見出し画像

【騒音の神様】152 神様の眠れない夜

神様は布団に入ってからも、眠りに落ちれないでいた。今日の花守の戦いが、何度も何度も頭の中に浮かび上がってくる。
「今日は、わしも暑い中頑張った。動き回った。音の鳴る機械を走り回って止めて回った。よう頑張ったから、はよ寝な。」
そう思いながらゆっくり呼吸をして眠りにおちようとする。しかし、また花守な戦いが目の前に浮かんでくる。何人もの逞しい男達を、一人でぶっ飛ばす花守。誰がどうみても強そうな、ハーレーで現れたボクサーを倒す花守。
「かっこええ、かっこええなあ、、」
気がつけば、かっこいいと口に出しながら回想にふける。
「あかん、寝られへん。ビールでも飲も、」
と起き上がるが、今日は花守の夜勤が休みの日で隣でねている。
「あかん、花守君の寝てる横で飲むのはあかん。花守君、ほんま今日はようやってくれた。わしは嬉しい。」
そう花守の寝顔を見ながら、心の中で感謝の言葉を述べて、神様は外に出た。タバコに火をつけて、ビールを飲みに歩き出した。蒸し暑い夜。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?