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5月8日(日)東京都1部リーグ第節6節 vs朝鮮大学校 マッチレポート #22

最大10連休という超大型連休で世間がなんとなく浮かれているような5月の2週目、我々は第6節、朝鮮大学校との1戦に臨んだ。

前回のゲームは遡ること1か月、東京農業大学との開幕戦。一進一退の好ゲームを演じるも、後半途中に連続失点を喫し、0-2に。終了間際に1点を返すもあと一歩、反撃及ばず1-2で黒星スタートとなった。前節の反省を生かして次週のゲームへ、と向かいたいところであったが新型コロナウイルスの影響によりまさかの4週連続延期に。中止連絡が毎週直前だったのもあり、対外試合は行えず、4週間みっちりチームの中でトレーニングを重ねてきた。難しい状況の中でチーム内でどれだけ厳しくトレーニングを行えたのか。日々のトレーニングを試されている、そんなゲームとなった。

対する朝鮮大は5試合消化し、1勝2分2敗。開幕こそ躓いたものの直近2試合は1勝1分と調子を上げてきている。1部の常連チームでもあり、インテンシティの高さは一級品。厳しいゲームとなることが予想される中で、4年ぶりの勝利をあげられるのか。

上智のスカッドは以下の通り。

新田 聖人 (3年/#28/GK/市立金沢高校)
中尾 竜吾 (3年/#72/DF/國學院高校)
三井 慎司(4年/#82/DF/藤枝東高校)
関 大陽 (4年/#6/DF/湘南ベルマーレU-18)
土井 源也 (3年/#19/DF/國學院久我山高校)
大山 諒(4年/#10/MF/武南高校)
坂田 涼(4年/#3/DF/駿台学園高校)
菅 雄太郎(3年/#18/MF/八千代高校)
小山田 直人 (1年/#26/DF,MF/昌平高校)
伊藤 大心(C) (4年/#4/MF,DF/國學院久我山高校)
古山 悠人(3年/#80/DF/新潟高校)

サブは以下の通り
羽鳥 颯(4年/#17/MF/昌平高校)
鈴木 陽太(3年/#37/MF/市立橘高校)
水原 理玖 (4年/#32/MF/専大松戸高校)
小堀 蓮太郎 (1年/#71/GK/桐蔭学園高校)
大池 哲太(2年/#34/DF/小松川高校)
金本 滉平(4年/#11/MF/専大松戸高校)


ぐずついた天気の中、13時に上智ボールでキックオフ。

ファーストシュートは上智。4分、相手GKがエリア外まで飛び出してスルーパスをクリア。そのクリアボールが土井の足元へ。土井はループシュートを狙うも。相手DFがライン上で間一髪クリア。

7分には朝鮮大がクロスからファーストシュート。開始早々から一進一退の激しい攻防が繰り広げられる。

自陣から丁寧に1つ1つ剥がして、押し込もうとする上智とブロックを構えてその持ち前の圧力でボールを奪取し、手数をかけずカドを取りに行く朝鮮大という構図。

大山、土井を使ったサイド攻撃を中心に攻め続けるも決定機を演出できない上智。逆にミスを付かれ、カウンターのピンチが徐々に増えてくる。

久々のチャンスは前半終了間際の44分。新田のゴールキックを小山田がマイボールにするとバイタルエリアまで侵入。相手CBを釣り出し、相手スペースに走りこんだ土井へ。土井はワンタッチから強烈なシュートを放つもこれはGK正面。

このチャンスも生かせず、前半は0-0で折り返す。

前半をスコアレス


後半は朝鮮ボールでのキックオフ

1分、いきなりピンチが訪れる。相手のロングボールに対してクリアが中途半端になると、それを相手に拾われスルーパスを出され、相手9番が抜け出し、ニアへシュートを放たれる。しかしこれは新田がストップ。開始早々から肝を冷やす展開に。

このピンチ以降、ゲームのペースを握られる苦しい展開に。

17分、流れを変えるべく大山に代えて水原を投入。

19分、右サイド裏へ長いボールを出され、ポイントを作られると、クロスまで行かれてしまう。このクロスに関が対応し、コーナーへ逃れるも、これが手に当たったと判定され、主審がペナルティスポットを指す。PKを献上してしまう。

キッカーは背番号10。これを右に沈められ後半19分、0-1に。

22分、中尾に代えて金本を投入。

しかし朝鮮大の勢いは止まらない。23分、右サイド深くでFKを得ると、ボールは壁を越えてニアへ。これに3番が頭で合わせるとボールはゴール右上へと向かう。しかしこれは新田がファインセーブ。

26分、上智がカウンターからチャンスを迎える。金本が関から縦パスを引き出すと、ダイアゴナルに抜け出していた土井へとスルーパス。土井がカットインからシュートに持ち込むも、GK正面。反撃の狼煙を上げる。

