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「恵まれてます」4年•籾井 大河

彼女が出来てからパタリと僕の家に来ることが無くなった同期のイケメン枠野田祐成から紹介に預かりました、総合人間科学部社会学科4年の籾井大河です。




引退して2ヶ月。月曜日は翌朝の走りに怯え、火曜日は翌朝の上げ練に怯え、水曜日と木曜日は翌朝の目覚ましが正常に作動するか怯えながら生活する、そんな現役時代の日々をもう既に懐かしく感じながら何について書くか色々考えました。色々考えたのですが、どうにもまとまりのある文章は書ける気がしなかったので、振り返りも交ぜながら思っていたこと、今感じてることを浮かんだままに綴ります。





通学先の高校にサッカー部が無かったため、とりあえずサッカーできる環境が欲しくてクラブチームに入団した高校時代。当時の3年の代は春のクラブユースでもそこそこ良い結果を残しおり、雰囲気も良かったため特に迷うこともなく入団した。だが、3年の代が抜けると次第にピッチ外でチーム崩壊が始まった。遅刻と無断欠席を繰り返す人、知らない間に犯罪に巻き込まれて飛んでる先輩、発作的に手が出ちゃうタイプの暴力的でどうしようもない同期(たまたま三木健聖と同じJrユース出身者)、尼崎出身のただのヤンキー上がりの先輩。この辺りが一堂に集い、ボールとは全く関係ない場所で暴れだすものだからどんどんと人が減っていき、最初はギリギリ2チーム作れるぐらいには人がいたチームも、自分が引退を迎える頃には同期は自分ともう一人、一個下は6人、二個下0人の計8人しか生き残っていなかった。この8人に加えて、Jrユースの22人の登録から漏れた3人を追加して11人かつかつで試合をせざるを得ない、そんな状況下。当然、サッカーを楽しむとか、上手くなるとかそんなことに気を回す余裕は無かった。



だからこそ、入部した時には感動した。強豪校出身の人からしたら物足りないと感じる事があるかもしれないこの環境でも、同じポジションに上手い人がたくさんいて、向上心ある人がいて、一切の人間関係のストレスを抱えることなくボールを蹴れるこの環境は自分にとっては最高だった。



1年目は、とりあえずこの環境下に慣れて上手くなることだけを考えていた。皆当たり前のようにピッチ外でも人間が出来ていたため、社不の自分からするとこの部分は馴染むのに苦労した。

サッカーに関して言えば、ずっとCチーム。それも後半組で出る事が多かった。「流石に引退までにはIリーグくらいは出たいな」。自分の実力を図る術も、伸びしろも全くよく分かっていなかったこの頃は本気でその程度にしか考えていなかった。Iリーグ出れるようになるにはどうすれば良いかを考えた結果、ボールタッチと、背中や胸周りの上半身を中心としたストレッチを継続的に行うようになった。今の家に引っ越すまでは、家の目の前の公園で人気の無い21時ごろから飽きるまでYouTubeで見つけたアオアシトレーニングとやらをやっていた。


2年目。

プレイヤーとしての成長を一番実感できた年。目標とするプレースタイルが自分の中で明確に定まった年でもある。1年目のちょっとした取り組みの甲斐もあってか、2年目にしてBの練習・試合にも本格的に絡めるようになってきた。

戦績の酷さから負の遺産として捉えられがちなIリーグだが、毎週あの強度の相手と緊張感を持ちながらガチンコの勝負ができたことは間違いなく成長に繋がった。速い、上手い、強い、三拍子揃った相手との対戦の中でチームにどう貢献するのか。卓越した技術も、相手をねじ伏せるパワーも、置き去りにするスピードも全く持ち合わせていないこの身体でどう対抗するのか、ひたすらに模索した。
ライン間で受ける技術、身体を当てられる前に捌く判断、自分より上手い選手が力を発揮しやすいような状況を作り出すためのフリーラン、彼らが攻撃時に少しでも余力を残してプレーできるようにするためのプレスバック。明確な武器を持たず、自分一人では何もできないからこそ、持たざる者としてチームのために動くための術を磨けた年だったと思う。
そしてこの辺りから、自分が上を目指すならこのやり方しかないな、と思うようになった。

だからこそ今シーズン、アミノのパンフレットの選手紹介の欄で「攻撃の潤滑油」と称されてるのを見た時は、例えそれが小熊が適当に思いついたことを書いていたのだとしても、自分が目指す選手像が体現されてきていると肯定されたようで割と嬉しかった。


3年目。

それまでの二年間お世話になっていたカジコウ君の引退ブログを読み、共感して本格的に都リーグへの目標を自分の中で掲げた。


4年目。最後の代。

前年から継続して同じ目標を掲げる中で、シーズン序盤は「チャンスだ」と思った。偉大な先輩方が抜けて選手層が薄くなった。同じポジションに怪我人の選手も出ていた。ある程度固定のメンバーがいることを考えても、自分も十分食い込める枠がある。

実際、春先には固定のメンバーの次のオプションに据えて貰っていた時期もあった。アミノの1回戦、前半に怪我人が出て自分の名前が呼ばれた時は「よっしゃ」と心の中で叫んだ。


