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私がどうやって広東語通訳者になれたのかを紐解いてみる(9)- まずは普通話から -

私の人生に将来的に大きな花を咲かせる小さな種を得て帰国した私。
香港に移り住むための広東語と、樵服務員を見返してやるための普通話、はて、どうやって学べば良いのか。

先ずは普通話から

当時も今も広東語を学べる場は普通話に比べて断然少ない。まずは供給の多い普通話から手を付けることにする。

学生だから時間はあるがカネは無い。当時はインタネットというものもまだ出現していない時代。オンライン講座もYouTubeも無い。そんな中で、できる限りお金のかからない方法で学ぼうと思えばNHK教育の中国語講座でしょう。TVで観ればタダ。テキストは当時150円ぐらいだったんじゃないかな。タイミング良く、4月からの新しいクールが丁度始まる。TVで観てわからないところは中文専攻の友人Kちゃんに聞けば良い。Kちゃんがわからなければ大学の先生に聞いてきてもらえば良い。ほぼタダでできる環境が揃っていた。

当時のNHK教育の語学講座は、今のような「旅行で使える会話をちょっとかじって旅行に行ってみよー!」みたいな浅いものではなく、退屈だろうが回り道に感じようが、基礎文法をみっちりやってくれる講座だった。全て独学で学び倒してきた私としては、この時代の語学講座のクオリティが一番高かったと思う。やはり基礎をきっちり身に付けないと後の応用が利かなくなると個人的には思っているから。

週に2枠だったかな。本放送と再放送を必ず見た。もちろん発音練習はちゃんと声を出す。家で一人でやるのだから恥ずかしくない。文字は紙に書いて練習した。とてもアナログなやり方だけれど、結局これが一番身に付くね。

こうやって勉強している当時は意識していなかったけれど、語学学習では目と耳と口と手を全てインタラクティブに使うことが大事だと後に気付いた。語学を学習している他の人のやり方を見たり、自分が教えた生徒を見ていて感じた。目と耳は誰もがどうやったって自然と使う。しかし、見て聞いて、うんうんと思っているだけでは結局自分のものにならない。自分から声を出してリピートしたり、日本語での内容のメモ取りではなく中文で文字や文章を書いてみたりしている人は体に染み込むのが早いし、その結果上達するのも早いとわかった。

普通話を半年みっちりやった。根拠は無いが、基本的な会話なら話せるような気がした。傲慢だけれど、なんだか結構簡単じゃね?みたいな感覚だった。

さて、普通話できるようになったし(と勝手に思っている)、次のクールも引き続きやるけれど、広東語も一緒にやっちゃえばいいんじゃね?どうせ文法同じでしょ?というお気楽な心持ちで広東語の勉強も始めることになる。(続)

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