外国人が離婚して再婚する場合に、配偶者系のビザ申請で絶対にしてはいけないミスや勘違いについて その2

さて、今日は、前回の記事「その1」の続きになります。

以下の内容はすべて、「結婚・婚姻がらみの配偶者系のビザ=日本人の配偶者等ビザ、永住者の配偶者等ビザ、定住者ビザ,家族滞在ビザ」についてのものになります。

一般の方が間違えやすい・やってしまいがちなミスや勘違いについてピンポイントで解説しています。

ズバリ!テーマは・・

「外国人が離婚して再婚する場合に、配偶者系のビザ申請で絶対にしてはいけないミスや勘違いの第1位」です。

前回の記事では、そのようなビザの申請においては、今の結婚についての説明・立証だけでなく、さらに過去の前の結婚についての説明・立証までもが必要になる(後者を忘れると不許可になりやすい)。

という点について書きました。その背景には、2020年2月の審査ガイドライン改正等があるという点もありましたね。ぜひ前回の記事をご確認ください。

今日の記事では、細かいことはまた別途お伝えするとして、「知らないと不許可率が上昇する、配偶者系のビザの申請における隠れた常識や審査方針」について書いてみます。

1,結婚相手が変わる場合には、変更申請ではなく更新申請。でも実際は変更申請並みの説明・立証が必要です!

外国人が離婚・再婚して配偶者系のビザの申請をする場合には、更新申請をする場合もあります。

その外国人がすでに結婚歴があり離婚・死別等の事情で日本に在留したままで再婚した場合(単に結婚相手が変わった場合)などがそれにあたります。

結婚相手が変わったのに変更でなくて更新申請というのも、なんともイメージが湧かないかもしれませんが、結婚相手が変わっても配偶者としての活動自体は継続するので、変更ではなく更新になるのですね。

ですが、更新申請とはいえ、結婚相手が変われば事情はかなり変わります、離婚の事情や背景等でもかなり変わります。

以前からもそうでしたが、最近ではより一層過去の結婚生活についてのチェックもが入るようになりました。

ですので、形式上は更新申請ですが、実際には変更申請として審査されます。提出資料も更新とは思えないほどの質&量を提出しなければ許可が難しくなる場合が多いといえます。

2,ビザ更新申請は楽勝???

と、ここで質問です。

ビザの更新申請に対する皆さんのイメージはどのようなものでしょうか?

「ビザは取るまでは大変だけど、取れたらあとは楽勝!当たり前の書類だけ出して更新を乗り切れば平気」というイメージありませんか?

確かに、ひと昔前(直近だと2020年2月以前、ちょっと前だと2019年や2012年以前)であれば、正直そのようなイメージで問題ない案件もありましたし、

かなり限定的ではあるものの、そのような案件は今でもあると思います(婚姻や経済基盤に突っ込みどころがなく、先進国系国籍や高学歴・高年収や大企業勤務等の条件に恵まれた優良案件の場合)。

ですが、それ以外の通常の条件~やや難点のある案件については、特に2020年2月以降は徐々に更新時についても活動状況についてのチェックが入るようになっています(離婚・再婚がからむ配偶者系ビザの更新申請では絶対に100%チェック・ツッコミが入ります)。

初回の申請でツッコミポイントについて説明書が提出されていない場合には、追加資料の要求をして、適切な説明がない場合には不許可になるような事例が増えてきました。

つまり、「更新は楽勝!」という時代が一定の優良案件を除き、終焉をむかえつつあるということになります。更新も気が抜けない時代になってしまったのです。

ですが、そのように悲観的に考えないでください。逆に考えれば、きちんと更新申請で説明・立証すれば、良い結果につながる可能性があるのです。

当事務所の最近の実例をご紹介いたします。

3,更新における全力の説明・立証が良い結果につながる実例のご紹介

更新時のしっかりとした申請が良い結果を生むという、実際の私が担当している事例をご紹介いたします。

なお、ここでいう「良い結果」とは、「3年ビザや5年ビザにつながり永住が近づきやすくなる」という意味です。

私が以前から長らく担当している日本人の配偶者ビザの外国人夫の方の例です(先進国ではない国籍になります)。

この方は、かつては某犯罪により数年間の実刑となり刑務所にいた方です、出所して再婚し、私はその再婚相手との結婚を理由に日本人配偶者ビザの更新申請を担当しました(2014年のことです)。

更新とはいえ実質は変更ですし、まして条件的には最悪の状況です。ですが、かなりの説明・立証をして無事に許可を得ることができました。

その縁もあり、今日までその方の更新申請を担当しています。

その間、何回か更新申請をしてきましが、毎回犯罪からの更生ぶりやまじめに配偶者としての活動(就労等)をしている点などについて丁寧に説明・立証してきました。

その成果もあり、4回の1年ビザの後についに3年ビザの許可をいただき、1回目の永住申請をしました(残念ながら不許可となりました)。

しかし、この永住申請とほぼ同じタイミングで申請していた日本人配偶者ビザの更新申請では、なんと5年ビザの許可をいただけたのです。

これは今後の永住審査においても大いにアピールになる好材料といえます。

そうしたこともあり、今年は2回目の永住申請にチャレンジすることになっております。

当事務所では、この方に限らず、どの方についても更新申請も手を抜かずに全力の説明・立証をしていますが、おしなべて入管からの評価はよい結果に終わっています。

漫然と更新していたら、活動の実態が怪しければツッコミが入り更新不許可になり、不十分な説明・立証であれば、ずっと1年ビザのままであった可能性も普通にあったでしょう。

配偶者系のビザであれば、1年ビザで永住が取れないとなっても、離婚や帰国というのはあまりないかもしれませんが、

心理的に生活が安定しないため夫婦の円満な関係にヒビが入ったり、1年ビザで就労先や住宅ローンや融資等で苦労することが増えるなど、何かと信用力が足りず良いことはありません。

そうした不幸を防ぐためにも地道にまじめにしっかりと丁寧な更新申請をしたほうが絶対に良い時代になったのです。

長くなりましたので、続きは次回の「その3」にてご紹介いたします!!

入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 ソフィア国際法務事務所 行政書士 横田あずま

著作権について=無断転載や借用・模倣等を禁じます。(弊所運営サイト・ブログ等の内容は定期的に公正証書により確定日付で保全しております)。

Copyright(C) Azuma Yokota All Rights Reserved.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?