そして迎えた都リーグ第1節。東大戦。

自分にとっては間違いなく今シーズンの転換点となった試合である。リードされている状態で迎えた後半途中、攻撃の活性化を期待されて投入してもらった。何か爪痕を残してやろうとそう意気込んでピッチに入った。





全く歯が立たなかった。アミノで格下と戦った時とは全く違う緊張感とプレッシャーの中、何もできずチームに迷惑をかけるだけかけ、ピッチを去る事になった。爪痕といえば自分のボールロストから招いたファールでイエローカードをもらっただけ。


薄々練習の時から感じていた強度の低さ。高強度な空間での技術不足、メンタルの弱さ。欠点全部さらけ出すだけさらけ出した。自分が目を背けて逃げてきた現実を嫌というほど突きつけられて試合が終わった。同時に自分の今シーズンもほぼ終わりを迎えた。

最終節は歓迎ムードの中ラスト10分、最高の同期たちと戦えたし、引退試合では、わざわざ上京して見に来てくれた、16年間支えてくれた両親の前で点を取ることも出来た。




良い終わり方、満足感のある終わり方をさせてもらえた。





でもこうして振り返ってみると、選手として何か残せたわけでもない。他の部分で組織に大きく貢献出来たかと問われると決してそうでもない。


都リーグで活躍するなんて目標はあまりにも高すぎたかもしれない。


ただ、毎度目標を掲げ、それなりにステップを踏んで課題をクリア出来て来たと感じるから、満足感を持って今を迎えられている、そんな感じがする。




今シーズン、幸か不幸か、サタデー、Jr、アミノ、都リーグと全カテゴリーの試合を経験させてもらった。部内のプレイヤー「全員」と一度は同じピッチで戦わせてもらった。



だからこそ感じたことがある。


まずはAの人たちが上手いという事。こいつらの考え方とか、サッカーに対する想いとか、組織の中で背負っているものとかは正直自分にはよく分からない。



ただB以下の人なら何となくわかってあげられる気がする。
分かりやすく向上心がある奴、多分あんま無い奴、いまいち何考えてるか分からない奴、向上心あるくせにそれを表に出すのは恥ずかしいと思ってるやつ。


部活に対する考え方、大学生活の何に価値を置くかなんて本当人それぞれだと思うし、これが正解なんてものは正直ないと思ってる。ただ、少なくとも自分は、下手くそながらそれなりに真面目に向き合って来て良かったなと思えている。もしこの部分が欠落していたら、どこに納得感を持って引退したのか、そもそも納得感を持てていただろうか。



それぞれ今の立ち位置が違うため、「都リーグに出場する、活躍する、勝たせる」この目標に対するハードルの高さは本当に人それぞれだとは思う。だけど、例え今どれだけ下手くそでも皆には分かりやすくこの目標を掲げていてほしいなと思う。折角週6日もこの部活に費やして、他にもたくさんの選択肢がある中でこの部活を選んでいるのだから。この目標を掲げることを諦めて、ただの部費献上要員として組織に時間とお金を搾取されて終わるのはあまりにももったいない。



慰労会のスピーチで祐成が言っていた一言。「上手い奴のさらなる成長はあまり期待できない。だからこそ、この組織を強くするのはそうじゃない人たちだ。」的なやつ。



本当にそうだと思った。上手い奴がいっぱいいる。自分より上がいて目指すべき場所がある、その環境ってまじで幸せな事だと思う。



毎日行ってたら色々感じることもあるだろう。イライラする、やる気が無くなる、なんで俺じゃなくてあいつが、そんな時期は誰にだってあると思う。でもそんな環境って案外恵まれているもんだということは分かっていて欲しい。



きつくても出来るだけ自分が今できることを考えて取り組んでほしい。それを続ければ例え目標が達成できなくても、この4年間を悔いることにはならないと思うから。






ここまで長々と駄文にお付き合いいただきありがとうございました。



最後に

これまでお世話になった先輩方、ありがとうございました。
仲良くしてくれた後輩たちも、ありがとう。まだ大学います。都リーグも暇があれば観に行きます。苦楽を共にしたBの皆、頑張ってください。
スタッフ陣、ありがとうございます。ほとんど怪我しなかったのでメディカルにはあまりお世話になりませんでしたが、熱中症と度重なる不整脈でご迷惑をおかけしました。毎度ダッシュで水と氷持ってきてくれたみんなありがとう。



最高の同期たち、ありがとう。朝練きつい時も、君たちのしょうもない会話を横で聞くだけで元気出てました。新砂後の丸亀もかずも用心棒も馬場のロータリーも良き思い出です。



中でも主将の古山、副将の源也、竜吾、GM課長の祐成、そして学生監督の小熊。まじでありがとう。平部員の自分にはとても理解し得ないほどのプレッシャーや責任感、色んなものと戦いながらチームを引っ張ってくれてたと思います。尊敬しかないです。本当にありがとう。



これまで16年間、サッカーを通じて色んな出会いや経験をさせてもらいました。これからもサッカーに感謝し、サッカーを愛しながら、ここで学んだ事を活かしていきたいと思います。


今までありがとうございました。


お次は同期のマネージャー、井川佳音です。
明るい声と笑顔で常に周りを盛り上げてくれるマネージャーのかおんですが、ブチギレるとバカ怖いらしいです。残念ながら現役中にその姿を見ることが出来なかったので、次会った時怒らせてみたいと思います。

お楽しみに!

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