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5/22(土) 東京都2部リーグ戦 第4節vs東京都立大学マッチレポート #2

夏が顔を出したかと思えば、むせ返るほどの蒸し暑さと、止んだり降ったりを繰り返す雨。少し早めの梅雨がやってきた。

そんな5月22日、我々は東京都2部リーグ戦 第4節vs東京都立大学に臨んだ。

先週に予定されていた第3節vs東京工業大学は緊急事態宣言の影響で延期。リーグ戦を戦うのは実に2週間ぶりとなる。

2週間前の第2節、我々にとっては開幕戦となったvs創価は野田が決めた虎の子の1点を守り切り、1-0の辛勝。内容的に満点のゲームとは言えなかったが、勝ち点3を持ち帰るという最大のタスクはしっかりと果たした。今節でも勝利をおさめ、連勝といきたいところである。

対する東京都立大学は現在2試合消化で1勝1敗。第1節は新グラウンドの完成、元日本代表であり、解説者としてもお馴染みの戸田和幸氏が監督に就任するなど、話題性のある一橋大学を4-0と一蹴。第2節では玉川に敗れたものの、3月のアミノバイタルカップでは1部の学習院を破る大金星を挙げるなど地力のあるチームであることは明白。連敗を避けるためにも、今節は是が非でも勝利が欲しいところだ。

上智のスターティングメンバーは以下の通り。
羽藤 宏太朗(C)(4年/#1/GK/國學院久我山高校)
古宮 由視 (4年/#4/MF/東京武蔵野シティFC U-18)
三井 慎司 (3年/#82/DF/藤枝東高校)
関 大陽 (3年/#6/MF/湘南ベルマーレU-18)
三谷 宗 (4年/#7/MF/日本大学鶴ヶ丘高校)
伊藤 大心 (3年/#78/MF,DF/國學院久我山高校)
池田 総一郎 (4年/#10/FW/県立川和高校)
神田 辰丸 (3年/#14/MF/國學院久我山高校)
羽鳥 颯 (3年/#17/MF/昌平高校)
野田 祐成 (2年/#48/DF,MF/國學院久我山高校)
大山 諒(3年/#88/MF/武南高校)

サブは以下の通り
小熊 崚介(2年/#28/GK/暁星高校)
林 陵(1年/#20/DF/桐蔭学園)
小堀 耕太郎(3年/#38/MF/桐蔭学園)
中尾 竜吾(2年/#72/DF/國學院高校)
宮原 正弥(4年/#8/MF/國學院久我山高校)
古山 悠人(2年/#80/MF/新潟高校)
松本 浩己(4年/#9/FW/東京都市大学付属高校)


厚い雲に覆われた中、13時10分にキックオフ。

キックオフ直後はお互いに長いボールで相手陣地にボールを簡単に持っていき、相手の出方を探りあう展開となる。

徐々に落ち着いてボールを回せるようになり始めた前半10分、コーナーを立て続けに獲得。古宮の右コーナーは弧を描き、ゴールエリア左角にいた野田の頭へピタリ。折り返し気味に合わせた野田のヘディングはワンバウンドでポストの内側を叩き、相手GKが掻き出そうとするもボールはラインを割り、ゴールイン。前節でも決勝点を生み出した古宮→野田のホットラインが序盤で炸裂。幸先良く先制点を挙げる。

2戦連続でゴールを決めた野田


上智は先制点の勢いのままに攻勢を強めたいところであったが、都立大学の早い寄せとシンプルにサイドの裏を使いスピードを生かす攻撃になかなかゲームの主導権を手中に収めるところまでは行かず。18分には関のヘディングシュート、20分には池田のFKとシュートチャンスは得るものの決定的なチャンスというわけではなく、ポゼッション率こそ高いものの「持たされている」感があるまま、試合は展開。

