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くらいうみのばけもの


こんばんは。空峯千代です。

なんとなく眠れない日ってありますよね。
私にとっての今です、それは。

ついこの間に不眠症は脱却しましたが、なんやかんやで健康と不健康の間をふらふらしながら生活しております。

最近はnoteに手を付けていませんでしたが、どうせならちょろっと近況を書いてからベッドに潜ろうという次第です。


あなたまるで人間みたいね


最近、日課のように聴いているのは、キタニタツヤさん
こんにちは谷田さん名義で投稿していた芥以来からたまに聴いていたけれど、最近はほぼ毎日彼の曲を聴いている。

きっとそれは彼の曲が私の心境にマッチしているからで。
リピート癖のある私は、馬鹿の一つ覚えのようにずっと同じ曲ばかりを聴いている。
キタニタツヤさんはメロディーが良いのはもちろん、歌詞が沁みる。


例えば、「人間みたいね」の2番Bメロのこの部分。本当に刺さった。


誰一人愛せた覚えが無いよ
わたしははあの日から知ってしまった
深く暗い孤独を

参考 https://sp.uta-net.com/song/289548/

https://youtu.be/cBxQ6bmy_9I


一旦、自分を孤独だと捉えると誰のことも愛せない気がする。
1+1は2、くらいシンプルに考えられればいいのに、簡単なことほど難しく考える。
ただ単に「好き」と捉えればいいのに、そこに何が隠れているのかを疑う。ましてや愛情なんてそう。

結局、みんな孤独がきらいで好きなんだろう。

誰かと一緒にいたいのに誰とも一緒にいたくない。
愛と孤独をはかりに乗っけてみて、ずっとぐらつかせた挙句、孤独を選んでしまう。
それも一度人のぬくもりを知ってしまうと失うのが怖いから、誰かのそばにいることよりも独りでいることに決める。私がそうだ。

先日、私の文章を読んだとある人に会った。


その人はいい人で。短い時間を割いて私に会ってくれた。とても純粋に、素直に好意を示してくれた。それも私の疾患や過去のことを知った上で。

ただ、私がその「好き」にどんな打算や利己心があるのか疑ってしまった。
自分の性別か、年齢か、肉体か、同情心か、それとも気まぐれか。あれこれ考えてしまった。
純粋な気持ちであたたかい言葉をくれたのに、だ。

私の抜毛症の話を知っていて、気味悪がったり変に思ったりするどころか、「髪の毛が綺麗なのに勿体ない」と言ってくれた。
私の疑心は相手に失礼だった。それに、好意的な言葉をそのまま受け取れないって、あまりにも悲しいと思った。

その人は、私のことを「応援している」とも言ってくれた。不思議だった。
なんなら、あたたかい記憶が多すぎてその日の出来事が夢かとすら思った。
まあそれも「自分は不幸だ」と自分で自分を呪いすぎた結果にすぎない。


くらいうみのばけもの


ここのところ、身体に力が入らない。
もっと言うと、心に力が入っていかない。

いつも自分には活力が漲っていて、奥に燃えさかる炎を秘めていたはずだった。
それが、最近はきらめく宝石を見つけた時のような、震えるような感情の動きがなくなってきた。

本を読むことが減った、音楽を聴いて心が震える瞬間が少なくなった、やりたいことが自然に湧かなくなった。
特に音楽で味わう感動が消えてしまった時、完全に見放されているかのように感じる。
私にとって音楽を聴けなくなることは、世界に嫌われたに等しい。だって、好きだったものに心が動かなくなる瞬間が最も絶望に近しいでしょう。

抜毛が減った理由は、案外ここにあるのかもしれない。他にも、前までは恋愛依存の毛があった。性行為も同様に。
それなのに、今の私は求めない。好きでたまらなかった快楽にすら手を伸ばさない。
心に不感症があるなら、確実にそこへ向かっているのを感じる。

そう、例えるなら深海。

キタニタツヤさんの曲、「くらいうみのばけもの」。 最近はこの曲の影響か、底の見えない海に潜むばけものを水中で見下ろす私の構図が浮かぶ。
底にいるのはくじらみたいな巨大なばけもので、全体像は見えないのになぜか巨大だとわかる。そして、かろうじて瞳孔が鈍く光っている。

「暗い海の化け物の声が聞こえる」「美しい歌、空恐ろしくなるような」

このフレーズが私を海の底へ引きずり込んでいる。
うだつの上がらない日々を過ごす私はとりあえず精一杯生きている。
それでも日に日に感じなくなっていく恐ろしさに耐えきれなくなった時、海の化け物は私を呑み込んでくれないかと願ってもいる。


だからといって、誰かに「たすけてくれ」と手を伸ばすわけでもない。
ただどうせなら化け物に呑まれるまえに、ひとつでも心残りがないようやれるだけのことをやろう、くらいの気持ちではいる。

今の私に出来ることは、文章を書くことと好きな音楽を勧めることくらいだから。
けれど、どうか。これを読んでいる貴方の孤独も休まりますように。





追記:

こういう赤裸々な文章を書くのは久々で、私の自己紹介文を読んだのだけれど。
刃物のような切れ味が今となっては失われてて笑っちゃったね。背が縮んじゃったみたい。
日に日にちいさくなる私を面白ければ笑ってほしい。笑いたくなければそれでいい。

もしサポート投げてくれたらなんかいい感じのことに使います。