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プールサイドで

深いところに閉じ込められた本当の感情は、きっと解放されるのを待っている。

ちゃんと感じてもらうのを、じーーっと待っているんだろう。

そのときがきたら私は

どうしようもない私の中の小さな子どもを、感情のプールの中で自由に泳がせて

プールサイドで見守る。

くっついていったら一緒に溺れてしまうから。

とびこみたいところを、ぐっとこらえてプールサイドにいる。

かわりに、いま何を感じているか、身体に耳を傾ける。


ああ、思った通りにならなかったんだね。

本当はこうしたかったんだね。

あなたにとってそれが大切なことなんだね。


瞬時瞬時に、プールに足が伸びそうになるのを感じては、戻る。


愛でいられなくて悲しいんだね。

自分を責めているんだね。

理想があるんだね。

完璧にしたいんだね。


小さな私は獣のよう、プールの水はあふれ、うねる。

すごいエネルギー。

小さな私の最初の爆発にはたじろぐけれど、そうこうしてると辺りはしずかになり

その子は水の上でラッコみたいにぷかぷか浮かんでる。

なんなら、浮き輪つけてる。

そして、ぱちゃぱちゃ泳いでプールサイドに戻ってくる。


この子には力がある。

ひとつひとつ、階段をのぼっていける。

成長していける。

力を奪っていたのは私。

信頼して手をはなさなければならない。

そして、おとなの私が適切な位置にいて、身体を感じ、彼女の本当の感情に心を傾けるとき

彼女はありのままの自分を認められたと感じるのかもしれない。


嵐が去ったら、おひさまが顔を出す。

さっき近くをゲリラ豪雨が過ぎていった。

薄くなった雲と、雲の向こうのおひさまを見上げて思う。

感情は待ってる。感じてもらい、癒されるのを待っている。

待ちきれなくて、来てくれる

時が来たら、来てくれる

時に長雨のように、台風のように、ゲリラ豪雨のように。

受け入れて、見つめてみよう。

必ず太陽はいる。

必ず青い空はある。


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