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IUT理論(宇宙際タイヒミューラー理論)を眺め、人間の心の問題の解決に応する。

 2020年4月、京都大学の望月新一教授による数学界の超難問「ABC予想」を証明した論文の検証が終わりました。

ABC予想を証明した、IUT理論(宇宙際タイヒミューラー理論)とはどれだけすごいか!?

ABC予想は、1、2、3…と無限に続く整数の足し算とかけ算という数学の根本についての問いだそうです。証明されれば数々の未解決問題の解決につながるため、数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞級の成果と言われています。

 これは「ノーベル賞5個分」「人類初、数百年に1度の偉業」にも相当する偉業と評価され、ニュースは世界中を駆け巡りました。

現在も未解決で、数学史上最も重要といわれている「リーマン予想」を解決にみちびく突破口になる可能性もあるといわれています。

その「リーマン予想」とは

「リーマン予想が証明できれば、われわれ人類にとって一つの時代が終わり、新たな時代が始まることを意味します。それは人類の知性の最高到達点となるでしょう。」とも評されています。

予想が立てられ162年経ちますが、いまだに証明されていません。

リーマン予想に取り組んだ結果、自殺者や精神を病んでしまう天才数学者がいるなど、数学界最大の難問と恐れられています。

素数は「数の原子」とも呼ばれ、数学の世界の最も基本的な数“素数”の規則を解明するための最大の鍵とされている「リーマン予想」。

予想の土台を築いた天才数学者・オイラーは「素数列に潜むであろう規則性を探る数学者の努力は空しく、この問題は人類には到達しえない謎のように思われる」と語ります。

素数の振る舞いは実に不規則で、それを利用してクレジットカード情報や機密データの保護に「暗号」として使われています。

一説には、このリーマン予想は既に解かれているが、「解答を世に出すと、社会システムが混沌とし、崩壊するので一部の人々がその知識を牛耳っている」という都市伝説もあるほどです。

リーマン予想は、「創造主の暗号」とも言われる素数の謎と言われています。

ちなみに、リーマン予想に関するこのドキュメンタリーはとっても面白かったのでお勧めです。

ABC予想を証明し、かつ「創造主の暗号」でもあり新時代の扉でもあるリーマン予想を解決する可能性を秘めた、IUT理論(宇宙際タイヒミューラー理論)とはいったいどのような理論なのでしょうか!?

IUT理論(宇宙際タイヒミューラー理論)

この理論を理解している数学者は世界で50人程度で、かつABC予想の解決を理解できている人は10人に満たないといわれているので、僕に分かるわけがありません。

ABC予想はなぜ、重要な未解決問題とされてきたのか

「これは数について、非常に根本的な性質を暴き出す予想だ。整数や素数についての深い問題を突き詰めると、足し算と掛け算の関係に行きつく。そういう非常に根本的なところにABC予想があるので、証明には波及効果があるし、破壊力もある。その意味で今回の証明は、とてつもない進展だ(加藤文元教授のインタビューより)」

しかし、望月教授と親交を深め、IUT理論が創られる過程をそばで見守り、構築に貢献した人物、加藤文元教授の著書と講義があれば、IUT理論の表面的な、何となくの理解はできる感じがします。

「この理論は、既存の数学の言葉で書くことができるが、発想としては非常に斬新なもの。特に望月さんが『舞台』と呼ぶ、数学一式ができる世界を複数考えるという、その発想に新しさがある。その世界と世界を完全に共有できない形で行き来することにより、今までになかった柔軟性を導ける。ABC予想も、一つの数学の世界だけで考えると証明が非常に難しかった。この発想は、望月さん以前のいかなる人類もしなかったと思う。われわれが気づかなかったような未知の方法、発想によって全く新しい数学のやり方を創造した。数百年に一度の偉業と言ってよく、ノーベル賞何個分にも相当するだろう(加藤文元教授のインタビューより)」

以下が加藤教授による著作と、解説動画になります。

今回は、この本と動画から見えてきたIUT理論と、その応用について考えてみたいと思います。

「宇宙際」とは

IUT理論(宇宙際タイヒミューラー理論)での「宇宙際」とは、望月教授が『舞台』と呼ぶ、数学一式ができる世界を複数考えます。

 この場合扱われている「宇宙」とは、夜空に浮かぶ、太陽、月、星座、銀河・・・というような宇宙ではありません。

この場合の宇宙は、数学世界の宇宙を表しています。

数学の問題を解くことと、パズルの問題

「数学の問題を解くこと」について、加藤教授はパズルの問題を解くことになぞらえて解説しています。

学校で教わる数学は、完成図のあるパズルであるのに対し、

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研究における数学は、完成図のないパズルを解くようなものであると、加藤教授は言います。

