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いちばん寒い季節に

ここのところ出張続き…誕生日🎂は東京、去年はたしか大阪だったなぁ、と、早朝風呂でほっこりしつつ、「あなたが生まれたのは寒い寒いつららの下がる朝で」と、亡母の言葉を何万回も聞いた気がする。もう、この歳になると、誕生日は静かにじわっと感謝する日な気がするね。ケーキくらい食べてもいいが、待ちに待ったというのでもなし…
きのう、出張先で、「まだ、時間に余裕があるから富士山を見に行きましょうか」と、思いがけず以前から行ってみたかった忍野八海へ。しかし、春節連休と重なったらしく、ひとひとひとで埋め尽くされていて、情緒のカケラもない、とんでもないありさまになっていた。こうなると、どんなにすばらしい光景ももはや成り立たない。とりあえず、行ったことありますにしかならない気がする、誠に残念しごくとはこのこと。ニュースによれば、白川郷も八甲田ロープウェイも同様らしい。来るな!とはいえないが土足で踏み込まれた感は否めない。うれしいのは、やきもちやみやげものの店主くらいだろう。たこ焼き屋台に何故か長蛇の列が出来ていて、さては、誰かが「訪日の際はぜひ食すべき」と拡散したのだろうか?

節分を境に立春となり、指折り5つ数えると誕生日、あと何回続くだろう?「9」は極みの数で、陰は反転して陽になる。だから、だんだんと春になる。奇数が陰、偶数が陽、世の中は反対に数えるひとが、多いがまちがいはまちがい。明治維新以降、わたしたちは、ほんとうのことを忘れ去って、日本人の皮を着たキャラクターのぬいぐるみになってしまっている。そんなことだから、海外から土足で踏み込まれてもイヤといえない。京都の老舗が一見さんお断りなのとは正反対に、インバウンドなんていい訳をして、お金に振り回されるのだから始末が悪い。観光客くらいなら被害は限定的かも知れないが、土地や水源を買われても平気でいるなんておかしい。京都の地元のひとは、祇園祭の日には一歩も通りを歩かないと聞く。そんな騒ぎは自分の日常をかき乱すものに過ぎないからだろう。バスの混雑がひどく、地元のひとを積み残すこともあるらしいから被害といっていい。たまになら許せるが、日本一の観光都市ではそうもいかない。

いちばん寒いこの時期の楽しみが、立春朝搾りの新酒。丹精込めた米をつかい、デリケートな(日本固有の)麹菌をていねいに育て発酵させた芳醇な香り漂う吟醸酒を搾る、といっても現場を見たことはなくて、せいぜい蔵開きでその雰囲気を味わい知るくらい。まちがっても、やつらに土足で踏み込まれたくない。最後の砦のようなものかも知れない。
海外では、国産のウィスキーが高値となり国内でも高騰しているし、日本酒のアワードなども行われるようになった。それをよろこぶひともいるかも知れないが、わたしはNo thank you…もう一度鎖国して欲しいくらい。
誕生日だからいいたいことをいう。今年もこの姿勢。つららの下がる寒き日生まれだから、負けない😎

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