文字だけの、見えない君を探してる。 第九夜 鋤柄手法
火曜日がやって来た。
かなえの足は、あの店に向いていた。
鋤柄さんの件で舞い上がっていたが、わたしには鋤園さんの件があった。
暗闇の中に、明かりがついた一軒の店が見えてくる。
店の戸には、のれんがかけられており、そこには『ことだま』とある。
奇妙なラーメン屋は、今日も同じ場所に存在していた。
かなえは、店の戸を開けた。
数人の男性客が黙々とラーメンを食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。
店内には一台のテレビがあり、テレビの横に