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私がどうやって広東語通訳者になれたのかを紐解いてみる(53)『追捕/Man Hunt』- カラコレはタイで -

Color Grading = カラコレ

台北から直接飛んで、やって来たのはタイのバンコク。ここでのミッションは日本の業界で言うカラーコレクション、略してカラコレ。中文では調色と書くようなのだけれど、香港電影人は皆英語のまま Color Grading と言う。

Color Grading こそ本当に出番が無いはずなのだけれど、なぜ私も呼ばれたのか?この Color Grading をお願いした会社は、Pre-production から Post Production まで全般的に請け負える制作会社で、香港電影人が立ち上げたもの。老闆は香港人、従業員は香港人とタイ人。通訳としての私の出番は無い。

錚々たる香港電影作品を手掛けているだけに、ここもまた香港電影博物館状態。

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私の担当業務は何だったのかというと、台北で行った混音 = Mixing 済みの素材をColor Grading の際にもセリフの変なところで切れていないかなど再チェックすることと、ヴェネツィア映画祭に出品する為の英文字幕を作成すること。日本語セリフの比率が高いので、日本語セリフから英文字幕を立ち上げるにはやはり私が居るべきだと。ありがたいことです。

タイで食べるものは何だって超美味い

この会社は昼飯と晩飯の賄い付き。美味過ぎて天国。

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毎食こんなのよ。天国でしょ?ご飯もフォーも食べ放題。香港人が作った会社だし、香港電影の仕事を受けるから香港電影人がしょっちゅう来るしということでタイ人のシェフは広東料理風な品もたくさん出して来る。そしてこのタイ式ミルクティーの美味いこと!

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港式奶茶はティーもミルクも濃すぎるのでたまにしか飲まない私もこのタイ式ミルクティーにはやられた。ガッツリ甘いのだけれど、タイの暑さにはこの甘さが丁度良い。仕事中いつだって厨房に内線入れて「ミルクティー持って来て~」「おやつください~」「コーヒーも欲しい~」とかやり放題。天国でしょ?

Milk Tea Alliance 奶茶聯盟

いみじくも私はこの業務のおかげで、今話題の Milk Tea Alliance 奶茶聯盟を経験させてもらえた。香港迷なら知っていると思うけれど、Milk Tea Alliance 奶茶聯盟というのは、香港の港式奶茶、台湾のタピオカ・ミルクティー、タイの泰式奶茶という各国のミルクティーを主題にした Alliance のこと。

香港電影導演にバッタリ

ここでは別スタジオで自身の作品の製作をやっていたピーター・チャン陳可辛導演とバッタリ。吳導演と陳導演は当然仲良しさん。お互いに忙しいのでゆっくりお喋りとはならなかったけれど、和やかに挨拶を交わしていた。

私もちょっと出しゃばって「大阪アジアン映画祭でアテンドやった Sophie です。お久しぶりです。」って言ったら「ああ、君か!覚えてるよ!」って言ってくれたけど、ホントか?お世辞でしょー?とこっそり思う。

別のスタジオでは動作電影のポスプロをやっていた。あー、隣のテーブルでご飯食べてたの誰だったか・・・。名前忘れちゃったよ、ごめんなさい。

Color Grading のプロセスをじっくり見学させてもらう時間は無かったけれど、スクリーンに映し出されるSF作品さながらの線や色の変化は近未来的な感じで面白かった。

ケツカッチンで必死に仕上げた作品を持って吳導演達はヴェネツィアへ、そして我々は香港へ戻った。当時は日本在住だった私もまたとないチャンスなので皆と一緒に香港に戻った。

バンコクの街中で見かけたこの広告が何を売っているのか未だに謎。

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タイのドンムアン空港は関空なんかよりよっぽどハイレベルだった。

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(続)

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