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権力が人の心を壊す「袴田事件」

「重要な証拠が捜査機関によってねつ造された疑いがある」

「これ以上拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」

48年の拘禁生活から解き放たれた時、袴田巖さんの表情に喜びは見えない、いや、表情がないといった方がいい。突然の釈放に戸惑っているのか、それとも拘禁症による精神へのダメージによるものなのか・・・。肉体は解放されても、精神は縛られ、感情は固く閉ざされたままなのだ。


袴田事件とは

死刑が確定し、再審請求中の袴田巌さんの一審静岡地裁判決で、無罪との心証を持ちながら死刑判決を書いたと後に告白した元裁判官熊本典道氏。元担当判事として袴田巌さんの無実を訴え、再審を求める陳述書を最高裁に提出したのです。裁判所法第75条には「評議の秘密」が規定されている。裁判官の裁判に関する評議の経過、各裁判官の意見、多少の数などは秘密として公にしてはならないという条文です。熊本氏はこの規定を犯して異例の告白をしたのです。


死刑判決が確定した袴田巌さんの再審=裁判のやり直しを認めた決定について、東京高検が特別抗告する方向で検討している。特別抗告した場合は最高裁が改めて再審開始の可否を判断することになり、審理が長期化することになる。袴田さんは現在、87歳である。国は「無罪判決」を先延ばしし、彼の死を待っているとしか思えない。特別抗告の期限は3月20日。検察は袴田事件の特別抗告を断念し、再審を即刻開始してほしい。

さて、私も冤罪ながら死刑囚
全身にしみわたって来る悲しみにたえつつ生きなければならない
そして死刑執行という未知のものに対するはてしない恐怖が
私心をたとえようもなく冷たくする時がある
そして全身が木枯らしにおそわれたように身をふるわせるのである
自分の五感さえ信じられないほどの恐ろしい瞬間があるのだ

しかし、私は勝つのだ
袴田巌

日々観た映画の感想を綴っております。お勧めの作品のみ紹介していこうと思っております。