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きみをめがけて


なぜきみは川を航ったのだろう
向こう岸にいたひとがよほどのひとでない限り…航らない…はず
きみが憧れていたそのひとが「話しがある」と言ったのか
いや、「なにかかきたい」と言ったのか
「あっ、それなら」と返事して
思わず航ってしまった…のか

いつかわたしの目の前にも
その川がアラワレル時がくる

待ち侘びたる
その川が見えた瞬間に
迷わず是が非でも航ってみせる


後ろを一度も振り返らず誰からの呼び戻しにも
耳を傾けず一気に航る

対岸に立ってくれているであろう
きみをめがけて
なにがなんでも遡りつく

それまできみがのこしたものを傍らに
想いかさねて
生きていく








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