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ABC予想も、解答は誰も解いたことがないので、完成図のないパズルです。

そこで、数学のパズルのピースをはめていく作業の中で、

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上記のような、どう考えても既存のパズルのピースだけでは完成できないという状況があったとします。

その時に、既存のパズルピースから、正解を探そうとするのが既存の数学の手法と言えます。

そうではなく、異なる場(宇宙)からのパズルのピースをも解答の候補として考えます。

パズルの例えから考えると、異なる場(宇宙)からのピースとは、他の種類のパズルを見たり、形の合いそうなものをTVや映画、書籍からでも何でも見るけてくるような、そんな一見子どもがやりそうや手法のようにも見受けられます。

一見、ずるいのではないか?!と思った方。最初僕もそう感じました・・・。

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宇宙際タイヒミューラー理論とは、数学宇宙Aで解けなかった問題、例えば「ABC予想」という問題について、数学宇宙Bという別の舞台を用いて、問題を解こうということです。

ここで、「際」という言葉は「国際」の「際」と同じです。

 例を上げれば、アメリカと日本の交換留学を行うことで互いの国々が交流し、次世代の成長、能力を目指し、ひいては世界の文化の発展、問題の解決につながる・・・というようなものと同じということです。

様々な国々の交流をとして、情報を通信(交換)し、問題を解く(文化や社会の発展に寄与する)というような感じです。

なので、様々な数学宇宙間の交流をとおして、問題を解こう、というイメージですかね。

宇宙A、B、C、D、E・・・と数学宇宙の舞台はいくらでも想定できます。
このことを、上記の動画内で、加藤教授は以下の「女優の例」で示しています。

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舞台が異なっても、本質的には同じ女優がそれぞれの舞台で演じることが出来ます。

舞台A(宇宙A)で起きた問題を、舞台B(宇宙B)の世界から解答を想定します。

しかし舞台(宇宙)が異なるので、舞台(宇宙)Aの問題の解答は、舞台(宇宙)Bの解答に似ていて、当てはまりそうですが、実際は世界が異なるので当てはまることはありません(下図参照)。

形は似通っていても、色や大きさ、ちょっとした角度など微妙に違う、という問題が生まれます。

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そうなると、

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このような状況でパズルのピースをはめようとすると、「歪み」が生じてしまいます。

そのため、

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舞台(宇宙)Aと舞台(宇宙)Bとの間で、通信(計算)をしながら、舞台(宇宙)Aの問題に対して適切な解答となるべく、舞台(宇宙)Bの解答を調整(計算)していく作業が「対象性通信」のことだと、言っているように僕はざっくり考えてます。

上図のqnB≃qAの表示は、「左辺のqと右辺のqの値が、殆ど近似値である」というようなニュアンスだと考えます。

そうすることで、

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舞台(宇宙)Aでははまらなかったピースが別の舞台B(宇宙)でははまることが出来るということになります。

上記の画像は、現実世界でのパズルのピースは、TV画面という個となる次元のピースには適合するので、大枠での「パズルのピースを当てはめる」という課題が達成できていることを表しています。

IUT(宇宙際タイヒミューラー理論)は、なぞなぞの問題の解き方と似通っている

この本と動画を見て、驚いたと同時に、この問題の解き方は、なぞなぞの解き方と同じように感じました(素人僕が言っても説得力は皆無なのですが。。。)

例えば、なぞなぞで、「カラスと牛と、羊を合わせた動物って何?」という問題があったとします。

この問題が生じた宇宙を舞台Aとします。

舞台A(現実的な3次元世界)でこの問題の解答を探そうとすると、遺伝子操作や、未発見の生物を物理的に探すことになります。遺伝子操作や地球上の未発見の生物を見つけるのには、可能性は全くないとは言い切れませんが、倫理的な問題や、物理的な制約などで困難そうです。

しかし、

舞台Bを用意すること。つまり次は「音声認識」という舞台に目を向けると、「カラスの鳴き声『カー』、牛の鳴き声『モー』、羊の鳴き声『メ―』 という「か」「も」「め」の音を続けて読むことで『カモメ』という動物が浮かび上がります。

