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孤独な旅人

さあ、日曜日だ。
日曜日はボクが書きたいことを勝手に書く日だ。
お気楽にお付き合いいただきたい。


今年4月のボイジャー1号のニュース

少し前のニュースだが、ボイジャー1号が不具合から復活して、5か月ぶりに探査機のテレメトリ(パフォーマンスデータを収集し、監視と分析のためにそれを遠隔地に伝達するプロセス)データが正常に受信されたんだそうだ。

ボイジャー1号は、1977年に打ち上げられたNASAの惑星探査機だ。彼が今どこらへんにいらっしゃるかと言うと、へびつかい座の方向、地球から約243億kmあたりらしい。全然ピンとこないが…

SETIとMETI

ボイジャー計画と聞いて、ボクらがピンとくるのは、彼ら(1号/2号)にゴールデンレコードなるものが積まれているということだ。それには、地球の位置や人類という知的生命体が存在していることなどが記録されていて、いつか地球外知的生命が偶然ボイジャー探査機を見つけ出し、そこに積まれているゴールデンレコードを解析してくれることで、地球や人類の存在を知ってもらうこと、そしてあわよくば地球に向けて何らかの情報を発信してくれることを願うものだ。

ゴールデンレコードのジャケット

ただし、ボイジャー探査機が(地球外知的生命体のいそうな)最寄りの恒星まで到達するのに4万年くらいかかると言われていて、その頃まで人類が生き延びている保証はないのだが…

こういう活動をMETI(Messaging for Extra-Terrestrial Intelligence)と呼ぶらしい。1959年に科学雑誌「Nature」で発表された、イタリアの物理学者ジュゼッペ・コッコーニとアメリカの物理学者フィリップ・モリソンによる「地球外に文明社会が存在するなら、我々は既にその文明と通信するだけの技術的能力を持っている」とする論文が発表されたことをきっかけに、地球外文明の探査が始まったのだ。

ちなみに、METIが地球側から未知なる文明に向けてメッセージを発信する活動なのに対し、逆に地球外の知的生命から発せられたメッセージを探す活動のことをSETI(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)と呼ぶ。そういえば、これも今年の4月に日本の宇宙企業がAIを使ったSETIのプロジェクトを開始したというニュースが話題になっていた。

ボイジャー計画とは

ボイジャー計画自体は、太陽系の外惑星および太陽系外への探査計画だ。探査機は2機の無人惑星探査機ボイジャー。1977年に打ち上げられたが、それは、1970年後半から1980年代にかけて、木星・土星・天王星・海王星・冥王星などが同じような方向に並ぶタイミングであったことから、連続的に探査することが可能だという判断(このチャンスを逃すと、次は175年後になってしまう)で、急ぎ打ち上げが行われたようだ。

ボイジャー1・2号機の探査により、木星、天王星、海王星に環があることや、海王星の衛星であるトリトンに大気が存在することなどが発見された。

ボイジャー1号は2012年に、ボイジャー2号は2020年に太陽系を出て、彼らは真っ暗な宇宙空間を1秒間に17kmの猛スピードで、今も孤独な旅を続けている。ボイジャーには原子力電池が搭載されており、プルトニウム238が放射性崩壊することによって発する熱を電気に変換しているのだが、それもあと数年で尽きてしまうようだ。そうなると、もう地球と通信することもできなくなってしまう…


…ええっと、これは、
NASAのはなしですか?

そうです。
言い忘れてましたが、これはNASA(アメリカ航空宇宙局)の話です。

NASAの情熱と努力

NASAは、ボイジャー計画を5年くらいで終了する予定だったようだ。だが、研究者たちの情熱によって、47年も続くプロジェクトになった。そして、そのプロジェクトは、今でもボクたちに新しい発見と感動を与えてくれている。

これまで2025年には原子力電池の出力低下によってボイジャーが機能を停止するだろうと言われていた。しかし、NASAのエンジニアチームは、電力消費に優先順位をつけ、段階的に機能をシャットダウンしていくことで、なんとか2030年頃までプロジェクトを続けていきたいと考えているようだ。

なんだか、いい話だなあ。
ボクらも、ボイジャー探査機と同じように、いろんな人に見守られながら孤独な旅を行っている。持っている情熱を最後の一滴まで使い切って死ぬような人生が送れることを願おう。

出典: https://www.cnn.co.jp/fringe/35218122.html


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