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「アイ・キャッチャー」は「公的広報」に不適切か?

はじめまして、櫻葉 宇(さくらば・そら)です。
このnoteでは、表現の自由に関することだったり、そうじゃなかったりすることに対してつらつらと自分の意見を書いていこうと思います。できるだけ主観的な文章ではなくソースを添えた客観的な文章にしたいと思ってはいますが、あくまでも独り言ということでここは一つご容赦を(もちろん異論反論正論暴論は受け付けます)

背後関係

戸定梨香さんという松戸市のご当地VTuberと松戸警察がコラボして、交通安全の啓発動画を作った

全国フェミニスト議員連盟(以降:フェミニスト議連)が松戸警察に対して「抗議・ならびに公開質問状」を送る

議員による表現弾圧だとして表現の自由派が署名を立ち上げ、2万人超の署名をフェミニスト議連に提出

こんなものでしょうかね
そして、案の定Twitter上ではフェミニストと表現の自由派の不毛なレスバトルが展開されることとなりました。
その中でも、私の目に入った議題は大きく分けて以下の4つです。

①「内閣府が出している手引に反して、女性をアイ・キャッチャーにしているので広報として不適切ではないか」
②「公的機関とのコラボで胸を揺らす必要がどこにあるのか。また、スカートの短い破廉恥な衣装を着る意味もないではないか」
③「撤回を決めたのは警察なのだから君たちが抗議すべきは警察ではないのか」
④「質問状を送っただけで抗議する表現の自由戦士のほうが表現の自由を侵害していないか」

どれもなかなかになかなかですが(主観ポイント)、今回は①、「内閣府が出している手引に反して、女性をアイ・キャッチャーにしているので広報として不適切ではないか」という議題について触れていこうと思います。

「内閣府が出している手引」とは

「内閣府が出している手引」というのは、「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」のことです。これを参考に全国自治体でガイドラインが作成されいるのですが、今回は松戸市と同じ千葉県にある茂原市の「男女共同参画の視点からの表現ガイドライン」を引用させて頂きます。これは、残念ながら松戸市のガイドラインが見当たらなかったこと、作成日時が令和2年と新しく、より時代に即していると判断したことによるものです。
また、この手引はすでに取り下げられているという言説もありますが、それはデマです。だって、令和2年にこれを参考にしたガイドラインが出ているんだから…

「アイ・キャッチャー」は公的広報に不適切か?

このガイドラインには、

女性をむやみに“アイキャッチャー”にしていませんか?

"アイキャッチャー”とは、広告に注目させるための視覚的要素のことを言います。パンフレットやポスターを作成するとき、人の目を引くために安易に女性を起用していませんか?
女性は飾り物ではありません。
個人の人格と能力を軽視した扱いは避けましょう。

とあります。

確かに、今回松戸警察とコラボした戸定梨香さんは広告に注目させるための視覚的要素、アイ・キャッチャーとしての働きをしているように思えます。
「女性は飾り物ではありません」とキッパリ書かれているのですから、安易に女性を起用すること──アイ・キャッチャーとすることは男女共同参画社会にとってあまりよろしくないことのようです。
しかしながら、これを安直に、単純に女性蔑視で結んでしまっていいのでしょうか?ガイドラインの続きにはこうあります。

内容と無関係な用い方をすると、本来の伝えたい内容が不明確になってしまいます。「誰に何を伝えたいのか」という原点に立ち戻り、そこに女性を起用する必然性があるか、内容との整合性において説明可能な根拠や相当な理由を熟考し、伝えたい内容がより効果的に伝わる表現を考えましょう。

つまり、女性を起用する必然性があり、内容との整合性に根拠があるのならば女性を起用しても問題はない、ということになりますね。アイ・キャッチャーそのものが悪なのではなく、客寄せパンダのように意味なく女性を起用することが問題なのです。確かに、下の画像は内容との整合性に根拠が全く無いので不適切と言えそうです。

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さて、VTuberと警察のコラボの前例としては「山梨県警とSDGs伝道師ノアさんのコラボ」が挙げられます。この記事において、「Vチューバーの発信力を生かし、若者ら幅広い世代に交通安全について考えてほしい」と話しています。また、ノアさん側にも「SDGsの目標の一つである『道路交通事故の半減』への貢献」というメリットがあります。これは女性、というかノアさんを起用する正当な理由になっていますよね?

これと同様に、今回のケースにおいても、「松戸のご当地VTuberの発信力を生かして、幅広い世代に交通安全の啓発をする」という戸定梨香さんを起用するにあたる正当な理由があります。ですから、女性を起用する必然性があり、内容との整合性に根拠があるので戸定梨香さんを起用することに何ら問題はないということになります。
よって、この件は内閣府の手引に反するとはいえず、広報として不適切なものではないと言えます。

また、あくまでもこのガイドは「より良い表現を考える手掛かりを提供するもの」であって「これの通りになっていないものを叩いていい免罪符」ではありませんので、その辺りもきちんと抑えておく必要があると思います。


さいごに

脈絡なく読みづらい文章をつらつら書いて申し訳ないなぁと感じています、まぁ誰が読むわけでもないですし、特に炎上しそうな発言もしていないから問題ないとは思うのですが…
私が心配なのは最初に挙げた論点の要約が恣意的でないか、ということだけですね…そこに関しての追記・修正の要請なども受け付けておりますので納得が行かないというかたは是非…

それでは!

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