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【連続小説】騒音の神様 99 戦いを見ていたあんパンを食う男

この花守達の戦いを、遠くから眺めている男達がいた。切り開かれて、土の地面だけが広がる造成現場。戦いの場所からは遠かったが、男達は木箱に腰かけたり、地面にしゃがみこんだりしながら休憩していた。そんな中の一人が花守達に気付き口にした。「なんや、喧嘩やっとるで。あっち見てみい。」「おー、ほんまやな。喧嘩やな。わかりやすく、人が吹っ飛んでるやないか。めちゃくちゃ強いやないか。」その話題に、あんパンを食べながらタバコを吸っている、ひときわデカい体の男が口を挟んだ。「強いやと、俺の前でそんなこと言うなよ。俺より強いやつなんて、おらんねんから。俺に失礼やぞ。」と言うと周りの男達も「まあそやな。お前より強いやつはおらん。」「今から行って、倒したらどうや。ちっちゃい奴が頑張ってるけど、あれは無理やろ。相手でかいし、強い、まあまあ強い。」そう言うと、あんパンをかじりタバコを吸いながら「ちょうまて。あとあんパン二個あるんや。それ食べたら行ったる。暇つぶしや。すぐ終わらす。」そう言ってあんパンを食べているうちに、拡声器の音が届いた。「静かにするんや、、、騒音はいらん、、子供の音を、、」と、はっきりとは聞き取れなかったがだいたいの音は届いた。その音を聞いて「なんや、わけわからん事ぬかしとるな、」「よっしゃ、食べ終わった。今から行くで、」「はよ行け荒本、あの強い奴、帰って行きよる。」「あんパンなんか、食うてるからや。行ってしもたで、」。あんパンを食べ終わった男が立ち上がって遠くを眺めた。立ち上がった荒本を見て周りの男達が言う。「お前、ほんまでかいな荒本。」「あの、今の強かったやつよりでかいやろ。」「身長なんぼや、体重何キロあんねん。」荒本は、でかい体で小さいタバコに火をつけながら答えた。

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