一人暮らしも1年生

初めての一人暮らしは、不安だらけ。
仕事と家事の両立はできるのだろうか。毎日1人だと寂しいのかなぁ。まず買わないといけないのは、あれとそれと…。お金は足りるのかな。

わからないことだらけだったわたしは、インターネットに頼った。
「虫の侵入を防ぐためにはこうすると良い」
「寂しくなったときはコレがおすすめ！」
「引っ越してすぐにやるべきことは…」

これらの情報はためになったし、自分のやるべきことを明らかにすることができた。

一人でいても寂しくならないように、ラジオをつける毎日。これも誰かのアドバイス。
今まであまりラジオを聞いたことがなかったから、新鮮でとても面白かった。

でもある日読書をしていると、静かな環境の方が集中できると思って、ラジオを消してみた。
すると本の世界に入り込めて、ふと思った。
「今のわたしは静かな空間を欲していて、それを楽しめるな。」

よくよく考えてみると、まわりが静かで寂しくなったときにアドバイスどおりラジオをつければ良いのであって、寂しくなる前に先回りしてラジオをつける必要はなかった。

『「寂しさを感じる」というマイナス面を一度たりとも味わいたくない。先人の教えを守れば失敗することは無いのだ！』

インターネットやSNSは便利だけれど、わたしはどうやら全ての失敗を防ぐために情報を集めていたみたい。

そう思うと、失敗しない人生と引き替えに、人生の主導権を失って、人任せになっているとわかって怖くなった。

暮らしていて何か不都合があったら自分の成長につながるチャンスだし、自分ではわからなくなったらインターネットに頼っても良い。
だけど、なにもしないうちに人に頼ってばかりなのはつまらないと思った。

一人暮らしに限らず、情報がありすぎることでハードルが高くなっていることはある。
「ギターをはじめる前に、こんなに考えることがあるんだ…」

だからわたしは、自分で考えるところと情報を得るところのバランスを大事にしつつ、まずは一歩踏み出してみようと思う。

この一年、今までと違うことがたくさんあるはず。
問題が起きたら、そのときに対処すればいい。
まずは、1日1日の新鮮さを味わっていきたい。