ふよぬけの感想

広告でよく出てくる「夫の扶養から抜け出したい」って漫画読んだ。

あとがきからもわかるけど、これは創作漫画。

読みやすくするために、漫画として成り立たせるために、不必要に読者をムカつかせてるわけだ。

あまり良い漫画ではないね。


行間を読んでみる。行間どころか行前?


まず前提として、マネージメント層が夜遅くまで残業するのと、労働者(非マネージメント側)が夜遅くまで残業するのは全く異なるということ。

この違いを理解出来ないお子様精神の家族に対して、優しくできる余裕なんてあるわけがない。

共働きの両親の元で弟(妹だっけ?)の面倒を見ながら育ってきて、仕事では後輩を思いやれる。そんな人間に家族を思いやれないなんてことがあるはずもなく。

じゃあ何故、家ではひどい人間になるか?って言ったら唯一理解されたい人間(家族)に理解してもらえないから。



男性が限界まで追い詰められている状況から漫画がスタートしてるんだよね。

家族の無理解且つ無知故に、現状のまま働き続けるという選択しかできないという地獄から漫画がスタートしてる。

決定権が増えれば増えるほど大変にはなるけど辛くはなくなる。決定権が少なければ少ないほど大変ではないけど辛くなる。偉い立場の人ほど長生きなのはこれなのです。

そして労働者が毎日終電ということは、大変かつ辛いということ。そういう精神状態だということは一切言及されていない。さらに男性自身が、自分の精神が限界に近づいているということに気づいていない。



後半になってモモコ(奥様)が自分で稼ぐ大変さを理解したにも関わらず、「旦那の仕事への無理解が旦那を追い詰めていた」という事がそもそもの始まりということが一切書かれていない。ツトム(旦那)が本来持ってる優しさを発揮出来なくなっている事への理由について全く考慮されていない。

何故そういうことが書かれていないかというと、読者に訴求出来なくなるから。

あくまでエッセイではなく、創作漫画だから。

読者は「ママの求人」というサイトの利用者だから。

ママの求人というサイトに掲載されている創作漫画だから。

共感したママを働かせるのが目的だから。

ママの共感さえ得られればそれでよいから。

共感した読者に自サイトを利用させるのが目的の創作漫画だから。

つまり、立ち位置的にはベネッセのチャレンジ漫画や大成建設のアニメCMと同じ。


チャレンジの漫画に感想書くやつなんていないよね。だからこの感想文も無駄。

厄介なのは、この漫画に意味なんて無いのにホリエモンのせいで話題になってしまったこと。

創作なら創作らしくハッピーエンドさせろ。ボヤボヤした終わり方すんな。


というわけで、良い漫画ではないのだ。

でも読みたかったものがやっと読めて、満足しました。


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