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ISO26000を理解する: ISO26000とは何か?

さあ、火曜日だ。

先週まで「環境問題シリーズ」について書いてきたが、今週からはISO26000について理解を深めていこうと思っている。


ISOとは何か

さて、今週からISO26000について書いていこうと思っている。

ボク自身、ISO26000についてざっくりしたイメージは持っているものの、体系立てて理解しているかと言うとそうでもない。なので、自分でもしっかりと理解を深めていきたいと考えている。

まず、ISOについてだが…
ISOとは「国際標準化機構(International Organization for Standardization)」の略称で、スイスのジュネーブに本拠を置く民間の国際標準化機関の名称だ。

このISOの定めた規格が世界基準のものさしとなっていて、製品の品質や性能などが世界統一で評価することができ、それによってどの国の製品やサービスであっても安心して利用することができるというメリットが生じるのだ。

なぜ多くの企業がISOを取得するのか

企業側から見ると、ISO認証を取得すれば、その製品やサービス(および企業活動自体が)国際規格に適合しているとみなされることから、社会的信頼が高まることになり、新たなビジネスチャンスを創出できる可能性も大きくなる。またISOを取得するためには、業務体制を見直したりコンプライアンスを徹底させるなどの社内教育や内部監査が必要になることから、製品やサービスの品質が安定する効果も見込める。

ボクたちがよく知っている規格は「ISO9001」と「ISO14001」だが、それ以外にも多くの規格が発行されている。以下に例を挙げておこう。

ISO9001(品質マネジメントシステム)
サービスや製品の質を保証し、顧客満足度を高める。
ISO14001(環境マネジメントシステム)
会社があることで周囲与える悪影響を無くす。
ISO27001(情報セキュリティー)
機密情報や個人情報の漏洩、ネットワーク犯罪を防ぐ。
ISO22000(食品安全)
製造工程を含めた企業全体の管理を行い、食品の安全性を保証する。
ISO20000(ITサービス)
ITサービスの内容やリスクを明確にし、効率性や改善の機会を作る。
ISO22301(事業継続)
効果的・効率的な事業継続マネジメントシステムの運用を実現する。
ISO17025(試験・校正機関)
試験所や校正機関が、正しい結果を生み出せるかどうかを認定する。
ISO50001(エネルギー)
エネルギー使用を効率化し、使用量を削減する。

マネジメントシステムとは何か

補足になるが、ISO9001およびISO14001に表現されている「マネジメントシステム」とは何かについて書いておこう。

企業は(ISOにおいては、企業だけでなく地方自治体や学校、病院なども対象となる)運営をスムーズにしていくために、会社としてのルールを作り、それを皆で守っていかなければならない。そして、そういったルールの順守を管理する(もしくは改善する)ために部長や課長などの職制が必要となる。そういった職制ごとの責任および権限を体系化し、規定や手順を明文化したものを「マネジメントシステム」と呼んでいる。

ISO26000とは何か

ISO26000は、2010年11月にISOが新しく発行した「地球社会の持続可能性実現のためにあらゆる組織に行動を促す手引書」と銘打った規格である。

パッと見るとISO14001と似ているが、ISO14001が企業が環境リスクの低減や環境への貢献を目的として、本業と一体化した環境活動の戦略的な規格であることに対し、ISO26000は企業が社会的責任(SR: Social Responsibility)
を果たすためのガイダンスを規格したものだ。

つまり、ISO26000は環境だけでなく、労働慣行、人権、拡大するサプライチェーンにおける格差、消費者関係、株主関係、地域社会や国際社会に対する影響など、企業活動における幅広い社会的責任の領域をカバーしている。そして、ISO26000は認証規格ではない。ISO26000はその規格に基づいて、企業やその他の組織が社会的責任を自己宣言することが目的である。

来週からは、このISO26000について深堀っていこうと思う。


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