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実写版『カウボーイビバップ』の感想

実写版カウボーイビバップの感想

2021年11月19日に待望の「カウボーイビバップ」のハリウッド実写版が、Netflixで配信開始されました!

実写版「カウボーイビバップ」の話は、ずいぶん前から企画されていたそうで、当初はスパイク役があのキアヌ・リーヴスって言われてましたね。
その配役には「ピッタリ!見てみたい!」と期待していたんですが、その話は無かったことになり、そこから長い間実写版の話は空中分解のままでした。

それが2~3年位前から急にまた浮上してきて、Netflixでの配信と聞いて、すぐさまNetflixに加入して、配信開始を心待ちしていました^^v

果たして実写版「カウボーイビバップ」の実態やいかに…?

と、感想を言う前に、僕と「カウボーイビバップ」との出会いからの思い出話から書かせていただきます^^

【カウボーイビバップとの出会い】

「カウボーイビバップ」を初めて見たのは1998年。
今からもう23年前になるんですね^^;

その当時は正直アニメそのものにあまり興味はなく、専門学校の課題やマンガの制作、バイトの方に夢中で、アニメも流し見程度にしか見ていませんでした。

そんな中偶然テレビをつけたらやっていたのが「カウボーイビバップ」テレビ版第1話の、しかも途中から。

その時は「なんか新しいのやってんな」くらいの認識で、マジメに見ることは無かったです。(エヴァの時もそんな感じでした^^;)

んで、マジメに見ることがなかった「ビバップ」ですが、認識が変わったのがテレビ版第7話の「闇夜のヘヴィロック」の回でした。

実はその回から「ビバップ」をOPからちゃんと見て、「なんだこのカッコいいアニメは!!?」と度肝を抜かれたのでした。
もしかしたら第1話からちゃんとOP込みで見ていたらもっと早くハマったのかもしれません^^;

そこからビバップにドハマりした僕は、次の週が待ち遠しくて…。
しかし残念ながらテレビ版「カウボーイビバップ」は諸事情により、途中でいきなり終わってしまい、次週からは「カニパン」が始まりますと聞いて、何の罪もない「カニパン」を呪う日々に…(笑)

全話完璧な状態で見れるのはそこからしばらく時間が空き、WOWOWのスクランブル放送まで待たなくちゃいけないのですが、全話を改めて見て、心の底からこの作品が大好きになったのでした。
しばらくの間、自分のマンガにもビバップの影響がちらほらと出てしまいましたし^^;

WOWOW放送から2年後には劇場版「カウボーイビバップ天国の扉」が公開されました。

待ちに待ったビバップの新作!しかも劇場版!!
どうしても早く見たい自分は試写会に応募し、いつもはくじ運は全くないのにも関わらず、この時は見事抽選に当たり、神様に大感謝したのを覚えています^^

劇場版は試写会の後も何度の映画館で見ましたし、DVDも購入しましたし、今でもNetflixでテレビ版と一緒に何度も見返しています。

この20数年間、自分の中で「カウボーイビバップ」を超える作品はいまだに無いくらい、それくらいオンリーワンな作品なわけです。

【カウボーイビバップの魅力】

「カウボーイビバップ」の魅力の中で一番大きいのは「音楽」です。
ビバップの6割は音楽で出来ているといっても過言ではありません。

次に「個性的で魅力のあるキャラクター(作画)」と「バラエティに富んだシナリオ」「ウィットでオシャレな演出」etc…とあげたらキリがないんですが、実写版になって、これらがどうなるかが一番気になるところです。

【実写版カウボーイビバップは…】

実写版の音楽がアニメ版と同じ「菅野よう子」さんが担当されると聞いて、それだけで「あぁ、実写版は多分大丈夫だw」と思いました^^

そして、待ちに待った11月19日17:00…、恐る恐るまずは第1話を視聴。

正直な感想は…「これはこれで全然アリ!」でした^^

SNSでの感想を見るに、「アニメと全然違う」「音楽や日本語キャストは完璧だけど映像がちゃちい」とかの文面がちらほら見受けられますが、アニメ版期待してるならアニメ版を見ればいいわけですし、実写版には実写版の楽しみ方があるのです。

実写版第1話はアニメ版第1話「アステロイドブルース」をベースに、劇場版からの引用や、オリジナルの設定などを盛り込んで、なかなか見ごたえのある内容でした。ラストがなんとも切ない…。

2話目以降もアニメ版のシナリオをベースに、オリジナル部分をこれでもかと投入し、別物の話として楽しめる作りになっています。

このオリジナル部分を許容できるかできないかが、作品を受け入れられるかになってくると思うのですが、僕はこういった実写版オリジナルを入れてくるのは大いに賛成できるので問題なしでした。
むしろオリジナル部分が無いと実写版で作る意味ありませんしね。

それでいて凄いのが、実写版制作スタッフのアニメ版に対するリスペクト値が半端ないところです。
全く別物になっているのに、ちゃんと「カウボーイビバップ」という作品になっているのは、このリスペクトがしっかりと根底にあるからだと感じました。

【アニメ版と実写版の違い】

前述したように、根底にあるのはアニメ版ビバップなのですが、実写版は実写版として、全く違う別物となっている部分は多数あります。

※ここから先はネタバレも含みますので、嫌な方はここでストップしてください。

まずキャラクター部分から…

●スパイク…まさかの偽名設定w本名はフィアレスになっています。元組織の一員で現在は死んだことになっており、本来の自分を隠して賞金稼ぎとしてジェットとコンビを組んでいる。特技はジークンドー。危険をこよなく愛す…といった基本設定はそのままですが、性格的にはアニメ版よりちょっと冷めた部分があるように感じました。アニメ版ではスパイクの事をよく「猫」として表現されることがありましたが、その「猫」な部分がより強調されているというか、ジェットに対するツンな部分が多い…;ジェット可哀そうw
多分実写版スパイクは「ワルツ・フォー・ヴィーナス」でロコと出会ってもアニメ版のようにあんなに親身になったりはしないんじゃないかなぁ^^;

