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新しい潮流

桜も夕陽も二兎を獲る...つい損得勘定が口に出るのが、いわゆる高度経済成長期生まれのわたし(昭和世代)のセコイところ。しかし、逆に根無草のスピとまちがわれないためにもこのアンカーが幸いしていたのかも知れないとも思う。
朝日、夕陽に思わず声を失い、何も語らなくても、あるいは、言葉の通じない海外の方とでも無言で共通認識できるのは、人類の深層意識の根底にわたしたちを成り立たせている損得勘定の源ー大脳前頭葉を超えたより深い真相(深層)があることを告げている。ひとによっては、内在する神と呼んだりするのかも知れないが、それは、まだ、人格的な印象があるから、真相(深層)とはいえない。ま、中間くらい。もっとずっと深い広い時間も空間もまったく関係ない、しまいには認識さえできない不可視の静寂に行き着くらしいから、途中のワンネスなんて次元で留まっていてはいけない。いけないって、ラマナマハリシが仰るのは当然だが、わたしが他人様にとやかく申す立場ではないね…

この手の話をする時、左脳をちゃんと使えないヒト(特に女子)が多い。
ひっそり生きているだけならいいが、こーいうヒト、わりと周りをわーわー騒いで振り回したり、無自覚にYouTubeでミスリードしてみたりして、コイツもかよ!と一瞬しかめっつらになりかけて、いや、かんけーねぇと改める。
岡潔先生は、「世間は、側頭葉(左右)の脳を右脳左脳とかいっているが、単なる演算脳であってわたしたちの本体の意識とはなんら関係ない」と明言なさっている。しかし、人間関係を円滑に生きるためにも意思疎通は欠かせないから、ちゃんと伝えることは大切で、損得勘定(大脳)、言語化(側頭葉左)が機能しなければ、何がなんだか意味がわからないし、他人に状況を伝えることができないから、やたらわーわー、いうしかなくなる。ご苦労様だが、くたびれ儲けだよ(ほら、また損得勘定)。生まれてこの方、いびつな資本主義社会に生かされてきたから、植えつけられた「時は金なり」を筆頭にした物欲を鼓舞する魔法の言葉に扇動されてしまう。もう、その手には乗らないんだよ!

何も極めていない身でいうのもなんだが、物理でも数学でも考察や研究を極め尽くすと自ずと神(根源の意識性)に辿り着く。アインシュタイン博士然り、湯川秀樹先生然り…岡潔先生は物理の湯川・数学の岡と並び称された天才だったから、当然の帰結として、その宇宙を統べる根源意識(第14織)を説いてくださった。もちろん、神といっても人格のない、スピノザ先生のいう汎神論に似たもの。ヒトは、己の育った環境や時代背景で形成された概念の世界で生きているから悟りすら限定的な言語感から逃れることはできない。お釈迦さまやイエス様でも、身に沁みて実感したことを言葉に表すとそうなる。だがら、本人がしたためた書がないのかも知れない。
難解、理解不能、岡は気がふれたと、最晩年に言論界から抹殺されて50年が過ぎた今、対談集が復刻出版される時代がきた。昨年、未出版の講義録からこの部分のいったんを読み上げ解釈付き配信してみた。大それたことをしたもんだ。

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