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20210207 今日のミュージック・アルバム ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」 朝比奈隆指揮 NHK交響楽団

年末といえば、第9。
そんな風習がずっと当たり前の光景なんだろうけど、去年はどうだったんだろう?

生のオーケストラで第九を聞きに行ったことがあるのは、実はたった1度しかない。
それも、もう10年近く前か。

そんなにクラシックに詳しいというわけではない。
一時期、大阪フィルの定期演奏会に一年の間に3回くらい通うのを数年続けていたこともあったけど、それもここ10年くらいは遠ざかってしまっている。

大阪フィルといえば、クラシックにそんなに詳しくない自分でも、朝比奈隆を思い出す。
戦後大阪のクラシック音楽文化を育てて来た人ということくらいもわかる。
最後のベートーヴェン・チクルスは行きたかったけれど、全くチケットが手に入らなかった。
これは、CDを手に入れることで聞けたのだけれど、やっぱり生で聞きたかったなぁというのが正直なところ。

そんな朝比奈隆の指揮のもので、年末でもないのに第九を演奏したのがあるらしいと知ったのは、これもまた15年くらい前か。
NHK交響楽団の定期演奏会で指揮を振ったもの。
そのCDを手に入れることができた。
このCDも手に入れて10年以上になるはず。

実は、この演奏会の放送は見たことがある。
そして、結構衝撃を受けた覚えがある。
というのも、当時第九といえば実家にあったカラヤン指揮のレコードがあり、それを聴いたことがあったのだけど、それとはまるで別の曲というような印象があった。
まだ、その当時は指揮者によって解釈が違ったり演奏が違ったりするなんていうことを知らなかった。
まさに、その典型的な例がカラヤンと朝比奈隆という対比だったのかもしれない。
当時の我が家のテレビといえば、ガチャガチャと回すチャンネルのタイプでステレオではなく、モノラル音声のテレビだった。
しかし、なんだか「この演奏はすごいぞ!!」というのだけは伝わってきた。

そして、大人になり、再びこの第九に出会った。
オーディオ機器もモノラルのテレビ音声とは比べものにならない程度のものは揃えられている。
この演奏を聴いて、涙があふれ出る感じは初めて聴いたときも今も変わらない。
なぜか、感動して胸が熱くなる。

そんなにクラシックに詳しくない自分が、このCDのことをどうこういうのはおかしい。
ただ、とても良い音楽に触れていることだけは確信が持てるような気がする。

当時、この演奏会に行けた人はさぞかし幸せだろうなと思わずにはいられない。

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