メディア王 ～華麗なる一族～

あらすじ：ローガン・ロイは巨大メディア企業ウェイスター・ロイコのCEO。80歳を迎えるロイは次男のケンダルに後継者の座を譲ろうと考えていたが、80歳の誕生日に倒れて入院する。退院後ローガンはCEOを退くのを辞め仕事に復帰することになるが、次期CEOになるはずだったケンダルは激怒し、ローガンをCEOから引きずり降ろそうとクーデターを起こす計画を立てる。

今作品はシェークスピアの悲劇『リア王』の世界観溢れる傑作である。黒澤明監督の『乱』は、『リア王』と毛利元就の「三子教訓状」を元にした作品であった。『メディア王』も『乱』と同じ構成で『リア王』と世界的なメディア王として知られるルパート・マードックの一族を元にしている。強権的な父親と、正当な愛を得ることができなかった子供たちの物語としてシェイクスピア劇のような奥行きを見せているため、後継者争いにとどまらず、大変骨太で洗練された傑作に仕上がっている。このドラマにはテーマソングが所々で使用されているのだが、この音楽の相乗効果で物語の質をあげている。