1話や22話で繰り返された、「見渡す限りのもの、人生で起きる出来事には意味がある」というお説

生徒会独裁日記[機能性ディスペプシア闘病記-5]

イギリスから帰国して開き直った僕は、生徒会長に立候補することに決めた。 時系列が前後する。 ストーキングをしていた女子は、2年の1学期に僕に無理やり性行為をしようとしてきた。 恐ろしくて突き飛ばした翌日から、学校に来なくなってしまった。 もっと早く大人に相談していれば、とか、もっと早く毅然とした態度で接していれば、とか、相当悔やんだ。 厳密には2人、同級生に相談したことがあったけれど、 「そんなに好かれてるなら、ヤっちゃえば」 くらいの返答だった。 それは双方の気持ちを本

英国見聞録[機能性ディスペプシア闘病記-4]

金八先生のドラマにハマって、毎朝1時間、お説教を存分に味わってから登校するのがルーティーンになった。 学区のハズレに住んでいたから、徒歩30分ほどかけて登校していた。 行き帰りの時間はずーっとイヤホンで海援隊の曲を聴いていた。 校則違反である。 懐かしのMDウォークマンである。 校則違反である。 海援隊のCDのみならず、武田鉄矢さんの著書も全て集め、すっかり傾倒してしまった。 金八先生と武田鉄矢さんは別人であるのは百も承知で、それぞれ欠点も含めて素敵だと思っている。 2年

あの人のように [機能性ディスペプシア闘病記-3]

初恋は小学5年生だった。 白いブラウスの似合う、お嬢様風の子だった。 当時の小学生では珍しく、日傘をさしている子だった。 ある日夕暮れに理科室へ忘れ物を取りに行ったら、彼女が窓辺でひとり泣いていた。 わけを訊いても何も話さないので、「僕の失敗談ベスト10〜!!」といきなりダサい自分のエピソードトークをしてみた。 しかもベスト10と言いつつ、7つくらいしか浮かばなかったし。 彼女は途中でくすくす微笑んでくれて、最後にはゲラゲラ笑ってくれた。 これが僕の恋の原点なのだけれど