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競争戦略論[Ⅰ]を読む - ⑦弱者の戦略は「選択と集中」
さあ、水曜日だ。
毎週水曜日はマイケル・ポーター著「競争戦略論」をベースに、ボクの気づきや思考をアウトプットするシリーズを展開している。
先週は「業務効率化を戦略と勘違いすること」という記事を書いたが、今週は「弱者の戦略は選択と集中」ということについて書いていこうと思う。
トレードオフのない戦略に価値はない
戦略とは、同業であればどこの会社でもやっている(やってなければならない)活動を他社と異なる方法で行うことである。しかし、やっとの思いで独自のポジションを見つけたとしても、残念なことにそのポジションは、すぐに他社に発見され、すぐにパクられてしまう。
ビジネスは難しい。
業務効率化を推し進めていくと、生産性は間違いなく向上する。しかしそれはすぐにパクられ、似たり寄ったりの会社が増えていく。
そのチキンレースから抜け出すために新しい戦略を見つけ出し、そこに活路を見出そうとしたとしよう。しかし、その新戦略が魅力的なものであればあるほど、今まで誰も考え付かなかった斬新なものであればあるほど、それもまたパクられていくことになる。
そういうループから抜け出すためには「トレードオフ」の考えが必要だ。
弱者の戦略は「選択と集中」
手を広げようとしないことだ。新戦略を推し進めるのであれば、そこに振り切った方がいい。弱者の戦略は「選択と集中」じゃないか。そして一点集中するならそこにトレードオフが生まれなければならない。
トレードオフとは「両立できない関係性」のことを指し、何かを得ると別の何かを失うという、相容れない関係のことを指している。その「失うものがある」という事実があなたをパクリから護ることにつながるのだ。
しかし、トレードオフを生み出すためには、以下の3つが重要となり、これがなかなかに難しい。難しいが故に模倣されづらいのだが…
イメージや評判の一貫性
やはり、ブレてはいけない。
自分が表現するもの、発信するもの、広告などに一貫性がなければならない。あれもこれも平行して発信してしまう人はトレードオフを恐れている人だ。
活動の一貫性
活動そのものに一貫性を持たせるのは、もっと難しい。誰だって他人と対立してまで自分のポリシーを貫き通すようなことをしたくないだろう。しかし、集中と選択の戦略は、場合によっては交友関係や協働関係のトレードオフを生むものでもある。
調整と統制の一貫性
会社であれば、社内外からいろいろな要望があり、それぞれに思惑があったりするものだ。それをいろいろな立場の人が調整することになるが、その調整に一貫性がないとトレードオフは生まれない。それができなければ「選択と集中」を実現させることはできないのだ。
(続きはまた来週)
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