今日の常連さん〜ハットを被ったお洒落なワガママおじさん〜
まだ岐阜にいた頃、私はとある喫茶店で働いていた。
岐阜にはモーニングという文化がある。
珈琲を一杯頼むだけでパンと卵がサービスされる。
サラダがついてくるお店もあればフルーツがついてくるお店、お団子が出てくるお店もある。
お土産に!って林檎をくれるお店もある。
「珈琲一杯でそんなにサービスして経営大丈夫なん?」
と心配してしまう時もあるがモーニングきっかけで常連になってくれる方がたくさんいるのだ。
私の働いていた喫茶店では朝と夕方、1日2回も訪れてくれる常連さんがたくさんいる。
そんな常連さんたちとの思い出を書いていこうと思う。
〜今日の常連さん〜
いつも夕方にいらっしゃる常連さんで、ハットを被ったお洒落なおじさんがいる。
その方は、すこーし癖が強い。
「俺は○○新聞が読みたいんや、持ってきてくれ」
「他の方が読んでいますので、、、」
「長いんじゃ」
「戻ってきたらお持ちしますね」(譲り合ってくれ、、、)
「俺が来たらすぐホットを持ってきてくれ、遅い!」
「かしこまりました〜」(なるべくそうしますが、混み具合によってはそうはいかないんじゃ、、、)
などと圧がすごい。ワガママ。ほんと困ったおじさんだ。。。
そう思っていた私はなるべーく関わらないでいた。
ある日の夕方、そのおじさんがやってきて一言。
「よ!ムラセ!!」
「…?????私はマツノですが、、、」
「ムラセ、ホットな」
「え、だからマツノですって、、、」
なぜかムラセ呼びをされ、そしてよく話しかけてくれるようになった。
何がきっかけか分からない。
どこからムラセになったか分からない。
謎。
謎ばかりだが、解明は出来なさそうなので、次からは「ムラセ」でも返事をすることにしよう。。。
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