カメラメンテナンスの知識は大事という話
カメラの機能や写真の撮り方は学んできたけど、カメラメンテナンスについては全く知らなかった。いちおう、カメラを拭くためのクロスとブロワーはフルサイズカメラを購入したときにアマゾンで買っておいたのだけど、気が向いたときにプシュプシュするだけだった。念入りなメンテナンスなんて、プロのカメラマンだけがやればいいものだと思い込んでいた。
メンテナンスを知る前と知ったあと
そんな状態だったわたしが、とある企業の機材レンタルサービスでメンテナンスのアルバイトを始めた。カメラ関係の副業をしたいと思っていたときに、ちょうど募集しているのを見つけたのである。
主な業務として、顧客への貸し出し前と返却後のレンズとカメラ本体の状態を確認して、清掃を行う。最初のうちはセンサーに付いたホコリなんて全然分からなかったのだけど、そのうち見つけることができた。
こうして業務でたくさんの機材をメンテナンスするようになってから改めて自分のカメラを見てみると、すごく汚れている。こんなことにすら自分は気づかずに撮影をしていたのか。
カメラの機能を覚えるためにたくさんいろいろなものを撮ってきて、うっすらとカメラの機能はわかるようになってきた。しかし、一番肝心なことを知らなかった。カメラの機能以上に、カメラメンテナンスの知識はもっと大事であるということにようやく気がついた。
自分でメンテナンスをするための道具選び
アルバイト先で使用しているものはプロユースのものが多いので、アマゾンで自宅でも使えそうなものを探してみた。以下の3点があれば十分メンテナンスができる。
ホコリを飛ばすためのブロワー
続いてはブロワー。立てておけるものだと、置いたときにコロコロと転がらないのでおすすめである。サイズは大きなもののほうが風圧もあるので、大きなホコリも飛ばせる。
汚れを落とすためのクリーニングペーパー
レンズの汚れにはシルボン紙というレンズ用クリーニングペーパーにクリーニング液を浸して使用する。ただ、クリーニングペーパーは500枚と多いので使い切れずに持て余してしまうし保管にも困る。そこでおすすめなのが、ウェットタイプのクリーニングティッシュ。個包装になっているので持ち運びにも便利である。何より安い。
ボディの細かい部分の汚れには、先の柔らかい綿棒を使う。
カメラ本体のホコリを払うためのブラシ
カメラ本体にもホコリや砂埃で汚れが溜まるので、ブラシがあると便利である。こういうレンズペンを買って、反対側のブラシを使えば一石二鳥にもなる。
カメラ用のブラシはメイクブラシに非常に似ているので、パウダーブラシかチークブラシで代用もできる。わたしも、使っていないチークブラシを使っている。100円ショップでもメイクブラシが売られているので、探してみるといい。
もっとコシのある毛並みが好みであれば、ペンキブラシで代用もできる。実はアルバイト先にもペンキブラシが置いてあって、わたしは使い勝手が好みなのでこちらを使っている。
1.クリーニング前の準備
カメラをメンテナンスする場所は、細かいホコリや汚れを見やすくするためになるべく明るい場所を選ぶか、デスクライトがあればなお良い。
レンズ交換式カメラであれば、まず最初にレンズを外してフロントキャップとリアキャップを閉めておく。カメラボディにはボディキャップが付属しているので、センサーにゴミが入らないように閉めておく。
レンズつけっぱなし勢にとってボディキャップは馴染みの薄いものなので、どこにしまったのか忘れやすい。買ってから一度も見ていない場合は、まず購入した箱の中を探してみるといい。
2.カメラボディの清掃
スイッチやボタン周り、レンズ周りのくぼみや出っ張りなど、よく見てみると細かいホコリが溜まっていたりする。それを刷毛やブラシでカメラボディの汚れやホコリを落とす。バッテリーや端子のキャップ内もホコリが溜まりやすいので、外してブラシをかけておく。
ファインダー
