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「悔」4年・若松 三太

「綺麗事を部員ブログに書いているのを見ると気持ちが悪い」


後輩の誰かから聞いた多少過激な言葉。


でも確かにそうだと思った。
リアルとブログの内容にギャップを感じることがある。
今回のブログでは、特に1年間で強く感じた「リアル」を書いていこうと思う。



私が大学でもサッカーに挑戦しようと思ったきっかけは、高校サッカーの最後の試合だった。最後の大会でPKを外して仲間を引退させてしまった後悔、自分が何も成し遂げることができなかった後悔が、大学サッカーの始まりだった。でも後悔だけじゃなかった。自分ならもっとできる、もっと通用する、そんな淡い期待を持っていた。

大学入学後は、サッカー部に入部することしか考えていなかった。

最初は受験直後ということもあり、勿論体が動かない日々が続いた。悔しいことも沢山経験したが、自分の成長に貪欲にサッカーに打ち込むことができた1年間だったと思う。



2年目。当時の目標だった、「Aチームで都リーグに出場すること」も叶い、本当に充実した1年間だった。それと同時にFWとして限界を感じた1年でもあった。同期に圧倒的なポテンシャルがあったこと、自身の得点能力、スピード、センス、全てを他の人と比較し、都リーグにスタメンで出場することを内心諦めていた。ただ、フィジカルやヘディング能力で負けない自信があったし、そのアイデンティティを武器に闘うことを決意した1年間だった。



3年目。ここが大学サッカーのターニングポイントとなった。足の怪我が理由で大会前の数週間サッカーをすることができず、辛い期間を過ごした。それと同時にポジション争いをしているFWの活躍も目覚ましく、居場所がないのでは?自分に対しての期待はないのでは?と絶望した。苦渋の決断ではあったが、FWからCBへの転向を決意した。自分の武器を残しながら活躍できるポジションを模索した攻めた決断だと思っていたが、単なる逃げの選択だった。しかし、自分がサッカー選手として1つ前に進むためにはやむを得ない選択だったと言い聞かせることにした。

そして復帰後CBとして出場した最初の試合。前半10分にも満たない時間帯に、指の靭帯断裂と損傷、脱臼、挙句の果てには在らぬ方向に指が曲がる怪我を負った。
CBとしてアイリーグを目指していた自分にとっては大きなアクシデントだった。FWに再転向しようと血迷ったり、都リーグに出れないなら辞めようかと悩んだり、自分の気持ちに整理が付かないまま、怪我をしなかったら出場できたかもしれないアイリーグを眺めているだけだった。



4年目。大学サッカーの集大成。ただただ残酷な1年間。

Aチームを目指すことをせずに、アイリーグに大学サッカー人生を捧げることを決めた。

Aチームを目指す選択をしなかったのには沢山理由はある。正直なところ、運営代ということもあり自分の成長だけに貪欲になれなかったのも大きな理由だ。さっきも言った通り逃げの選択がきっかけだったのかもしれない。

Bチームにコミットしてからは、Aチームが優遇されることに不満を覚え、幹部や学生監督の南出には迷惑を沢山かけた。でも、BCにいる選手たちのことを思った行動だったし、言えるのは自分しかいないと責任感を感じていた。そうしていくうちに、「アイリーグで勝ちたい」というその思いに磨きがかかった。また、Aチームに上がっていく元Bのメンバーが活躍する姿、AチームからBに落ちてくるメンバーがやりがいを感じている姿、A2にいる選手がアイリーグに出場して一緒に勝利したいと示してくれるのを見て、心の底から嬉しかった。

そんな人たちのためにも絶対に勝ちたい。皆を後悔させたくないし、自分も後悔させたくない。そう思った。しかし、終わってみれば未勝。届かなかった。最後はもはや清々しかった。大学サッカーって何だったんだろうな。そう思った。




後期の上武戦後、群馬県からOBコーチの典君と2人で帰った時に言われた内容。

「筑波戦、どこかで勝てると思ってしまっていたが、何故そんなこと思ってしまったんだろう。」と。

圧倒的な信頼を持つ我らが監督に何てことを思わせてしまったんだと思うと同時に、相手のレベルにどこか臆病になっていた自分を感じた。

「サークルが体育会に感じるように。都リーグ4部が都リーグ1部に感じるように。都リーガーが関東リーガーに感じるように。関東リーガーがプロに感じるように。Jリーガーが海外のトップ選手に感じるように。どこかで実力の差を認めていて、それを隠しながら勝てると信じ込もうとしてるだけなんだ。」と。

「そのレベルの差を真っ向から見せ付けられた。そんな気がした。」と。

正しいと思った。あんなに大差で負けているのに、まだ足りない、まだやれると示していたのは相手だった。本当の意味で強いチームってこうなんだって感じた。


まだ足りない。


この考えこそ全てだと感じた。相手が格上だと感じているようじゃ絶対に勝てない。

筑波相手でも、プロ相手でも、自分達の方が心の底から強い、そう思えないと勝利はない。そう感じた。


だからこそ、後輩の皆んな。
都リーグ2部無敗優勝なんかに甘んじることなくもっと高みを目指してほしい。

来年都リーグ1部で圧倒的な力を発揮して、関東に昇格して、自分達の力が相手に関わらず絶対的であると確信して、今は格上だと感じているチーム相手にも必然的な勝利を見せてください。

一勝も出来なかった後悔は一生続くし、それは同じような舞台でしか消化できない。

今年アイリーグのメンバーには俺の言葉として届いてると思うから。強くなった皆を、上智大学体育会サッカー部を、アイリーグでも都リーグでも今まで付いてきてくれた後輩たちを、今度応援しに行きたいと思います。頑張れ。




最後になりましたが、我々上智大学体育会サッカー部は東京都2部リーグを無敗優勝し、悲願の1部復帰を達成しました。この結果は部員だけで成し遂げられるものではありません。保護者の方々や、大学関係者の皆様、トレーナーやOB・OGの方々、上智大学体育会サッカー部に関わる皆様のご理解、ご支援、ご協力あってのものだと理解しています。この場を借りて感謝の念を表したいと思います。ありがとうございます。

上智大学体育会サッカー部 #3 若松 三太

続きまして、4年間かけてやっとちゃんと仲良く話せるようになったと信じてます笑。APEXでは大声出すタイプらしい上智の守備の大ボス、根崎 竜介です。

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