なんとなく嫌な予感のする展開であった中、給水タイム明けの24分、CB間を相手FWに抜け出される。ここはなんとか関のカバーで難を逃れるもCKを献上。このCKを都立大は息をつかせる間もなく、リスタート気味に中へボールを放り込む。所定のポジションにつけていない上智ディフェンスは対応が遅れ、相手選手に完璧なヘディングを許し、これがネットを揺らす。1-1。今季初の失点を食らい、ゲームは振り出しに戻った。

失点後、都立大がペースを掴む。26分、左サイドから斜めにロングボールを入れられる。これに抜け出されペナルティエリア内右斜め45度からGKと1vs1でダイレクトボレーを許すもバーの上。上智は命拾い。

引き続き効果的なパスやその1本が通ればチャンスというパスがことごとくミスになりボールを持たされる上智と、プレッシングからのボール奪取、シンプルな手数をかけない攻撃で攻め手を伺う都立大という展開。

そんななか、35分池田が頭部へのボール直撃でいったんピッチ外へ。悪い流れのまま10人での戦いを余儀なくされてしまう。

41分、10人である上智は相手CBにプレッシャーを与えられず、フリーで長いボールを蹴らせてしまう。このボールが上智DFラインを超え、GKと1vs1に。しかしこれは羽藤が間一髪飛び出し、事なきを得る。

幸いにも池田には脳震盪の症状が見られなかったため、ピッチに帰ってくることができたものの、嫌な流れのまま前半終了。

円陣後のイレブン


15分のハーフタイムを挟み、なんとか流れをこっちに持っていきたい後半、いきなり好機が訪れる。羽藤のゴールキックのこぼれ球を古宮が回収し、ライン間で待ち構えていた三谷へ。三谷がタメを作りその間にエリア内右の走りこんできた大山へスルーパス。角度があまりないところで受けた大山だったが、勢いそのままにダイレクトで右足を振りぬくも、これは無情にもクロスバーを叩き、乾いた音がピッチにこだました。

このまま畳みかけたい上智であったが、この後はなかなか決定的なシュートチャンスを作り出すことができない。フラストレーションのたまる展開が続く。

後半20分、羽鳥に代えて松本を投入。攻撃の活性化を図る。

キーパスが通らない上智と我慢の都立大。膠着状態が続く。

そして後半35分、足のとまりかけていた大山に代えて、宮原を投入。

39分、上智は松本の仕掛けからこぼれ球がボックス外にいた古宮へ。久々のシュートチャンスを迎えるも、狙いすました古宮のシュートは大きく枠の上。またこのタイミングで足を攣っていた神田に代えて古山を投入。前線をフレッシュなメンバーにし、勝ち越しを狙う。

42分、ピッチ内にいる誰もが引き分けが頭にちらつく中、古山が相手の危険なエリアでボールを受けると相手はたまらずファール。左40度。GKからの直線距離は約25mの位置。ボールをセットするのは古宮。右足インスイングでゴールに向かっていくボールはPKスポットやや左に走りこんできた池田の頭へ。池田はこれをバックヘッドでファーサイドへ流す。これがそのままサイドネットへ吸い込まれた。起死回生、値千金の勝ち越しゴール。苦しい展開であったがついにここで上智が2度目のリードを奪う。

ゴール後の歓喜の輪


その後は都立大も追いつくべくして猛攻を仕掛ける。45分には高い位置で上智はボールを失ってしまい、カウンターを止めようと、たまらずファール。上智が勝ち越し点を決めたFKと同じような位置。相手はGKも前に上がってきたが、ボールは誰も触れずにゴールラインを割り、胸をなでおろした。

上智はその直後に三谷に代えて小堀を投入、逃げ切りを図る。

うまく時間を使っていた上智であったが、50分、CKを与えてしまう。ピッチ上にいた22人全員が自陣ペナルティに集結。上がったボールは羽藤が果敢な飛び出しでコースを変え、逆タッチラインに流れる。ここで長い笛。苦しみながらもなんとか勝ち点3をもぎ取った。

試合終了後、手を合わせる選手たち


地力のある相手に勝利した、という点はなによりも大きなポジティブな面であろう。たとえ意図していたようなサッカーができなかろうとセットプレーなど、力業で相手をねじ伏せることができるというのは強いチームの1つの特徴ともいえる。