●ジェット…実写版で一番不遇な目に遭ってるのは多分ジェットです。アニメ版でもスパイク達に振り回されることが多かった彼ですが、アニメ版と違って非常に繊細で不幸体質です。アニメ版の元カノ アリサとは離婚していることになっててまさかの子持ち設定。離れ離れになった愛する娘の為に色々四苦八苦して身銭を稼ごうと奮闘しています。誕生日プレゼントもまとに買ってあげられない…と嘆く姿には涙を禁じ得ません。しかも警察時代の元相棒には裏切られ、元妻の現旦那で汚職警官とにらんでいた元同僚にはいいところを全部奪われ(しかも汚職警官どころかめちゃくちゃ良い奴だったしw)…作中ほんといい思いをするシーンが少ないです。
アニメ版のジェットは「去るもの追わず」なスタンスでしたが、実写版のジェットは家族と離れているせいか、その寂しさを埋めるかのようにスパイクやフェイに対してやけに「家族(チーム)」としてのスキンシップを求めてきます。なのでビバップ号のオーナーなのに一番その場で浮いてる感も否めないのがまた不憫で…。そのためか、最終話でのラストではスパイクに対して裏切られてた部分を許すことができずはっきりと拒絶してしまいます。
シーズン2が作られるとしたら、この崩壊してしまった関係をどう修復するのかが気になるところです。ジェットに幸あれw

●フェイ…実写版でも気が強く、マイペースで、記憶喪失といった設定は健在です。アニメ版と違うのは「素直」な部分でしょうか。実写版のフェイはその身を犠牲にミサイルを止めたり、寂しさを第3者に吐露したり、ちゃんと謝罪もしたりとアニメ版にはあまり見られなかった「ピュア」な部分が見られました。修理屋の女性といきなりああなるのはビックリしましたけどw要所要所でスパイクとジェットの危機を助けるシーンがあって、アニメ版とは違った印象で僕は実写版のフェイの方が好きかもしれません。
ラスト、後ろ髪引かれる想いでビバップ号を後にするんですが、その後の動向が気がかりですね。

●ビシャス…実写版で一番キャラクターが別物なのは彼です。アニメ版のビシャスは何考えてるかさっぱりわからない、野心に燃える冷たい心の蛇のような人間でしたが、実写版のビシャスは組織のTOPの息子で、典型的なダメな二代目ボンボンといったところでしょうか。異様にプライドが高く、すぐにキレて手が負えない凶暴なモンスターって印象です。なんでこんなDQNにスパイクもジュリアも組織のメンバーも面倒を見てやるのか不思議でしょうがありませんw

●ジュリア…彼女もアニメ版とは全然違う印象です。アニメ版ではほとんど出番がなく、最終話でやっと姿を現す彼女ですが、実写版では1話からずっと出ずっぱりです。第2の主人公と言ってもいいかもしれません。アニメ版ではスパイクの前からもビシャスの前からも姿を消している彼女でしたが、実写版ではビシャスの囚われの妻といった感じで精神的にも肉体的にもDVを受けて疲弊しています。ですが、その心の底ではある計画を立てており、ラストではまさかのラスボスになり果てます。
スパイクを待っていたのも、今でも愛してるからではなく、未練を断ち切るために自分の手で始末をつけようとしていたからです。
ビシャスをも手籠めにし、組織のTOPになってしまった彼女ですが、シーズン2があったらどんな顛末が訪れるのか…怖いながらも興味深々です^^;

●アイン…めちゃくちゃ可愛いwアニメ版ではデータ犬という設定でしたが、実写版は普通の犬…なんでしょうか?途中、いきなり目から映像を発信してたので普通の犬とは違うような感じもしますが謎ですw
でも可愛いから許すw

その他にも、アニメ版からは、アシモフ、カテリーナ、マードック一味、ドクターロンデス、アブドゥルハキム、アナスタシア(アナ/アニー)、グレン、ホイットニー・ハガス・マツモト、マンリー、東風、リン、シン等々出てきますが、そのほとんどが背景も違うし、性別も違うで、その違いを楽しめる作りになっています。
個人的にはホントのオネェになっちゃったグレンが面白かったですw

また、SF設定もアニメ版にはなかった要素が出てきます。
顔を自在に変えられるフェイスチェンジャー、その場にいなくても本当に実在するかのように本人を投影する3Dホロ装置 等。
しかもそれらがラストに至るまでにちゃんと伏線になってるのが面白かったですね。

【総じて…】

と、ここまで「カウボーイビバップ」のアニメ版・実写版への思いのたけを書いてきましたが、実写版は実写版独自の面白さがちゃんとあり、一つの作品としてしっかりと丁寧に作りこまれてると思いました。

仲間も、恋人も、居場所も全部失ってしまったスパイクが突如現れたエドと共にあの後どうなったか…ジェットとは仲直りできるのか…フェイは自分の居場所を見つけ出せたのか…ビシャスとジュリアは今後どうなるのか…気になる要素がてんこ盛り過ぎなので、是非ともシーズン2は作って欲しいですね。なにやらビッグプロジェクトがあるそうなんですが…。
今後の動向に期待大です!

そして、「カウボーイビバップ」の一ファンとして、製作スタッフの方々にはお礼を申し上げたい所存です!(^^)!

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