ファインダーも覗き込んだりした際に、皮脂やメイクなどがアイキャップにくっつく。そういった汚れは、綿棒の先にクリーニングティッシュを巻きつけるか、あれば無水アルコールで浸して拭くと落ちる。アイキャップが外せるカメラであれば、外したほうが清掃しやすいし、意外と装着部分に汚れも溜まっていたりする。
液晶
タッチセンサー付きでなくても、指紋などで画面が汚れやすい。クリーニングペーパーでしっかり落としておく。しっかりと言っても、ごしごし擦るのではなく、優しく拭き上げる方がいい。
マウント内
レンズ交換式カメラで頻繁にレンズ交換していると、マウント内部にもホコリが入る。カメラ本体を上に向けた状態でブロアーを掛けても、舞い上がったホコリがそのまま落下してマウント内に戻るので、必ずボディは下向きにする。その時、ブロアーをマウント内に突っ込みすぎてブロワーの先でセンサーを傷付けないように注意する。
センサーに付着した汚れを見るにはデスクライトなど明るい光源を当てて、角度を変えながら見るとホコリや汚れがぽつんと付いているのが見える。たいがいのホコリはブロアーで何度か吹けば簡単に落ちることのほうが多い。それでも落ちない場合は、諦めてセンサークリーニングに出すことをおすすめする。クリーニングキットもAmazonで購入することができるが、安くあげようと素人がセンサーに触って壊してしまったら、そっちのほうが逆に高く付いてしまう。
ブロワーをかけたあとは、マウント部の銀色部分をクリーニングペーパーで拭き上げる。ここも意外と汚れる部分で、拭いたあとはペーパーが黒ずむ。
マウント部の清掃が終わったら再びボディキャップを装着するのだが、ボディキャップ内にホコリが付着していることもあるので、必ずブロワーでキャップの内側を拭いてから装着する。
2.レンズの清掃
レンズボディ
まずは、レンズボディに付着したホコリや汚れを払う。フォーカスリングやズームリングの溝に沿ってブラシを動かすとホコリが落ちやすい。ズームレンズの場合は、最大に伸ばして筒の部分もしっかり汚れを落とす。
フロントレンズ
ブロワーでホコリを吹き飛ばす。近付けすぎて、ブロワーの先端でレンズを傷付けないように注意。クリーニングティッシュを1センチ幅程度になるよう縦に細長く折りたたんでから横半分に折り、人差し指でペーパーをレンズの中心に当てる。軽く押し当てる強さで中心から外側に向かって円を描くように拭いていく。端っこまで来たら、レンズの外側へ汚れを拭い取るように持ち上げて終わりにする。
リアレンズ
リアレンズは奥まっていて面積が小さいので、フロントレンズよりも手入れがしにくい。ブロアーで吹いても落ちない場合は、フロントレンズよりもさらに細長く折りたたんだクリーニングペーパーで拭き取る。綿棒に巻き付けてもいい。電子接点の部分も汚れているので、銀色の部分と接点の金色部分をクリーニングペーパーで拭き取る。
フード・キャップ
最後に、フードのホコリをブラシで落とし、フロントキャップとリアキャップの内側をブロワーで拭いてホコリを落としてからレンズに装着する。
レンズを守るためにフィルターを装着する
レンズから汚れや傷を守るためのレンズプロテクターというものがある。レンズにねじ込むだけで簡単に装着できるので、万が一のためにレンズプロテクターは装着しておくことをおすすめする。
わたしが働いている会社で、顧客がレンズを落として破損したことがあったのだけど、幸いプロテクターが粉々になっただけでレンズは無事だった。
撥水・防汚コーティングが施されているので手入れも楽だし、傷から守られている安心感もあるので、装着していて損はない。
最後に
大切なパートナーであるカメラを大切に手入れしてあげると、カメラも喜んでいる気がする。きれいにメンテナンスされたカメラで、よきカメラライフを。
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