【散文詩】大天使ウリエルの独白
それは、旅の道なかば、気まぐれに降り立った白く瞬く地でのことだった。
深く藍色の夜空に三日月が浮かび、ほのかな灯しが純白の砂丘の上を綺羅綺羅と輝いていた。
冷麗な彼女に、すっかり時を忘れ見惚れていると、背後から生暖かい風がふうと私の頬をかすめ、次に真横をまたふうと何かがかすめていった。咄嗟に振り返ると、遠くに、どんよりとした雲か霧のにじんだ点が、次第にゆっくり形をとってふくらみ、そのうちに、一頭の立派な馬と、馬にまたがった一人の青年の姿となった。
この目は見張ればどこまで