決定機を作れない中、32分には伊藤に代えて攻撃にアクセントを加えられる鈴木を投入。

終盤、攻勢を強めるも、ゴール前を固める屈強な朝鮮ディフェンスが立ちはだかり、0-1でタイムアップ。開幕2連敗を喫することとなった。

悔しい敗戦となった


ゲームを通してボールを支配していたのは上智であった。後ろからボールを保持し、丁寧に一人ずつ剥がしながら押し込んでいく、標榜するスタイルの完成度が高まっている、ということを証明するゲームであった。ひいき目なしで見てもこのような一定の評価を与えることができるであろう。しかし結果は0-1。そして決定機も相手の方が多かったという事実。攻撃面に関しては、押し込んで自分たちのペースでできた時間帯も増えてきているが、ファイナルサードで決定打を繰り出すことができない、厳しく言えば怖さのない攻撃に終始した。守備に関しては押し込まれる時間帯、ペースがどうしても落ちてしまう後半中盤での失点を2戦連続で食らっている。圧倒的な実力差は感じない、グレーのイレブンは純然たる1部のチームである、と胸を張って言える。しかし勝ち点に結びつけることはできなかった。自信になる部分は多かった反面、どうすれば勝ち点に結びつくのか、このような「いいゲームはできたけど、負けた」ということがこの先もずっと続くのではないかそんな不安も垣間見えるような複雑なゲームであった。

そんな今節でデビューを飾り、堂々のプレーを見せた2選手にフォーカスしたい。

1人目は新田だ。1日前にアクシデントで急遽回ってきた大役であったが、安定したプレーを披露。特にPKで失点こそしたものの、後半に見せた、2つのパラドンはまさしくチームを救った。まだまだ粗削りな部分もあるが、長いリーチを生かしたスケールの大きなプレーは持ち味。初出場でインパクトは残せた。今後チームにとって欠かせない存在となれるのか、期待がかかる。

安定したプレーを披露した新田


そして2人目は小山田だ。1年生として4月に入学するといきなりスタメンに抜擢。序盤から相手のプレッシャーをモノともせず、組み立てからラストパスまですべてのフェーズでキーとなった。繊細なボールタッチとコース取り、懐の深さで攻撃の中心に君臨したと思えば、小柄ながらも屈強な相手とのヘディングの競り合いに怖気づくことなく挑み、勝ってのける不敵さも披露。その姿は不振のバルセロナで一人気を吐き、チームを救ったスペイン代表MF、ペドリと重なって見えた。奇しくも彼のデビューシーズンと同じ背番号26を背負う「上智のペドリ」こと小山田 直人は来週、苦境に立たされているチームを勝利に導く、メシア(救世主)となれるのか。大注目である。

"上智のペドリ"小山田は救世主になれるか


以下出場選手のインタビューです。

新田 聖人 (3年/#28/GK/市立金沢高校)

・今日の試合を振り返って
今日の試合は急遽出場が決まるなど、イレギュラーな状況でしたが、セカンドキーパーが試合に出る時はいつだって何かしらのイレギュラーが発生した時です。自分の出番が来る時はこういった難しい状況だというのはあらかじめ認識していたので、とにかくピッチでは欲張らず、いつも通りのプレーを心がけました。結果は負けこそしましたが、味方にも助けられながら、自分なりのプレーができたと思います。特に最終局面で体を張ってくれたディフェンスラインには感謝しています。ただ、PKストップは自分の強みだっただけに、そこで失点してしまったのは悔いが残ります。


・今後に向けて
今回の試合は、まずチームにとって確実に成長につながる90分でした。結果としてチームは2連敗ですが、どの試合にも必ず成長材料、成功体験があり、確実に価値ある試合を積むことができていると思います。また個人としても、本当に成長できた90分でした。前半から後半にかけても、成長を実感しました。これからも起きるであろうあらゆることに対応できるように良い準備をして、チームの勝利に貢献できるように邁進します。

小山田 直人 (1年/#26/DF,MF/昌平高校)

・今日の試合を振り返って
自分としては大学サッカーのデビュー戦となりましたが、自分の力量不足に気づくことができた大切な機会になりました。チームとしてはいい内容ではあったけど、勝ちきる強さがもっと必要だなと強く感じました。

・今後に向けて
リーグ戦はひとつひとつの試合に一喜一憂してる時間はないと思うので、個人とチームの課題を修正しながら次の試合に勝つことだけを考えて日々練習に取り組みたいです。

次節は5月15日(日)13時から、成蹊大学にて、立教大学とのマッチアップ。4年ぶりの1部での勝利を挙げられるのか。今季初の有観客での開催、感染対策をしっかりしたうえでのご来場をお待ちしているとともに、各種SNS、Player!での熱い応援よろしくお願いします!

文責 小熊 崚介

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