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「青空よりも俺は陽菜がいい」

この台詞には愛が詰まっている。天気が狂おうが、そんなことは知ったこっちゃない。君を救うことができれば、他は何だっていい。これ以上の愛があるだろうか、と映画を見るたびに涙する。

新海誠監督の映画『天気の子』のあるシーンで、主人公の男の子(帆高)から女の子(陽菜)に向けて放たれる台詞。『天気の子』で描かれる愛の形が、私は一番好きである。

新海誠監督の映画作品は『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』の3作品だが、そのどれもが“好きな人”と“災害”を天秤にかけている。『君の名は。』は、“災害“を防ぐことはできなかったが“好きな人”とその他大勢の命を救った。『天気の子』は、“災害”を防ぐことよりも“好きな人”を救うことを選んだ。そして『すずめの戸締まり』では、一度“好きな人”を犠牲にするも最終的には“災害”を防ぎ“好きな人”も救った。どの作品も愛が溢れていて素敵な作品だと思う。けれど、私が一番胸打たれたのは『天気の子』であった。

少し大袈裟な言い方かもしれないが、“世界よりも君がいい”という愛の形が本当に綺麗だと思った。主人公の帆高は高校生、陽菜はまだ中学生である。もう思春期真っ只中なはずである。にもかかわらず、彼らの想いは純粋で、まっすぐで、儚くて、綺麗で。なんて素敵なのだろう。何が良いって、帆高(男の子)が陽菜(女の子)に対して一生懸命でまっすぐなところ。帆高が「神様、お願いです。これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください」と神様に祈るところ。そして、終盤のシーンで帆高は自分が一番年上だったことを知り「何だよ、俺が一番年上じゃねえか。」と陽菜を守れなかったことに対して、さらに責任を感じて悔やむところ。“年上が一番しっかりしていなければならない”という気持ち、首がもげそうなくらい分かる。この台詞でも何度も泣いた。年頃の男の子がそこまで人を想えることなんて、そうそう無いんじゃないか。

そしてラストのシーン。結局、雨は一度も止むことなく降り続けて東京を沈めていく。帆高はその状況について陽菜にどんな言葉をかけたら良いか迷っていた。最終的に帆高が陽菜にかけた言葉。それは

「僕たちは、きっと大丈夫だ。」

映画館で初めて観た時、頭で理解する前に心が震えて涙が出た。“世界よりも君がいい。僕たちはきっと大丈夫だ。”なんて儚くて繊細で綺麗なんだろう。

RADWIMPSの曲とサウンドトラックがさらに世界観を美しくしていて、本当に、何と言ったら良いんだろうか、“綺麗”なのである。以下の3曲はぜひ歌詞を見ながら聴いてほしい。

  • グランドエスケープ

  • 愛にできることはまだあるかい

  • 大丈夫

帆高と陽菜のような純粋で綺麗な気持ちを持ったまま、須賀のような大人になれるように生きていきたい。須賀のかっこよさも、ぜひ映画でご確認あれ。





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