この場合、設問にある「3つの動物を合わせた動物を求めよ」という条件を満たしており、

結果として、このなぞなぞの問題はクリアしています。

舞台Aの次元(現実の動物世界での探索)ではなく、舞台B(音声認識という次元の舞台)をもちいて解答しました。

「問題が出来た次元では問題を解決することはできない」

このことで、アインシュタインの言葉の、

「問題が出来た次元では問題を解決することはできない」というセリフを思い出しました。

このことを現在社会でなかなか解決できない「いじめ」「虐待」という問題にかけて、過去記事にアップしているので、よろしければ見てあげてください。

宇宙は方程式

ある数学者は、世界や宇宙は数学であり、数式で記述できるといいます。

宇宙が数学で記述できるならば、私達人間も何らかの数学で記述可能ということになります。

現代ではこのことが殆ど立証可能なので、AIが進化を続けた先のシンギュラリティ問題を懸念する学者がいるわけです。

つまり私たちが日々抱えている、経済、人間関係、健康、生きがい、といった問題についても数式で表現でき、かつ数式で回答が出来るということを指し示してもいます。

IUT(宇宙際タイヒミューラー理論)は人間が普段から何気にいつも使っている。

実は、人間は無意識にIUT理論を子どもの時から用いて、様々な問題と課題を説いてきていると感じます。

例えば、

何か人間関係や、自身の人生の目的で問題を抱えていたときに本や映画、音楽といったものから大きなヒントやインスピレーションを得て、問題を解決したりピンチを脱したりということは、誰にでもあるのではないでしょうか!?

その媒体は、本や映画、音楽、自然の中など様々です。

大前提として、宇宙は数学であり方程式であるならば、人間の抱える問題も数式で表現可能です。そして、本、映画、音楽、自然と触れ合う(通信する)ことで、気分が良くなった、ヒントが得られた、問題が解決したということは、

数学宇宙(映画)、数学宇宙(本)、数学宇宙(音楽)、数学宇宙(自然)

という「宇宙際」の中に解答があったということになります。

これが、「自分が悩んでいた時にこの本の中に解決策が見つかった」、「この映画は人生の岐路に役立った」、「この音楽は自分が悩んで問題を抱えている時に、解決策に導いた・・・」

という現象として観察されます。

「対称性通信」について

「対称性通信」とは、「似通った構造をしているもの同士はつながっていて、通信しあう」ことを指す言葉といいます。

私という人間も、本も映画も音楽も、抽象度の高い本質的な次元で言えば、人間という生命現象から生み出されたある一定のアルゴリズムを持つ数学方程式で記述できます。

以下は、「私」という宇宙の中に生じた問題を、音楽宇宙、本宇宙、映画宇宙で「対称性通信」して解決する図です。

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他の例としては、飛行機を作る際に、自然界にある鳥の羽の構造に解答を見出すなど、様々です。

数学宇宙の中では、それぞれの宇宙が問題と解答で、実は通信し合い、私たちは直観的に、問題や課題を説いてきた、ということが言えます。

人間の悩みの解答

ある人宇宙のの悩みの解答が、他の人の宇宙に存在することはよくあることです。

問題や課題をチームで解決するときに、それらの問題と課題同士が通信しあい、相性が良ければ解決の道に進みます。

この対称性通信を「波動共鳴」として理解することもできます。

何となくその場のフィーリング、直観で共鳴しあい、とんとん拍子に良い結果に導けたという現象がそれです。

人の悩みと言っても、カテゴリ―分けすると、経済、人間関係、健康、生きがい(スピリチュアリティ)などの項目しかなく、

それらの項目の解決策をまとめたものが自伝、伝記や哲学、学術書、などに蓄積されているということが表現できます。そして最もその歴史が深いのが、宗教やスピリチュアリティの分野でしょう。

人間が繰り返し抱いてきた問題の解決パターンにも規則性があるために、

宗教とスピリチュアルの本質的なメッセージが似てしまうのはこのような理由からだと考えらえれます。

すなわち、「自己肯定感を高めよ」、「利他的」であれ、というメッセージはいつの時代も同様に言葉の表現は違えど、繰り返し言い伝えられているということは、多くの問題解決において、これらの要素は必要な項目なのではなかろうかと推測できます。

こうしてこまごま考えずとも、直観でよいか悪いかは分かりそうなものですが。

人間は無意識に通信している生き物

なにも顕在意識で捉えられるものが、その人が抱えている問題の全てではありません。

人間の神経系、うtまり無意識の情報の方が、数万倍、顕在意識よりも情報処理量が多いわけです。

食事や空気、その場の雰囲気や無意識に入ってくる様々な情報群と、無意識に私たちは常に通信を続けています。

つまり、私たちは、どんな場と人と通信しているのか、ということはとても大切なことであると言えます。









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