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タナカー的田中圭くん「役柄」レビュー~mellow(2020年1月公開映画)

今作の圭くんは、お洒落なお花屋さん💐を営む夏目誠一くんを演じてます。

個人的に、この映画を表現するのに使われてるキャッチフレーズの中では、
「不器用な片想いたちの物語」というのが一番しっくりくる感じかな。
「恋愛群像エンターテインメント」というのとは、ちょっと違うかも…?
確かにくすっと笑える楽しいところもあるんだけど、騒がしい感じがしない、いい意味でとても落ち着いた感じの映画です。

主人公の夏目くんは、この「mellow」の世界を象徴するような存在。
ふんわりと柔らかで、もの静かで、でもどこか謎めいていて、ただの良い人ってわけでもなさそうで。

一見普通の人のようで、絶対に現実社会にはいない人。

私は俳優・田中圭のそういう部分が大好きなので、今泉監督が彼からその雰囲気を感じ取って夏目誠一という人物を作り上げてくれたのが、本当に嬉しいなぁ。

こういう柔らかい感じの圭くんは、心で感じるのが一番。
普段はいろいろ考察せずにはいられない私ですが、この作品に関しては、ただただこの世界に浸ってるのが心地よいな~といつも思ってます。


ただ、静かなシーンも多く、夏目くんの過去もあまり語られないこの作品は、観客側にも、想像力とか感受性がけっこう求められるかも。

この「静けさ」から何かを読み取れるかどうかが、この世界に「浸れる」かどうかのカギかもしれません。

でも浸ってしまう事ができれば、こんなに幸せで気持ちいい空間はないので、映画館に行くのがすごく楽しみだった作品です😊


ゲイリー芦屋さんのピアノテーマも、この世界観に優しく美しく寄り添ってくれていて、すごく素敵でした。


姪っ子と話すとき。
お客さんでもある女子高生たちと話すとき。
憧れてる美人のラーメン屋店主と話すとき。
そのどれもちょっとずつ雰囲気が違ってて、でもどれもとても魅力的な夏目くん。

個人的には、ラーメンを作ってもらっているときの、子供のような好奇心を含んだ優しいまなざしがすごく印象的でした。


休日、ちょっといい気分になりたいときに。

日々の、小さな幸せを感じたいときに。


ラストの夏目くんの笑顔と、黙々と花と対峙するエンディングが、心をゆっくりと満たして温めてくれる作品だな~と感じています😊

〈追記・製品版特典DVD〉
舞台挨拶とメイキングが収録されてます。

インタビューでは、一人の父親としての素顔を垣間見られます。玉季ちゃんとじゃれてる姿は、まぎれもなくお父さん😊

夏目くんの穏やかさとか優しさは、圭くん自身の持つ父性からきてるんだろうなぁ、幸せなご家庭なんだろうなぁって事が伝わってきて、なんだかしみじみ嬉しくなります。
全部で30分強のメイキングには、撮影現場の温かい空気もたくさん詰まっているので、この映画の世界観が好きな人みんなにぜひ見て欲しいです。


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