「まいまいつぶろ」

 「まいまいつぶろ」は、徳川家重(9代将軍)と言う障害を持った人物と、彼の人生を支えた大岡忠光という人物に焦点を当てた物語です。
この書籍は、徳川吉宗の長男である家重が、脳性麻痺と言語障害という障害を抱えながらも、9代将軍としての職務を果たすまでの道のりを描いています。
この物語は、障害を持つ人物が適切なサポートを得ることで、どのようにして困難を乗り越え、重要な役割を果たすことができるかを示す貴重な例です。

 徳川家重は、8代将軍徳川吉宗の長男として生まれましたが、彼の身体と言語の障害は、将軍としての職務を果たす上で大きな障害となりました。
彼の言葉がうまく伝わらず、排尿障害もあったため、彼が通った後にはかたつむりのような跡がついてしまうことから、この物語はその名を「まいまいつぶろ」といいます。
しかし、家重には大岡忠光(大岡越前守忠相の親戚!)という理解者がいました。大岡忠光は家重の言葉を理解し、通訳することで彼の意志を伝える役割を果たし、家重の人生を劇的に変えました。

家重には2人の弟がいましたが、障害を持つ彼を9代将軍に指名したのは、家重が元々持っていた優れた資質と、彼を支える人々の信頼の証と言えます。
家重の長男である10代将軍家治は非常に優秀であったため、家重は安心して将軍職を譲ることができました。

この物語は、障害がある人物でも、適切なサポートがあれば、重要な職務を果たし、社会に貢献することが可能であることを強調しています。
家重が障害を抱えながらも多くの経済政策を行ったのは、大岡忠光や田沼意次といった人物のサポートがあったからこそです。

この書籍を読むことで、読者は障害に対する理解を深め、障害を持つ人々が直面する課題や、彼らを支える社会の役割について考える機会を得ると思います。
「まいまいつぶろ」は、障害があっても、適切なサポートと理解があれば、どんな困難も乗り越えることができるという希望のメッセージを伝えていると言えます。
徳川家重と大岡忠光の物語は、障害を持つ人々の可能性を信じ、彼らを支えることの重要性を再認識させる、心に響く一冊です。

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