しかしやはりあと1本そこが通っていれば大チャンスというパスをことごとく通せず、なかなか流れの中でいい形を作れなかったという点は大きく反省の余地がある。2戦連続ですべての得点がセットプレーというのはストロングポイントでもあるが、同時にチームの欠点を表している。そして失点の仕方、時間帯ともにとても悪かった。給水明け、しかも相手がリスタート気味にCKを始めることはスカウティングで明らかになっていたはず。失点にもいろいろな種類があるが、今回の失点は声や、頭の切り替えの部分で防げたもったいない失点であった。

個人にフォーカスすると、中盤を担った神田は自陣に敵陣に走り回り大車輪の活躍。攻撃面では狭い局面でボールスキルを見せる、後ろから縦パスのサーバーになる、降りて行ってビルドアップのサポートなど役割は多岐にわたり、守っては誰よりも早いトランジションでボールを刈り取り、チャンスの芽を摘み続けた。その姿はまさしく“Box-to-Box”であった。

攻撃に守備に、奔走した神田


そして誰よりも触れなくてはいけないのは決勝点を挙げた池田であろう。ゴールに一瞥もくれず放ったバックヘッドはサイドネットに吸い込まれ、勝負を決めた。まさしく感覚知。かのアルゼンチンの名ストライカー、バティストゥータは「ゴールがあるから蹴るんじゃない、俺が蹴るからゴールがあるんだ。 」と言い放ったが、それを具現化したかのような珠玉のビューティフルゴール。アミノバイタルカップ、リーグ開幕戦と沈黙に終わった“The Beast”池田がようやくエースとしての仕事を果たした。火が付くと止められない背番号10の今後の爆発を期待せずにはいられない。

エースとしての仕事を完璧にこなした池田

以下出場選手のインタビューです。

神田 辰丸 (3年/#14/MF/國學院久我山高校)

・試合を振り返って
チームとしては前半にうちに同点に追いつかれ嫌な流れが続きましたが、苦しい試合を勝ち切れたことはとてもよかったと思います。個人としては今年目標にしている対人の守備と切り替えはよかったものの相手に脅威を与えるような攻撃ができずゴールにも絡めていないため、改善していければと思います。

・今後に向けて
縦パスの精度にこだわる、テンポよくボールを回し相手を揺さぶる、シャドーの裏抜け、セカンド回収などセットプレーでしか点が取れていない理由が多く見つかりました。「蹴ってくるチームだから、失点したから難しい試合になった」なんて言い訳でしかないです。前のマッチレポートで羽藤君も言っていましたが、2部優勝、1部で戦えるチームになるためには圧倒してやるという気迫、自分たちの方が強いという気持ちがまだまだ足りてないと思います。2連勝は素晴らしいことですが、もう一度気を引き締めて日々の練習に取り組みたいと思います。

池田 総一郎 (4年/#10/FW/県立川和高校)

・ゴールシーンを振り返って
朝からグラウンド設営をしてくれたメンバー、応援してくれていたメンバーの為にも勝たなければいけない試合でした。
残り時間が少なくなり、チームに焦りもあったセットプレー。ニアに来た古宮のボールをここに行け!と感覚でヘディングしました。着地し振り返ると、イメージ通りの軌道でボールが飛んでいき、ゴールに吸い込まれました。
バカ嬉しかったです。

・今後に向けて
苦しみながら勝ち取ったこの2勝は後に絶対に響いてきます。勝ち切れた事に自信を持ちつつ、改善を繰り返していきたいです。「感謝の気持ち」と「誠実で責任ある行動」を忘れずに残りのリーグ戦も戦い抜きます。

次節は5月30日(日)11:00キックオフ。3連勝をかけ、東京理科大学との一戦に臨む。次節も無観客での開催となるので、Player!での熱い応援よろしくお願いします!

#東京都リーグ戦  #マッチレポート #上智大学 #東京都立大学

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